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日本人への祈り の商品レビュー

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2009/10/07

生命科学者の柳澤桂子先生は、原因不明の長い闘病生活の深い孤独の中から「生かされている」ことを知る。こころの支えは他者によってもたらされるものではなく、自分の中にある。 この本はやっと病気の原因が判明してもなお健康を回復したわけではない先生への電話インタビューに答えたもの。 生い...

生命科学者の柳澤桂子先生は、原因不明の長い闘病生活の深い孤独の中から「生かされている」ことを知る。こころの支えは他者によってもたらされるものではなく、自分の中にある。 この本はやっと病気の原因が判明してもなお健康を回復したわけではない先生への電話インタビューに答えたもの。 生いたちや闘病のこと、生命への祈り・・・等々、平明な言葉でとても深い思索が語られている。 ナチスに処刑されたドイツの神学者、ボンヘッファーの「神の前に、神と共に、神なしに生きること」との言葉の宗教観が自分にとって求めていたものだと気付いたとの言葉が、私の心に響き、共鳴する。 そうだ。これこそ「こころの成熟」なのだと。先生は「自分を癒し、救ってくれる内なる神を自分の中に見出し、絶対の平安を得ること・・」という。 「人生は苦なり」しかし物事二元論で考えることから一元論で考えてみようとする仏教の教えを受け入れる。病や老いをどのような気持ちで迎えられるか、人は人格以上のことはできないんだものな。

Posted byブクログ