TOKYO BLACKOUT の商品レビュー

福田和代【著】

2011/09/30

東京大停電！クライム・サスペンス小説。送電用の鉄塔が相次ぎ破壊される。真夏の東京が大停電に陥る。それぞれの「動機」を抱えた犯人たち。事件を追う刑事、復旧を急ぎ奮闘する電力会社職員、多くの入院患者を抱えた病院で不眠不休の医師や看護婦。多くの登場人物のエピソードが併行して描かれている。犯人の目的は何だろう？　謎に惹かれ、ページを捲り続けた。多くの人物たちのエピソードがどう収斂していくのか？　興味が尽きなかった。東京が闇に包まれ、光を失う。ところが、夜空にはふだんなら見えない星が瞬いた。明るいときにはかえって見えなかった現代社会の歪みが、闇の中に浮かび上がる皮肉を思う。捜査にあたる刑事が抱える妻との確執も、テーマのひとつ。いままで見えなかった問題、目を逸らしていた問題が停電の闇の中に浮かび上がり、対峙することになる。そんなエピソードのひとつひとつが物語りに厚みを与えている。犯人がラストにみせる、もうひとつの「動機」に心を揺さぶられた。虚しく、切なく、それでも美しく、悲しい余韻を残した。停電によるパニック感が乏しかったり、犯行方法の粗さなど、細かい点に雑な感じも受けたが、全体的にはうまくまとめられていると思った。

2009/10/07

東京から電力が消える!! という普段あまり考えなかったテーマと
その電力に関わるスタッフ達、そして、電力供給に関わるその
描写など、説明パートになりがちな部分も上手く読ませてくれます。
面白いです。
本当の夜の暗さを知らないまま、自分ｊはこのまま生きていくんだろうか?

ただ........犯人の本当の動機とこの事件との結びつきの説得力が
やや弱くないスか?
犯人の人物像と動機は結び付くんですが、その為にこの事件との
繋がりが残念ながら、ピンとこないです。

スゲー面白いのに....惜しい!

2009/10/07

日々の生活は電気に依存しているはずなのに、停電によってパニックになる人々の大変さが余り感じられない。
事件を起こす背景も切なさは感じられるが、それでここまでのことを起こしてしまうという設定にもムリがあるのでは!?

2011/09/20

実は先日2時間だけ停電しました新しいマンションが近所に建つため　設備を増強するから　。。　という工事停電で　あらかじめわかっていたのですが　うち　つけてから1回も電源落としたことのない　電化製品　たくさんあるので　結構びびった。。急に停電になったら　そりゃ　おおごとですよね。。最近　自殺　とか　犯罪被害者の　本をたくさん読んだので　犯人の動機は　ちょっと　弱いかな　と思いました

2011/09/13

楽しめた！発電所テロによる大停電。現実にありそうな話です。小学生のころ大雪による影響で２日間停電の中ですごしたことを思い出しました。冬休み中の出来事だったのであまり生活に影響しなかったと思いますが大人は大変だったんでしょう。

2011/08/15

此処での朋友のryoukentさんから、面白いから読む様に、と勧められて。やっと回って来た、一寸、旬が過ぎた様な気もするが、買って読める訳で無し、此ばかりは仕方ないね。さて、他の方の書評通りの内容なのかな？

2009/10/04

2009/1/27〜2009/2/14

「このミス」で存在を知って以来、読みたい、読みたいと思っていた。
設定はすごく面白そうで期待大であったが、期待が大きすぎたのか
あまりよくなかった。
設定、デティールは良いのだが、ストーリーがイマイチというか、
作家がキャラクターや設定を自分のものにできていないように感じた。
発想、着想が面白いので、今後に期待したい。

2011/08/01

電気が止まる言葉にすればただこれだけのこと。それが大都会東京で、テロによる大停電だとしたら…電気が止まることにより引き起こされる様々な状態。ヒトビトの生活への影響。その一つ一つが細かく臨場感溢れる筆致で描かれる。いくつかの場面がそれぞれの立場の人の目線でもって語られていく。徐々に明らかになっていく事件の形。そして目的。多くの人が危険に晒され被害を被り不自由を強いられる。決して許される罪ではない。けれど最後の１pで必ず思うはず。お願いだ、もう少しだけこのまま　と。

2009/10/04

なるほど、パニック小説としては確かにうまくまとめられていて、登場人物もまさに適材適所だとは思うんですが、電力会社の面々にしても、結局ただ単にそこにいただけで何ら積極的な対策を打てないままでしたし、主犯の動機の弱さとか外人グループの末路には若干の違和感を感じました。「次はがんばりましょう」ってとこですかね。

2009/10/07

突如起こる「東京大停電」テロ。
非常事態に追われる電力会社や警察。
犯人の目的は!?

久々に読み応えのある本を読んだー。
徹底した取材からこの骨太感が生まれるのかー。脱帽。
スピード感溢れる展開に一気読み。
そしてラストはダダ泣き…ｗ

ｲﾔ。面白かった…