化石の記憶 の商品レビュー
教室で楽しそうに講義している著者が見える。生徒や学生がうらやましい。 あつかわれているのは古生物学研究の歴史。化石をめぐる興味深いエピソードが続々と登場するので、そうしたトリビア集としても楽しめる。『化石の記憶』という詩的なタイトルも絶妙。 とくに興味深かったのは、日本にやってき...
教室で楽しそうに講義している著者が見える。生徒や学生がうらやましい。 あつかわれているのは古生物学研究の歴史。化石をめぐる興味深いエピソードが続々と登場するので、そうしたトリビア集としても楽しめる。『化石の記憶』という詩的なタイトルも絶妙。 とくに興味深かったのは、日本にやってきた西洋の化石研究者の章。とりあげられているのは、ナウマン、ヒルゲンドルフ、シーボルト、ケンペル、そしてストープス。このマリー・ストープスは、ユニバーシティ・カレッジ・オブ・ロンドン(UCL)から女性で初めて理学博士号を得た研究者。1907年、27歳から29歳まで日本で花化石の研究をした。研究のかたわら『日本日記』という著書も出し、帰国後はバースコントロールなどフェミニズムの運動家として活躍した。彼女に割かれているのは6ページ。魅力あふれる活動的な女性だったようだ。 日本ではあまり評価されていないフランスのキュヴィエにも、10ページが割かれている。ダーウィン登場の少し前の時代、比較解剖学の泰斗、そして生物の絶滅をめぐる仮説の提唱者として、著者はキュヴィエを高く評価している。 (著者には、ナウマンやメアリー・アニングについての著書もある。本書では、彼らについてはさらりと流している。)
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化石が「かつて生息した生物の痕跡」であることはよく知られていると思う。しかし、化石を扱う学問は、化石学ではなく「古生物学」という。この何気ない違いには、化石、地層、そして地球史という難解なものへの、科学者たちの苦闘があった。「誤解」多きテーマとその研究史を、丁寧に読み解く一冊。 ...
化石が「かつて生息した生物の痕跡」であることはよく知られていると思う。しかし、化石を扱う学問は、化石学ではなく「古生物学」という。この何気ない違いには、化石、地層、そして地球史という難解なものへの、科学者たちの苦闘があった。「誤解」多きテーマとその研究史を、丁寧に読み解く一冊。 【図書館1階開架 457/YAJ】
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