狂気の偽装 の商品レビュー
「心の病」を正しく解説しようとした労作です。前書きでは同業者で売れっ子の福島章の杜撰な学説開陳や森昭雄教授の無知などを批判しています。 本書は現場での自身の体験をふんだんに取り入れながらも、断定を避け、あくまでも症例の1つとして扱っているところに誠実さがある。 人は追い込まれると...
「心の病」を正しく解説しようとした労作です。前書きでは同業者で売れっ子の福島章の杜撰な学説開陳や森昭雄教授の無知などを批判しています。 本書は現場での自身の体験をふんだんに取り入れながらも、断定を避け、あくまでも症例の1つとして扱っているところに誠実さがある。 人は追い込まれると、自分以外の何かのせいにすることで安心感を得る。その1つが、「心の病」という漠然とした病名です。彼らは、病気だと診断されることを求め、精神科医はもっともらしい病名をつけることで金を稼ぐ。一見すると、誰にも迷惑をかけていないようだが、本当に治療すべき病気(もどき)を医者と患者で隠蔽する可能性や本来治療の必要がない人を薬漬けにしてしまう危険性、長い目で見れば精神医療の現場を混乱させる元凶だと問題提起している。本書は、そうした医者と患者の馴れ合いの関係に警鐘を鳴らしながら、マスコミ受けを狙った本来あり得ない病名の乱造に危機感を抱く精神科医の臨床報告書です。
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10年以上前の著作だが、本質的な問題は変わっていないように思う。病院は仕事や恋愛の悩みなど個人的な問題を解決する場ではない。その問題を「創作」「捏造」された病名によって患者にされる人、患者になることを望む人の利害一致の構図がある。治療が必要な精神科疾患とは? 様々な事例から読み解...
10年以上前の著作だが、本質的な問題は変わっていないように思う。病院は仕事や恋愛の悩みなど個人的な問題を解決する場ではない。その問題を「創作」「捏造」された病名によって患者にされる人、患者になることを望む人の利害一致の構図がある。治療が必要な精神科疾患とは? 様々な事例から読み解く壮絶な一冊。 解説はステレオタイプさながらで読むに値しない。
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精神科医の岩波明による、実際の現場の臨床報告。 心理学の言葉が比較的カジュアルに使われるようになった昨今に一石を投じるような内容で、非常に勉強になった。
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心の病が「ブーム」になってしまっていないか? 心の病の実態についてわかりやすく書かれている・・・のだけど、正直内容忘れちゃったな。またいつか読んでみよう。
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心の病は目に見えるものではない。 だから診断も治療方法も担当する医師の裁量に任され、それが正しいのか間違っているのかは他からはわかりづらい。 一見治療のように見えるカウンセリングが、逆に人格を破壊しありもしない過去を作り上げてしまうこともある。 カウンセリング治療による逆効果によ...
心の病は目に見えるものではない。 だから診断も治療方法も担当する医師の裁量に任され、それが正しいのか間違っているのかは他からはわかりづらい。 一見治療のように見えるカウンセリングが、逆に人格を破壊しありもしない過去を作り上げてしまうこともある。 カウンセリング治療による逆効果によって、アメリカでは多くの被害者が出たこともわかっている。 「偽りの記憶」を誘発したカウンセラー、病院は賠償請求を受けているのも事実だ。 犯罪加害者、特に大量殺人や猟奇殺人を犯すものの一部には脳に萎縮が見られるらしい。 MRIによって脳の側頭部を検査した結果、萎縮所見が出されたのだ。 ウゥルス性脳炎の後遺症ではないかと言われ、情動行動や性行動の変化が見られるということだ。 数多くの症例を具体的にあげ、それぞれの解説をとてもわかりやすくしていた。 医学的にはまだまだ謎の多い分野である。 どの状態になったら本当に寛解と言えるのか。 寛解状態になったとして再発の可能性はどれくらいあるのか。 たったひとりの医師の判断ですべてを決定してしまっていもいいのか。 研究の余地が大きな分野なのだとわかった。
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心療内科、クリニックが大流行りである。精神科の入院費の削減を狙った厚生省の施策の誤りで境界患者の増加を招いたのだという。確かに複雑で住みづらい世の中になってきた。年功序列でなく能力主義と標榜しつつ、一方で歪んだ個人主義を助長、他人のことは無関心。現実からの逃避とも見えるネット上の...
心療内科、クリニックが大流行りである。精神科の入院費の削減を狙った厚生省の施策の誤りで境界患者の増加を招いたのだという。確かに複雑で住みづらい世の中になってきた。年功序列でなく能力主義と標榜しつつ、一方で歪んだ個人主義を助長、他人のことは無関心。現実からの逃避とも見えるネット上の集まり、病院に行って病気を作る、等々。季節がら高校球児が口にする、人への感謝の気持ちが、大事な時代になってくる気がする。2014.8.6
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だいたいの内容は裏表紙の解説を読めば理解できる。それよりも、なによりも面白いのは、おわりの数ページに記載がある『ジャルゴン』と『ネオロギスム』という病気についてだ。どちらも総合失調症の症状なのだ。言語中枢障害であるとか、言語処理の障害であるとか。彼らの発する言葉はとても不可解な...
だいたいの内容は裏表紙の解説を読めば理解できる。それよりも、なによりも面白いのは、おわりの数ページに記載がある『ジャルゴン』と『ネオロギスム』という病気についてだ。どちらも総合失調症の症状なのだ。言語中枢障害であるとか、言語処理の障害であるとか。彼らの発する言葉はとても不可解なのである。周囲がそれと気がつくことで病院に連れていくのが正解。ただ、時として、その言葉を聖なる言葉と思い神が降りたのだと言ったりする。それもこれも、行き過ぎてはいけないが、ほどほどならば誰も傷つけない。不思議な病気なのである。
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社会で問題になる精神面の諸々の問題を分かりやすくかつ正確に、そして生々しく解説している。 それっぽい用語を使ってかっこいいことを書こうという人は恥ずかしいことになる前にこれに目を通しておいた方がいい。
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読みやすい。要は、マスコミが騒ぎ立てることで心の病を意識するようになってしまった現代人へのアンチテーゼ。
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精神科医による臨床報告書。 読みやすく、かつ学術的。的を得てる。 引用も多く、他の本も読んでみよう思える興味の広がる本。 第5章on the border はあたしにも当てはまりそう。
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