さがしもの の商品レビュー
本好きには堪らない;゚.゚
短編小説の中でも好きな1冊です。 特に古本が好きな私にとっては、今手元にある本がどういう旅をしてここまで来たのか…思いを馳せながら読み進める事が出来る。 読了後優しい気持ちになれる本だと思います。
鹿内美保
本にまつわる短編集で、そのテーマがまず良かった。全体的にスラスラ読めて、気軽に楽しめる一冊。怖い出来事が起きるというよりも、「考えすぎること」や「思い込み」のほうが人を不安にさせるんだな、と感じさせられる内容だった。案ずるより産むが易し、という言葉がしっくりくる。実際に起こること...
本にまつわる短編集で、そのテーマがまず良かった。全体的にスラスラ読めて、気軽に楽しめる一冊。怖い出来事が起きるというよりも、「考えすぎること」や「思い込み」のほうが人を不安にさせるんだな、と感じさせられる内容だった。案ずるより産むが易し、という言葉がしっくりくる。実際に起こることよりも、人が頭の中で考えていることのほうがよっぽど複雑で厄介なのかもしれない、と思わされた。
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子供の頃にこの本を読んで、なぜか「旅する本」という作品がずっと頭から離れず、大人になってやっと2回目として読んでみた。すると、「旅する本」という作品がどうのこうのというより、この本丸ごと、作者が「本」に対して送ったラブレターのような一冊なのではないかと感じた。昔読んでいた頃は、本...
子供の頃にこの本を読んで、なぜか「旅する本」という作品がずっと頭から離れず、大人になってやっと2回目として読んでみた。すると、「旅する本」という作品がどうのこうのというより、この本丸ごと、作者が「本」に対して送ったラブレターのような一冊なのではないかと感じた。昔読んでいた頃は、本や読書について考えるよりも、「広い世界に自分も行ってみたい」ということで頭がいっぱいだったのかもしれない。
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学生時代に一度読んだことのある本。 所々覚えているシーンが幾つかあった。特に"さがしもの"という章で、死を目前としたおばあちゃんのために孫である中学生の女の子が本探しに奮闘する姿が印象的だった。一番好きな章は、"不幸の種"。その本が手元にあ...
学生時代に一度読んだことのある本。 所々覚えているシーンが幾つかあった。特に"さがしもの"という章で、死を目前としたおばあちゃんのために孫である中学生の女の子が本探しに奮闘する姿が印象的だった。一番好きな章は、"不幸の種"。その本が手元にあると、恋人と別れてしまったり、旅行先で大怪我をして入院したり…。どの本にも何か祟りのようなものがあるのではないかと、少し怖くなった。
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本をもっと好きになる作品。この作者の言葉の綴り方好きだなあ。小学生か中学生かの頃、読書感想文のために読んで線や折り目を付けていたけど、それもまた当時の情景や心情を思い返すきっかけになった。あの頃読んで少し心に響き、高校生頃に再度読んで好きな本になり、社会人6年目に読んで自分の中で...
本をもっと好きになる作品。この作者の言葉の綴り方好きだなあ。小学生か中学生かの頃、読書感想文のために読んで線や折り目を付けていたけど、それもまた当時の情景や心情を思い返すきっかけになった。あの頃読んで少し心に響き、高校生頃に再度読んで好きな本になり、社会人6年目に読んで自分の中で特別な作品になった。自分に子供ができたら早いうちに読んでほしいと思う。
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※このレビューにはネタバレを含みます
旅する本 古本屋の主人 私 古本を売る。 だれか 私 二十四歳。タイの小さな島でマラリアにかかる。 私の恋人 バンガローの主人 医者 手紙 私 私の恋人 彼と私の本棚 私 ハナケン 一番の友達 不幸の種 私 キミちゃん。 近藤みなみ 大学に入っていた番最初に仲良くなった女の子。 恋人 語学のクラスがいっしょだった男の子。大学二年になって振られた。みなみを好きになった。 引き出しの奥 わたし 男好き、やりまん、公衆便所と呼ばれている。しのちゃん。 りっちゃん 上垣 クラスメイトの男の子。 塚田 わたしのアルバイト先の中古CD屋によくくる男の人。 サカイテツヤ 語学のクラスが同じ男の子。 ミツザワ書店 ゆう子 ぼくの恋人。 背中のまあるいおばあさん ミツザワ書店のおばあさん。 ぼく 文芸雑誌の新人賞を受賞。二十七歳。 ミツザワ書店のおばあさんの孫 さがしもの 私 羊子。 母 美穂子。 おばあちゃん 母の母。 菜穂子 沙知穂 亀山寛子 羊子の友達。 初バレンタイン 中原千絵子 二カ月前に田宮と交際をはじめた。 田宮滋 千絵子の大学の一学年下。 藤咲健二 千絵子の結婚相手。
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本を巡る短編集。恋人同士、友達、旅する本、そして表題作はおばあちゃんが幽霊になっても探していた本だ。良い話だなぁと思った。一枚の絵のように残る過去の自分に会える本…そんなの無い。本はいいろいろな所へ連れて行ってくれたり、呪われたり、誰かの遺言?みたいだったり…フフフと笑う本が出て...
本を巡る短編集。恋人同士、友達、旅する本、そして表題作はおばあちゃんが幽霊になっても探していた本だ。良い話だなぁと思った。一枚の絵のように残る過去の自分に会える本…そんなの無い。本はいいろいろな所へ連れて行ってくれたり、呪われたり、誰かの遺言?みたいだったり…フフフと笑う本が出てくる。不思議だけれど、本を読んでいれば何にでも立ち向かえる気さえしてくる本推しの短編集。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読み終わって、言葉を越えた共感を持つことが出来たときが、読書の楽しみと言うのだろうか。 昨日読みかけた本に、文章について書いてあった。単語というレンガを積み上げたかたち、それが文章である。確かに日本語の文章はそういう構成で出来ている。そして一編の作品はその集合体で出来ている。 無数にある単語の中から作者が選んだ、一つ一つの言葉が好きで、出来上がった文章が好きで、そして一編の物語になった時、それがぴったり合った好きな作品になる。 好きな言葉があり好きな文章になっていて、それを読み終わると何かすっと腑に落ちた気持ちがする、その上作品に溶け込む感じがする。優れた作品からは作者の言いたかった、作品に託した心が、選ばれた言葉のつながりから立ち上って、迫ってくる。 読み終わって言葉を越えた共感を持つことが出来たときが読書の楽しみと言うのだろう。 「さがしもの」はそういった作品だった。 一冊の本が、手に取った人たが手放した(売ってしまった)後、人の手から手に渡り、旅をする話、偶然に、旅先でめぐり合う話、一緒に暮らしていた間本棚にあった本を、別々の箱につめて別れていく話。 本に愛着を持つ人たちの、本に寄せる思いに、自分の特別な本を思い浮かべる、本とともにあった時間を思い出す、それぞれの形が、9編の短編になって結実している。 久し振りに本を読むことを考えさせられた良書だった。 角田さんは、長編を何冊か読んで、どうも世界が合わない気持ちがしていたが、初めて本質に触れることが出来たような気がした。次からは新しい気持ちで作品が読めるだろう。いい本を読んだ。 目次 旅する本 だれか 手紙 彼と私の本棚 不幸の種 引き出しの奥 ミツザワ書店 さがしもの 初バレンタイン 中でも 「旅する本」 日本で売った本と何度か海外の本屋で再会する。 「彼と私の本棚」 年下の彼に好きな人が出来て別れることになった。本の趣味が似ているところもあって二冊あるものもあった。二つに分けて新しい生活が始まった。私は彼と共有した時間を彼も新しい本棚の本の中に見つけつづけるだろう。二人で買った続き物の漫画は、途中で切れたり抜けたりしてしまったけれど。 「ミツザワ書店」 本が出版されたら書店のおばあさんの店に行き、昔盗んだ本の代金を返したいと思っていた。だが 「さがしもの」 入院している祖母が、本を探せといった。どこにもないというと「探し方が甘い」と怒った。遠い街の古本屋にもなかった。おばあちゃんは亡くなったが、幽霊になって催促に来た。大学生になって学生街にある古書店でよばれた気がした、そこに探していた本があった。でももうおばあちゃんは出てこない。読んでみてなぜその本だったのか、わかった気がした。 「初バレンタイン」 初めてバレンタインの贈り物を探した。チョコレート屋では殺気だった人たちに押し出され、考えあぐねて本に決めた。気に入ってもらえるだろうか。心の揺れが瑞々しい。 本が好き、読書が好き、読んで入り込んでいく魔法のような世界が好き。あとがきエッセイにはそういった角田さんの思いが詰まっている。
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本に関する短編集 本にまつわる角田さんのエピソード、物語が詰め込まれている。読んでいくと、本のことがどんどん愛おしく思えてくる。読みながら、もっと本が読みたいと思う。角田さんと本のエピソードを回りながら、自分もどうして本が好きだったんだっけ?と昔を愛しみたくなる。
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彼と私の本棚 失恋をした時に、もうひとりの私が見下ろしている。 だいじょうぶ、だいじょうぶ、もうひとりの私は安堵してうなずいている。笑えるじゃない。冗談を言えるじゃない。ほしい服があるじゃない。すれ違った男の子を、ちょっといいなと思ったじゃない。もうひとりの私は、子供を褒めるよ...
彼と私の本棚 失恋をした時に、もうひとりの私が見下ろしている。 だいじょうぶ、だいじょうぶ、もうひとりの私は安堵してうなずいている。笑えるじゃない。冗談を言えるじゃない。ほしい服があるじゃない。すれ違った男の子を、ちょっといいなと思ったじゃない。もうひとりの私は、子供を褒めるように私を褒め続ける。 ここがとっても大好き。 きっと私はこの話を好きな人にした時に、いつかこうなってしまう自分を予感していたんだと思う。 だからぽろぽろ泣いて、困らせてしまったね。 この本のおかげで、悲しいこともすてきなことに思える。私の宝物です。
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