ドグラ・マグラ(文庫版) の商品レビュー
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漫画にする事で小難しい表現や衒学趣味な部分を取り除いて一本の物語として読むことが出来る。 あの目眩まし小説から(わざと矛盾する情報を提示したり、意図的に様々な挿話を差し込んで来る)、物語だけを抽出すると(様々な矛盾要素はあるものの)実は一本筋の通った話なのだと理解出来る。 犯人は正木教授。彼は自分の研究結果の証明として息子呉一郎を利用。母殺しの洗脳と妻殺しに誘導殺人する。 起こる事件は全部で4つ。 ①千年近く前に中国で起こった呉青秀の連続絵巻物殺人 ②舞台から2年前の呉一郎による母親殺人疑惑(犯人は正木博士) ③舞台から1年前に起きた呉一郎による呉モヨコ殺人事件(正木博士による誘導殺人) ④囚人治療場で起きた呉一郎による男女5人の連続殺人(心理遺伝によるもの) 一連の犯行のうち、主となる②と③の事件の黒幕は正木博士。彼は自分が斎藤教授より教わった(?)学説の正しさを証明する為に先祖に殺人鬼を持つ呉家に近づく。 "絵巻物を呉一郎に見せれば呉青秀の記憶が、『胎児の夢』により『心理遺伝』が発症する"と目論見が当たる。一郎はモヨコを殺害(実際には仮死)。 保護処分としたことで今度は実験場に入所させる。 上記が本作の簡単なあらましなのかな、と。 『ドグラ・マグラ』が描かれた背景は分からないけど、ロボトミー手術なんかが本当に行われていた当時は、精神病患者の扱いが本当にこんな感じだった為に作られた作品なのかな、と。 あえて、難解に矛盾を孕むように作られているのは、"今のこの状況こそ、ドグラ・マグラ的な状況"、と言いたいが為ではないか、と思ったりします。
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あの3大奇書の名作がコミカライズ!? 「チャカポコ」「アンポンタンポカン」などを大胆にカットすることによって、理解しやすくコンパクト化されている。 しかし本作はあくまで一つの解釈でしかない。 そぎ落とした不可思議な部分がドグラ・マグラの魅力でもあるので、漫画で興味を持ったら是非原...
あの3大奇書の名作がコミカライズ!? 「チャカポコ」「アンポンタンポカン」などを大胆にカットすることによって、理解しやすくコンパクト化されている。 しかし本作はあくまで一つの解釈でしかない。 そぎ落とした不可思議な部分がドグラ・マグラの魅力でもあるので、漫画で興味を持ったら是非原作にも挑戦してもらいたい!
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狂った精神科学者がすべての元凶の話。 当時としては画期的な思想だったのかな? 巻き込まれた一郎は可哀想だけど、最後は昏睡してしまってむしろよかったのかもしれない。
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(図書館から借りる) 原作はすでに読んでいる。 忘れてた、というより なかなか読み進めなくて やっと読み切った原作だったから このマンガはわかりやすくていいわ。 いちいち出てくる驚き顔に ウケてしまったけど。 ドグラ・マグラ自体、気持ちのいい話ではないからな。漫画でも後味悪い...
(図書館から借りる) 原作はすでに読んでいる。 忘れてた、というより なかなか読み進めなくて やっと読み切った原作だったから このマンガはわかりやすくていいわ。 いちいち出てくる驚き顔に ウケてしまったけど。 ドグラ・マグラ自体、気持ちのいい話ではないからな。漫画でも後味悪い…
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友人からドグラ・マグラの小説と合わせて借りた。完結にまとめられているであろう漫画で読んでも難解と言うか気味悪いからこの後小説をちゃんと読めるか不安。ドグラ・マグラのちゃんとした感想は小説読み終えてから書く。
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チャカポコチャカポコ、あれ! こんな話の筋があったんんだ。 ひとつひとつの逸話は印象に残っていたが、読んでるうちに現在地を見失い、話の筋なんてない幻想的な夢の話だと思っていた。 しかたない、再読しよう。またカタカナ記述部分はイライラして飛ばすんだろうなあ――。 夢野久作の写真、...
チャカポコチャカポコ、あれ! こんな話の筋があったんんだ。 ひとつひとつの逸話は印象に残っていたが、読んでるうちに現在地を見失い、話の筋なんてない幻想的な夢の話だと思っていた。 しかたない、再読しよう。またカタカナ記述部分はイライラして飛ばすんだろうなあ――。 夢野久作の写真、小薮に似ている。
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以前から読みたかった本。オリジナルは20年前に読了。そう、ちょうど、エキストラで乗せてもらっていた他大オケの合宿に行く途中、越後湯沢かどこかの駅でバス待ちしていたときに読んでいたな。それはそうと本題。こういう内容だったっけ?っていうのが感想。原作は、読んでいると頭の中でグルグル何...
以前から読みたかった本。オリジナルは20年前に読了。そう、ちょうど、エキストラで乗せてもらっていた他大オケの合宿に行く途中、越後湯沢かどこかの駅でバス待ちしていたときに読んでいたな。それはそうと本題。こういう内容だったっけ?っていうのが感想。原作は、読んでいると頭の中でグルグル何かが回って、混乱の渦に巻き込まれる感じだったから。チャカポコチャカポコ。原作をもう一度読んでみたくなった。原作との橋渡しとして十分に役割を果たしていると思う。癖がある絵のタッチだけれど、かなり内容にマッチしている。
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2018/07/31読了 ゆっくりかみ砕いて読むとすると この本でやっとこさ理解できたかなと思う。 本作はもっともっと複雑怪奇難解なので この本はあくまで、あらすじのようなものとする。 これを踏まえて(伏線も何となく理解したうえで) 小説を読もうと思う ・・・元気があれば!
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まんがで読破を読破するシリーズ。 日本三大奇書の一つに数えられるという伝説の奇書らしいけど、ちょっとくらくらする。
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「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」とも評され、作中のドグラ・マグラ解説シーン「内容が複雑なため読者は最低二度以上の再読を余儀なくされる」とあり、 江戸川乱歩は、「わけのわからぬ小説」と評しているとのことなので、一度の読了で作品の真相、内容を理解することは到底困難...
「本書を読破した者は、必ず一度は精神に異常を来たす」とも評され、作中のドグラ・マグラ解説シーン「内容が複雑なため読者は最低二度以上の再読を余儀なくされる」とあり、 江戸川乱歩は、「わけのわからぬ小説」と評しているとのことなので、一度の読了で作品の真相、内容を理解することは到底困難であるということが解っただけでも収穫があったといえる。 「まんがで読破」シリーズは、原作が結論(あるいは全編にわたり)が、多義的解釈が可能なのに対して、この漫画版はそのありえる解釈のうちのひとつを拡張した案を採用しており、多義的解釈を許さないストーリーになっているというが、それでも良く解らないときているので、どんだけ奇書なのか、それとも凡人にははなから無理なのか、。
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