万葉集 時代と作品 の商品レビュー
『万葉集』にかんする、比較的オーソドックスな構成の入門書です。 最初に、『万葉集』の成立をめぐる簡単な解説が置かれており、それにつづいてほぼ時代ごとに主要な歌人たちの歌をとりあげ、その鑑賞の手引きがなされています。時期区分は、もっとも古い時代の「萌芽期」を置き、飛鳥時代の壬申の...
『万葉集』にかんする、比較的オーソドックスな構成の入門書です。 最初に、『万葉集』の成立をめぐる簡単な解説が置かれており、それにつづいてほぼ時代ごとに主要な歌人たちの歌をとりあげ、その鑑賞の手引きがなされています。時期区分は、もっとも古い時代の「萌芽期」を置き、飛鳥時代の壬申の乱まで、壬申の乱から藤原時代まで、奈良時代前期、天平時代の四期に分けられています。さらに途中で、時代・作者未詳の歌をあつかった章もあります。 『万葉集』は、とくに近代以降に正岡子規をはじめとする復権の動きが高まりました。終章では、そうした『万葉集』受容の歴史についても簡単に触れられています。ただし、そうした近代の『万葉集』復権には「写生」の重視という特徴が見られますが、著者はこうした評価に一辺倒にしたがっているわけではありません。優れた叙景の歌を読んだ山部赤人に対する著者の評は、手放しの賞賛ではなく、また赤人を評価した近代の歌人である島木赤彦についても、「赤彦の万葉調は万葉集全体の豊かさを吸収するというところまではゆかず、その一局部にのみ照射を与え、その影響下に作品実践をしぼったという感じである」と述べられています。他方で、『万葉集』をむしろ情緒性の豊かな歌集として受けとった与謝野鉄幹や新詩社の歌人たちにも目が向けられ、『万葉集』の多面的な魅力を指摘しています。
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[ 内容 ] [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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