僕にはわからない の商品レビュー
何かないかなーと探して見つけた本。 私にとって初めての中島らも。 270ページほどの中で最初の65ページが星4。 自我なんて妄想なんじゃないの?(人造人間は泣くのか?)、ガガーリンが偉いって言われても(「偉人」は何が偉いのか)、死はどこにもなく生しかない自分の精子が受精したら僕...
何かないかなーと探して見つけた本。 私にとって初めての中島らも。 270ページほどの中で最初の65ページが星4。 自我なんて妄想なんじゃないの?(人造人間は泣くのか?)、ガガーリンが偉いって言われても(「偉人」は何が偉いのか)、死はどこにもなく生しかない自分の精子が受精したら僕は死んでても生きててもどっちでもいい(人は死ぬとどうなるのか)、中立でいたいのよだって一生を捧げてから実はアレは。。とか言われたらどうすんの(超能力ニュートラル派)、宇宙の真理なんて知ったら情報過多で細胞が破裂すんじゃない?(なぜ人間は無知なのか) 彼自身の考えのみならず専門家から聞いた話なども混ぜ混ぜて、表面的には多方面に気を遣った書き方をなぞりながらも「自我とか意志の力とかバカなこと言うな」「オカルト信じてる奴ってあれマジなの?」「バカなんだからバカって自覚しろよ」的な小気味いいエッセイが並ぶ。 中でも「がんばれダーウィンIII」のなかで語られるあなたは油、世間は水という例え話が最も好きだ。 私は日頃「私の形を決めるのは皆さん。皆さんが僕だと思う形こそが僕。僕が思う本当の僕自身とか云々はただの願望に過ぎない。ジグソーパズルの空いたところに私は入る。どんな形であれ。それが私のピースの形なのだから。」と説明しているのですがほぼ毎回キョトンとされる。(私の説明が悪い)著者と同じ意味のことを言ってたつもりが表現方法に問題があったのだ。これからは水と油で話そう。 私は父と母のハーフで、DNAと世間のハーフなのだ。
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白夜書房版を読んだけど検索で出ないのでこっちで登録。 すごく面白かった。古い本なのに今読んでも頷けるところが多く、やっぱり先見の明がある人だと思う。難しくて解らない部分もあるし覚えておくには内容が濃すぎるので定期的に読み返したい。読む価値のある「悪書」だと思う。多数引用されてる...
白夜書房版を読んだけど検索で出ないのでこっちで登録。 すごく面白かった。古い本なのに今読んでも頷けるところが多く、やっぱり先見の明がある人だと思う。難しくて解らない部分もあるし覚えておくには内容が濃すぎるので定期的に読み返したい。読む価値のある「悪書」だと思う。多数引用されてる映画も観たくなった。運動会で順位を付けないって90年代にすでにあったことなのかって驚く。
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作者の豊かな知識を活かした押しつけがましくない人生論てきなもの を読むのは読者の世代を選ぶ 二三十年後に作者の年齢上回ってから読めば微笑ましいか 時代が違うか より若年時読んでいればどうだったかという未来はわからない
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「ガダラの豚」を読んだのはいつだったか。 このエッセイは、「ガダラの豚」執筆前から書かれていたもののようです。 全体のそこはかとない世紀末感が…良いです。 超自然やホラー、悪者…などテーマに分かれたエッセイでした。 エッセイというか、お酒の席で自分のすきなことを気持ちよさそう...
「ガダラの豚」を読んだのはいつだったか。 このエッセイは、「ガダラの豚」執筆前から書かれていたもののようです。 全体のそこはかとない世紀末感が…良いです。 超自然やホラー、悪者…などテーマに分かれたエッセイでした。 エッセイというか、お酒の席で自分のすきなことを気持ちよさそうに話し続けるおじさん、みたいな。 まったく興味がないこともあり。へええと食いつきたい話題もあり。 ちょうど、ウディアレンの「マジックインムーンライト」を観たとこなので、 『超能力者の技を手品師が再現することはできても、「超能力がない」と証明することはできない』 みたいなくだりは、偶然の一致を感じましたー 超能力者界隈では有名なテーマなのかな? らもさんが、もし生きていたら…と考える。 今の日本でどんなことを表現するんだろう。
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中島らものエッセイは2冊目。 前に読んだ「僕に踏まれた街と僕が踏まれた街」は著者の自伝的な要素の強いエッセイだった。 この「僕には分からない」は、ひたすらに著者の好奇心の在処について書き綴った文章。 これはもともと新聞か雑誌で連載してたものを集めたものなのかな。 1章から4章...
中島らものエッセイは2冊目。 前に読んだ「僕に踏まれた街と僕が踏まれた街」は著者の自伝的な要素の強いエッセイだった。 この「僕には分からない」は、ひたすらに著者の好奇心の在処について書き綴った文章。 これはもともと新聞か雑誌で連載してたものを集めたものなのかな。 1章から4章まであるんだけど、1章だけ浮いてる。 そしてその1章が特段に面白かった。 1章「僕にはわからない」。本のタイトルにも取られているところで、 宇宙とか、ロボットとか、超能力とか、正常と異常とはみたいな日常の先っちょにあるようなテーマについての筆者の好奇心に基づく思考が書かれていてものすごく面白い。こういうの話ながらお酒飲むの楽しいよね。 2章以降は、面白いんだけど、1章ほど好奇心を掻き立てられるようなものはなかった。 まぁ著者の趣味がホラーということで、個人的にあまり共感できない部分だったのも楽しめなかった要因なんだろうけど。 ホラー楽しめるのっていいなぁと思った。 そしてやっぱりこの人の文体好きだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【人は死ぬとどうなるのか】 種としてのフレキシビリティを保つためには全体を有限の個によって構成しなければならない。我々の死、つまり個々の不連続が全体の連続を支えているのだ。その意味では我々は「永遠に死なない」と考えても誤りではない。p29
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ようやく読み終わる。 この人、本当に好奇心旺盛と言うか 知的探究心に溢れている人なんだなって思った。 そして自分の興味のあること好きなことへの追究がすごい。 それからその発想力がすごい。 まだまだこの人の作品を読みたいと思う。
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僕にはわからない けれど解らなくったって考えてみたくなるのが人間ってやつで、またそれらの気を惹くような事がこの世にはたくさんあって、それのせいで夜眠れなくなったり長風呂してのぼせたりトイレの外で誰かを待たせたりする。 そんな時これを読めば案外簡単に紐は解かれるかもしれない。そし...
僕にはわからない けれど解らなくったって考えてみたくなるのが人間ってやつで、またそれらの気を惹くような事がこの世にはたくさんあって、それのせいで夜眠れなくなったり長風呂してのぼせたりトイレの外で誰かを待たせたりする。 そんな時これを読めば案外簡単に紐は解かれるかもしれない。そしてさらにそこに新たな紐が足され複雑にこんがらがりながらふっと何かに引っ掛かる。その引っ掛かった紐が、思考回路の激流に流されそうになる誰かを救うかも知れないしあるところでは首に巻き付いてく、苦しい・・なんて事もあるかもしれない。が、彼の言葉は誰かを苦しめたりする事はきっとしないだろうと思った。 読んでいて自分の求めているものに素直で純粋な人だなとも思った。 中島らものほんとうのところは私にはわからない けど今日はそういう事にしておこう。
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多感な頃に中島らもにどっぷりつかっていたが、今あらためて思い返すと、どうも彼の刹那主義的な部分に強く共感したんだろう。 本書で言うと、素粒子の中には宇宙があるという夢想をいだくところや、精子と卵子が結合した時点で種としての私の存在意義は完了しているという達観とか。諦観と言え...
多感な頃に中島らもにどっぷりつかっていたが、今あらためて思い返すと、どうも彼の刹那主義的な部分に強く共感したんだろう。 本書で言うと、素粒子の中には宇宙があるという夢想をいだくところや、精子と卵子が結合した時点で種としての私の存在意義は完了しているという達観とか。諦観と言えるかもしれない。 自分も全く同じような夢想をしていた。
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「生と死」「有と無」などについて、らも氏と同じく中学生くらいのときに真剣に考えていたことがある。 このくらいの歳に「有と無とは」なんて仰々しく考え込んで、熱中するあまり夜更かしして学校に遅刻した、なんて人は少なくないのではないだろうか。 このようなことを考えていると大抵ぐるぐ...
「生と死」「有と無」などについて、らも氏と同じく中学生くらいのときに真剣に考えていたことがある。 このくらいの歳に「有と無とは」なんて仰々しく考え込んで、熱中するあまり夜更かしして学校に遅刻した、なんて人は少なくないのではないだろうか。 このようなことを考えていると大抵ぐるぐるした迷路に迷い込む。 答えの出ない歯痒さに一人でむしゃくしゃしていると、母親に「あーあー言ってないで、早く風呂に入んなさい!」なんて言われていたことを思い出す。 年齢を重ねるに連れて、循環する考えを受け止めることが出来るようになった。しかし同時に「なぜ循環するのか」という問いがむくむくと浮上してきた。そこには「理由」と「帰結」が必要で、どうしても直線的な関係が生まれてしまう。 答えの出ない部分に神を持ってきたり、意味なんてないと潔く言い切ることの出来ない私だが、答えは一つでなくて良いような気はしている。 それぞれに違う「帰結」があって良いし、無くたっていい。そんな気がする。 「死ぬとき全てが分かるさ」なんて話もあるが、そうならば私は今生に未練たらたらな訳で、答えなんて分からなくて良いとも言える。
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