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丘の屋敷 3版 の商品レビュー

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24件のお客様レビュー

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2012/05/18

80年前に建てられた〝丘の屋敷〟と呼ばれる家は、これまで何人もの人が借りて住んだものの、いずれも短期間で出て行ってしまうという、いわくつきの屋敷でした。そんな建物に興味を持ったのが、怪異な現象の謎を解き明かそうとするモンタギュー博士。博士はこの屋敷を借り受け、調査の手助けになると...

80年前に建てられた〝丘の屋敷〟と呼ばれる家は、これまで何人もの人が借りて住んだものの、いずれも短期間で出て行ってしまうという、いわくつきの屋敷でした。そんな建物に興味を持ったのが、怪異な現象の謎を解き明かそうとするモンタギュー博士。博士はこの屋敷を借り受け、調査の手助けになると思われる何人もの人物に招待状を出しますが、その招きに応じたのが、屋敷の持ち主の甥にあたるルーク、透視能力を持つと思われるセオドラ、そして物語のヒロインであるエレーナの3人でした。モンタギュー博士は、先入観に囚われない学術的見地から調査にあたろうとしますが、4人は次々に不可思議な現象に見舞われます。ところが彼らは、怯えながらも平静を装い、その振る舞いには陽気さえ感じられます。 エレーナは青春時代のほとんどを、病弱な母親の介護についやし、30歳を超えていまだ独身の女性です。彼女は母親が亡くなり、〝丘の屋敷〟の招待に応じることで、はじめて開放感をおぼえていました。屋敷で生活するうちに、そんな彼女の内側で何かが変化していきます。その様子が心理描写を通じて表現されています。 ひとがほんとうに怖れるのは、自分の胸の奥底を覗き見て、そこにあるものに気づかされることなのかもしれません。ヒロインの孤独が痛々しく、とても哀しい物語でした。

Posted byブクログ

2011/07/03

『たたり』より改題して送る、スティーブン・キング絶賛のゴーストストーリーの古典。 この美しい表紙と、私の好きな作家さんが複数言及していたのが相まって、ずっと気になっていた本。しかし、『たたり』じゃなんか手に取りにくいなぁ、とためらっていたら、なんと最近改題された! で、読んで...

『たたり』より改題して送る、スティーブン・キング絶賛のゴーストストーリーの古典。 この美しい表紙と、私の好きな作家さんが複数言及していたのが相まって、ずっと気になっていた本。しかし、『たたり』じゃなんか手に取りにくいなぁ、とためらっていたら、なんと最近改題された! で、読んでみても、改題はよかったんじゃないかと思う。雰囲気が損なわれているわけでもないし、前の題だとやはり言葉のイメージが強すぎる。 内容のほうも、おどろおどろしい感じがなくて、本当に・・・幻想的で、嫌らしいところがなくて、でもしっかり怖い、とキングが絶賛したのも頷ける作品だった。 前半ぐらいまでは朗らかと言ってもいいぐらいで、よくありがちな登場人物同士のぎすぎすした不和もないし。 けれど、胸のどこか奥のほうでは、小さな疼きを感じる書かれ方をしている。その疼きは、表面に露出することはなく、むしろ甘やかに秘められたまま、最後の最後で、”幸せ”という形で表現されてしまう――そこが凄い。 そして、その幸福感が何より怖いのだ。 直接的でも、大げさでもないからこそ、感情の余地が効いている。 大きな幸福感の奥に疼く、一抹の不安。 おお、くわばらくわばら。

Posted byブクログ

2010/05/14

 我らがシャーリイ・ジャクスンの新訳(もとの邦題は「たたり」)。 薄幸なエレーナがふとしたきっかけで丘の屋敷と呼ばれる奇妙な屋敷に行くことになるのだが・・・。エレーナが徐々に(ほんとに徐々に)狂っていくのが恐ろしく怖い。読者はエレーナにとり憑かれるのだ。 あと、モンタギュー夫人の...

 我らがシャーリイ・ジャクスンの新訳(もとの邦題は「たたり」)。 薄幸なエレーナがふとしたきっかけで丘の屋敷と呼ばれる奇妙な屋敷に行くことになるのだが・・・。エレーナが徐々に(ほんとに徐々に)狂っていくのが恐ろしく怖い。読者はエレーナにとり憑かれるのだ。 あと、モンタギュー夫人の悪役ぶりったらない。もう、気持ちいいほどの悪役でケチョンケチョン。交霊術とか出てくるけど、そんなオカルティックなものはバッサリ切り捨て御免。そこいらが幻想とホラー(オカルト)の違いなんですね。ちなみにこの作品は幻想怪奇が根底にある幻想耽美です、私の勝手な分け方によると・・・。

Posted byブクログ

2009/10/04

なんかすんげーこと起きればいいのにと思ったけ良く考えたらどじんわりした気持ち悪さがこの人の持ち味だったような気がします。そしてイライラする人も出てくる。

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