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日本の神様と神社がわかる本 ビジュアル図解! の商品レビュー

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2014/02/07

神社に祀られている神様は、天照大御神だけではありませんが、具体的にどんな神様が祀られているのか、なかなか把握しづらいもの。 この本では、神社ごとの祭神と、どのように日本中に広がっていったのかがまとめられています。 まず大本として、神奈備信仰の説明がありました。 日本には古来より...

神社に祀られている神様は、天照大御神だけではありませんが、具体的にどんな神様が祀られているのか、なかなか把握しづらいもの。 この本では、神社ごとの祭神と、どのように日本中に広がっていったのかがまとめられています。 まず大本として、神奈備信仰の説明がありました。 日本には古来より山に神が住むとする山岳信仰があり、中でも標高1000m以下の形の美しい山を神の宿る山として崇める神奈備(かんなび)信仰が根付いています。 この言葉から、神奈備の川、つまり神奈川という地名が出てきたとわかります。 日本中に見られる身近な神社として、まず稲荷社が思い浮かびますが、そもそも稲荷信仰は、渡来人の秦氏が広めたものだと知りました。 そのように、八幡信仰は源氏、厳島信仰は平家により広まっていったもの。 祇園信仰は、少しわかりづらい面がありますが、都市に人が集まり、流行るようになった疫病を避ける信仰だという説明が、簡潔でした。 鷺宮神社は、今でこそ萌アニメとの強力タッグが組まれていますが、出雲族の草創に関わる関東最古の大社。 町興しの必要がないほどの格式です。 冬至の太陽は、伊勢神宮内宮の宇治橋の中央を通過して登るとのこと。 神秘的ですね。 厳島神社のそばには秀吉が建立しかけた大経堂、千畳閣があり、彼の死後工事は中止され、今なおそのままになっていることを知りました。 京都の「方広寺大仏」と同じく、トップが変わって事業打ち止めになったものでしょう。 それでも、潰されることなく残されているということに興味がわきます。 今度訪れた際には、どんな状態なのか見てみたいものです。 秋に参拝した出石神社の祭神、天日槍命(あめのひぼこのみこと)は、外来神で、新羅国の王子だと知りました。 実在した人物かもしれません。 この王子のエピソードがおもしろいものでした。 彼には大和(=日本)の妻がいましたが、ある時彼女を怒ったため、妻は祖国へ帰ってしまいました。 王子は妻を追いかけて来日し、出石の地で土地の娘と結婚したのだそうです。 (結局妻はどうなったの?)と思いますが、そのあたりは神話のおおらかなところでしょう。 ちなみに埼玉の高麗神社でも、渡来人の高句麗の王子を祭神としています。 カラー写真が多数掲載されていてわかりやすい「ビジュアル図解」っていいですね。 神社について、まずは大局をつかんでおこうとするときに最適の一冊です。

Posted byブクログ