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直筆で読む「人間失格」 の商品レビュー

4.6

10件のお客様レビュー

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2019/07/13

思春期の私に大きな衝撃を与えた作品。15年以上ぶりに読みました。 小説を直筆原稿で、というか、活字以外で読むという経験を実はほとんどしていないということに気づく。内容以前に受け取る雰囲気が大分違う。メディアはメッセージです。 太宰治の推敲を重ね、表現に迷いながら紡ぎたざれた文...

思春期の私に大きな衝撃を与えた作品。15年以上ぶりに読みました。 小説を直筆原稿で、というか、活字以外で読むという経験を実はほとんどしていないということに気づく。内容以前に受け取る雰囲気が大分違う。メディアはメッセージです。 太宰治の推敲を重ね、表現に迷いながら紡ぎたざれた文章であることがよく分かります。この作品はこの本の原稿の前に草稿がいくつかあるということで大枠の骨格は定まった状態での表現の推敲だったようですので、原稿を書いては破って捨て、というようなステレオタイプはこの本を見ても分からない訳ですが、それでも言葉のプロたる小説家であってもこれだけの迷いを重ねながら作品を作り上げているということにはやはり面白みを感じます。

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2014/01/10

何度か草稿を重ねた上での原稿なので、 すでに書くべき物の骨格は定まっていて、 文章の言い回し、伝わり方などに推敲が重ねられている。 特に主人公である葉蔵の心境には細心の注意を払っていて、 彼は達観した識者などではなく、文字通り『道化』として 読むものに人間としての生き方を説いて...

何度か草稿を重ねた上での原稿なので、 すでに書くべき物の骨格は定まっていて、 文章の言い回し、伝わり方などに推敲が重ねられている。 特に主人公である葉蔵の心境には細心の注意を払っていて、 彼は達観した識者などではなく、文字通り『道化』として 読むものに人間としての生き方を説いている。 原稿用紙に直筆で何度も何度も書き直すからこそ 文学は傑作たり得る気がした。 ワープロでは、磨き抜かれた生の文章に勝てない。

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2014/10/26

[ 内容 ] 本書は、太宰治の代表作「人間失格」の直筆原稿を、写真版で完全収録したものである。 この「人間失格」の直筆原稿は、太宰の死後、遺された家族の手で、太宰本人が愛用した着物の生地を使い表装された和綴じ本四冊から直接撮影したものである。 今回その原稿が寄贈されている日本近代...

[ 内容 ] 本書は、太宰治の代表作「人間失格」の直筆原稿を、写真版で完全収録したものである。 この「人間失格」の直筆原稿は、太宰の死後、遺された家族の手で、太宰本人が愛用した着物の生地を使い表装された和綴じ本四冊から直接撮影したものである。 今回その原稿が寄贈されている日本近代文学館(東京都目黒区)の協力により、従来綴じ込まれていて見ることのできなかった部分の撮影にも成功。 本書をひもとけば、誰もが原稿用紙の全体を閲覧でき、太宰本人の訂正、書き込みのすべてが見られるようになった。 「人間失格」はもう活字では何度も読んだ、初めてだがこの機会に読んでみたい、久しぶりに読んでみようか、本書はあらゆる読者のニーズに「直筆」で応える一冊である。 [ 目次 ] 直筆原稿の魅力 直筆「人間失格」 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2010/05/19

直筆であるが故に。 訴えかけてくるものが、迫ってくるものが、よりはっきりと感じられる。 こちらの心の底まで見透かされたような。 病んでる人にはおススメできません。 ってか、若干憂鬱な気分になります。

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2010/02/13

太宰治は偏見があって読むのを避けていたのだけれども、いざよんでみるととても読みやすい!! そして、この人間失格の主人公の生きることに対する無気力さが、私たち若者に通じるところがあると思いました。 太宰の作品をもっと読みたいですね。

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2009/10/04

言わずと知れた一番有名かつ最も読まれている太宰作品。太宰治論の奥野健男氏は「太宰治の全作品が消えても、『人間失格』だけは人々にながく繰返し読まれ、感動を与え続ける、文学を超えた魂の告白と言えよう」とまで評しています。 アフォリズムを作り出す天才だと言われる太宰治。中でも『人間...

言わずと知れた一番有名かつ最も読まれている太宰作品。太宰治論の奥野健男氏は「太宰治の全作品が消えても、『人間失格』だけは人々にながく繰返し読まれ、感動を与え続ける、文学を超えた魂の告白と言えよう」とまで評しています。 アフォリズムを作り出す天才だと言われる太宰治。中でも『人間失格』の中の言葉は際立って名文揃いです。主人公である葉蔵の破滅へのリアルな道筋は、読んでいて寒気がするほど。人と人との繋がり、社会との繋がりなどの意味を改めて考えさせられます。

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2009/10/04

こういう字書く人好き。雑なようで読みやすい。 人間失格自体は内容がわかるので飛ばした。直筆本いいなぁ・・もっと出してくれないかな。

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2010/09/05

 「人間失格」自体を読むのはまだ二回目。直筆どうのの前に、やっぱり内容に感動した。前に読んだときに心に響いた箇所とは全然違う部分が私に訴えかけてきた。でも、訴えかけてくることに変わりはない。そこがすごいと思った。  直筆の面白いところは、訂正箇所もそうだけれど、筆圧とかが感じられ...

 「人間失格」自体を読むのはまだ二回目。直筆どうのの前に、やっぱり内容に感動した。前に読んだときに心に響いた箇所とは全然違う部分が私に訴えかけてきた。でも、訴えかけてくることに変わりはない。そこがすごいと思った。  直筆の面白いところは、訂正箇所もそうだけれど、筆圧とかが感じられること。その言葉を書いているそのときの太宰の存在が感じられる。息吹、っていうのかな。活字よりも読みづらいはずなのに、どんどん進められのは、これを書き進めている太宰のペースに一緒になって乗れたからかなぁ。なんて。  欲を言えば、解説がもっとしっかり(?)しててもよかったかな。せっかくなんだから、学術論文並みに…それだと手軽さに欠けるからだめなのかな。解説はちょっと物足りなかった。内容も月並みに思えたり。それで星4つ。

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2009/11/07

漱石より修正が多そうな、太宰・『人間失格』。葉蔵の「見せ方」がどういう風に変わっていったのか、興味がある。

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2009/10/04

葉ちゃんの誠実さ故の歪みには、 頁を進めていく程にぎょっとする。 なぜなら、共感してしまったから。 何度も読むうちに葉ちゃんが人間失格では無いと思えてくる。 そんな人は結構いるのではないかと願う。 所々に見られる自虐的なフレーズは笑いをも誘う。 嘲笑か共鳴かの見定めは難...

葉ちゃんの誠実さ故の歪みには、 頁を進めていく程にぎょっとする。 なぜなら、共感してしまったから。 何度も読むうちに葉ちゃんが人間失格では無いと思えてくる。 そんな人は結構いるのではないかと願う。 所々に見られる自虐的なフレーズは笑いをも誘う。 嘲笑か共鳴かの見定めは難しい。 太宰の心情を吐露する書き方が大好き。 暫定1位で好きな本。

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