TOSS道徳発「命の授業」を創る の商品レビュー

河田孝文【監修】,桑原佑樹【編著】

2024/01/06

◆授業の心臓部
桑原氏は言う。
＜命の授業を創るうえで、「命は、親からいただいたもの」「生きているということは尊いことである」など、授業で伝えたいこと、つまり、心臓部を明確にしておく必要がある。＞
＜教師が明確な授業の心臓部を持っていなければ、授業が終わった後の感想がちぐはぐなものになってしまう。「たかしくん」の授業は、感想がぶれないのである。道徳の授業は、感動しただけの授業では、だめなのである。明確で具体的な心臓部が必要不可欠なのである。＞

授業の心臓部をもつ。それはいいことだ。そのことが強く打ち出されている。

では、「感想がぶれない」ことはどう捉えればよいだろう。ねらいが達成できた！とも捉え得る。子どもが教師のねらいを見透かしたとも捉え得る。価値観の押しつけになってしまったとも捉え得る。多様性が出ていないとも捉え得る。ぶれなかったことイコールよい授業ではないだろう。結局、どんな授業をして、どの子がどう言ったり書いたりしたかだと思う。