落語家はなぜ噺を忘れないのか の商品レビュー
能の謡は節がある。落語は節がないものの、口調のリズムの流れがある。なので、忘れないのだろう。 教えられたものを自分のものにする過程(守破離)の説明が興味深い。 落語家の文章は読んでいてリズム感があるものが多いが、本書も例に漏れない。
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題名はかなりミスリーディング。 花緑氏の落語論。 噺の具体的な覚え方を知りたかったので、How To 要素はほとんど無かったのは残念…
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落語に向き合う姿勢、高座の上で何を考えてるのか。同じ噺でも、噺家が違えば雰囲気が変わってしまうこと。また重ねた人生でも変わっていくこと。落語を聞きたい。
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著者の落語人生と落語に対する様々な思いが詰まった本。 読むと落語が聞きたくなる。 ちなみに著者は噺をイメージで覚えているので忘れない模様。他の落語家も同じだろうか。
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柳家小さんの孫、花緑が書いたエッセイ。まず、タイトルがいい。タイトルだけで買いたくなり、中身も分かりやすくていい。肝心の、「なぜ忘れないか」は結局のところよくわからないが、話の作り方、古典への寄り添いかた、はとても興味深く読めた。
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謎の書き込みに惹かれBOOKOFFで購入 なぜ「2~5回さらえば高座にかけられるネタ」に追加書き込み? かなを振るのはいいけど時々間違ってる 勝手にセリフを書き足したり なんなんだ 花緑さんはとっても真面目そう …めんどくさそう(笑) 今書いたら少し違うんじゃないかなどと思いつ...
謎の書き込みに惹かれBOOKOFFで購入 なぜ「2~5回さらえば高座にかけられるネタ」に追加書き込み? かなを振るのはいいけど時々間違ってる 勝手にセリフを書き足したり なんなんだ 花緑さんはとっても真面目そう …めんどくさそう(笑) 今書いたら少し違うんじゃないかなどと思いつつ
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柳家花緑さんの『落語家はなぜ噺を忘れないか』読了。記憶術の本かと思いきや花緑さんの落語に対する姿勢の話が大半で興味深かった。花緑版『笠碁』全文収録。
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○落語家の柳谷花緑氏の著作。 ○自身の落語家としての経歴や話の選び方、覚え方などを通じて、落語への向き合い方を紹介した作品。 ○落語が「芸道」であるということがとてもよく分かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
柳家花緑師匠が、ネタを覚えて、自分のものにするまでのドキュメント。落語というのはいろいろな噺があるのだけれども、その話を自分で覚えて、研究して自分のものにしていく過程を自らでドキュメントにしている本、という紹介でいいでしょうか。いいんだと思います。 どうもこの人の「笠碁」は面白くなくて、なんでこの年でやるんだろうね笠碁、と思っていたら本の三分の一くらいは笠碁の話でしたなるほど。 でも結局、なんで「笠碁」なのかというところに理由は突き詰められてないんだわな。単にネタにコマって、ふと「笠碁」いいんじゃね? と思ってやっている。それだけの話。であるがゆえにその後の作り方なんかァ見ていても、結局はこうでもしないと自分で納得しないんだろうなと思うのでした。それはなんだ、もっと無意識にでもいろいろな思惑が働いたんだと思うよ。先代の小さんの18番だからだとか。この年で笠碁やったら耳目を引くんじゃないかとか。 この本におけるいいところは、作者自身の思いとしては、ちゃんと余すところなく書こうとしているところなんだと思います。すごいよね、その辺の捨て身の感じというのは他の噺家にはないし、潔いや、と思わせたいのでしょうおそらく。そのわりにはずいぶん思考的に受け売りのところもあって、まだ自分ひとりのものとして完成していないようにも見える。その辺の根底のなさの裏返しとして、何もかもお見せしますみたいなスタイルをとっているのかもしれない。 行間から透けて見える人物像、という意味でのドキュメントとしては面白いですが、この人そのものに魅力を感じるかと云うと、特にそういうことはないなぁと思うのでした。
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噺が身についているから、落語家は噺を忘れない。 その「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」的なタイトルから、《落語家が明かすマル秘暗記術》のような内容を期待するときっと肩すかしを食うだろう。落語家が噺を忘れないのは、ただ台詞を暗記しているだけではなく「立体的に」覚えているからだと著者...
噺が身についているから、落語家は噺を忘れない。 その「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」的なタイトルから、《落語家が明かすマル秘暗記術》のような内容を期待するときっと肩すかしを食うだろう。落語家が噺を忘れないのは、ただ台詞を暗記しているだけではなく「立体的に」覚えているからだと著者は言う。それが「噺が身につく」ということであり、それはただただ稽古の賜物でしかない。ではいったい、落語家は噺を身につけるためにどんな具合に稽古を重ねているのか?この本の「肝」は、そこにある。 個人的には、花緑師が演じる『笠碁』がいままで聴いた誰の『笠碁』とも違うため、いったいその「型」がどこからやってきたのか知りたくて手にしたため、最後まで興味深く読むことができた(第4章「自分のネタを作る〜『笠碁』への挑戦」が、そのまま花緑版『笠碁』の誕生秘話(?)となっている)。これを読んで、花緑版の『笠碁』が、いわば伸び縮みする「時間」感覚という視点から再構築されたものであることがなるほど、よくわかった。ただ、「時間」という視点なら、従来どおりのサゲでもけっして矛盾はしないようにも思うのだけど。水滴が落ちてくるのも忘れて笠をかぶったまま碁盤にかじりつくおじいちゃんの大人げない様子から、碁を打とうにも相手がいない、そんな「待った」の日々の長さが手に取るように伝わってくるから。 落語家はどのようにして噺を自分のものにするか。落語好きなら読んで損はない、落語家の「了見」がよく伝わる一冊。
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