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明るい夜 の商品レビュー

3.7

12件のお客様レビュー

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2017/01/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんせ京都に住んでいるもので、住んでいる場所が舞台の小説は、そらやっぱ、興味深く読めてしまいますよね。だってもう、知ってる地名、よく歩く地名が、どんどこ出てくるんですもの。「くるり」の音楽を聴くのと、似てる感じです。ああ、この地から、生み出される文学や、音楽が、存在するんだなあ、って思う事。それはやっぱ、なんだか嬉しいものです。 でも、この小説は、例えば貴志祐介の「黒い家」ほどには、京都感どっぷり、には、ひたれなかったなあ、という感想でしょうか。出町柳のあの感覚。四条木屋町のあの感覚。そこはかとなく感じたのですが、でも、なんだか、こう、ググッとはきませんでした。ただ、個人的に、「黒い家」のほうが面白く楽しめて、この小説にはハマれなかった。それだけなのでしょうが。 出町柳で「パンの清田」を探してみたり、四条木屋町で「ラ・ノッテ・キアーラ」を探してみたり、広河原に愛宕の火祭りを観に行くか?というと、そこまでは、こう、ドップリはハマれなかったなあ、という。個人の好き嫌い、なのですけれどもね、結局は。 でも、黒川さんの描写する、パン屋さんの労働の詳細は、素敵でした。ああ、働いてるんやなあ、ってことが、実感として、まさに実感で、すっごく伝わる雰囲気で。黒川さん、実際にパン屋さんでアルバイトしたことが、あったのでしょうかね?町中の全てのパン屋さんが、愛しく感じる描写でしたね。はあ、素敵だなあって思ったのです。パン屋さんで働く人と知り合いになりたい。で、こんな日々を送ってるんだろうなあ、ってことを、じかに聞いてみたい。そう思う次第でした。 黒川さん、なんだか、描写好きなんだろうなあ、って感じの文章ですよね。微に入り細にわたる、という感じでしょうか。細にわたる、というのは誤用なのでしょうか?日本語は不思議なのだな。

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2016/06/19

3人の若者が「始まり」を探す物語。 「始まり」に繋がる何かを求めて、時系列が行ったり来たりしながらふわふわとした世界が、朋子の視点からとりとめもなく語られていく。 だけど、本当は「とにかく始めてみる」ことが大事だったんだね、ということなのかな。 工藤は読んでて不安になるくらい...

3人の若者が「始まり」を探す物語。 「始まり」に繋がる何かを求めて、時系列が行ったり来たりしながらふわふわとした世界が、朋子の視点からとりとめもなく語られていく。 だけど、本当は「とにかく始めてみる」ことが大事だったんだね、ということなのかな。 工藤は読んでて不安になるくらいダメダメな人だけど、彼も彼なりの「始まり」にたどり着いたみたいで、とりあえず一安心。

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2014/09/20

【本の内容】 ふいに消えた女ともだち、小説を書くために仕事を辞めたのに最初の一行が書けない「彼」、眠れない「わたし」。 アルバイトでその日その日をつなぐ若い男女のよるべなく、ささやかな生。 京都・鴨川べりの古アパートから火祭の夜へ、絶妙な語り口ですくいあげられた、若い日の確か...

【本の内容】 ふいに消えた女ともだち、小説を書くために仕事を辞めたのに最初の一行が書けない「彼」、眠れない「わたし」。 アルバイトでその日その日をつなぐ若い男女のよるべなく、ささやかな生。 京都・鴨川べりの古アパートから火祭の夜へ、絶妙な語り口ですくいあげられた、若い日の確かな手ざわりが爽やかな感動を呼ぶ傑作。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2013/07/12

京都の街の雰囲気はすごく自然に書かれていて好感が持てるものの、工藤君が中途半端で魅力が乏しいせいなのか、作品の特徴が曖昧になってしまっている。 京都の書店で絶賛されているとのことですが、それは街の描き方が京都人の心をくすぐるからでしょうね。

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2012/11/17

3人の登場人物のどうしょうもない感じというか、やるせない感じが好き。お風呂に入った音をきっかけに回想に行く文章も良かった。でも、個人的な好みとしてはもう少し起伏がある物語が好きだ。

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2012/02/27

2009年の本屋大賞受賞作品。京都が舞台になってるから読み進められたものの、話がすごいわかりづらい印象はあった。でも、ひとつずつの詳細がすごい丁寧に描かれていて、絵が浮かぶような、映画のような作品だったかもしれない。映画だったらもっとおもしろくみれたかな?

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2010/05/10

水無月大賞という、京都の書店員さんが文庫本から選ぶ賞を受賞していて、本屋で平積みされてたんで買いました。 舞台が京都だってのもありで、ちょい親近感もあったし。 とても、透明度の高い作品。でも純粋な透明ではなく。 冬の透き通った夜、朝方の街にかかるもや、イメージはそんな感じ...

水無月大賞という、京都の書店員さんが文庫本から選ぶ賞を受賞していて、本屋で平積みされてたんで買いました。 舞台が京都だってのもありで、ちょい親近感もあったし。 とても、透明度の高い作品。でも純粋な透明ではなく。 冬の透き通った夜、朝方の街にかかるもや、イメージはそんな感じ。 風景描写がとても美しい。 文体が独特で、句読点が多めなんだけど、それがとてもナチュラルに思える。会話の中の間の取り方なんかが絶妙でね。 それらの、一つ一つの美しい描写を積み重ねていって、透明度の高さに至っている気がする。 話としてはフリーターの若者が、ちょっとだけ(本当に、極わずかだけ!)前に進めたね、ってだけのお話。 現状維持を肯定するわけでもなく、かといってガムシャラな前進を肯定するわけでもなく。 ただただ、淡々と続いていく日々を否定も肯定もせずに描いているだけで。 魚喃キリコが好きな人とかは、きっと好きになれるはず。

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2010/05/07

作者の小説は 初めて読んだ。 京都小説。 そんなジャンルが あるのかは分からないが まず思い浮かんだ言葉がそれ。 京都に住んでいたら、 きっと感じるはずだ。 そうそう、こんな人たちが 確かに暮らしていた、と。 日本人よりよほど働き者の 外国籍の店員、 孤独や悲恋をそっと背...

作者の小説は 初めて読んだ。 京都小説。 そんなジャンルが あるのかは分からないが まず思い浮かんだ言葉がそれ。 京都に住んでいたら、 きっと感じるはずだ。 そうそう、こんな人たちが 確かに暮らしていた、と。 日本人よりよほど働き者の 外国籍の店員、 孤独や悲恋をそっと背中に忍ばせる 中年の労働者、 学生でいられる期限が過ぎたものの、 社会人なる籍に身を置けずに、 ただただ今をやり過ごす若者たち。 出てくる登場人物が 僕自身が京都で出会ったの人々ではないかと錯覚するほど、、 写実的に描かれている。 主人公やその友人達は、 モラトリアムでも無気力でも抑鬱的なのでもなく、 ただただ重なり続ける眠れぬ夜を やり過ごすことにさえ一生懸命で、 必死に今を生きる本当はたくましい者達なのだと、 とても清々しい気持ちで 読み終えることが出来た。 違う違う・・。 これは京都だけの物語ではなくて、 どこにでも誰にでもある 物語のはず。

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2010/02/04

この雰囲気は私の好きなもう雰囲気! たまらぬ~~~~~ 京都水無月大賞とゆう京都の書店員さんで決めた文庫の大賞で あることをきっかけに読んだのですが ホルモーとがまた違った形で京都が美しく描かれていて そこにリアルな若者3人がいて その周りにはいろんな人がいて 普通なんだけ...

この雰囲気は私の好きなもう雰囲気! たまらぬ~~~~~ 京都水無月大賞とゆう京都の書店員さんで決めた文庫の大賞で あることをきっかけに読んだのですが ホルモーとがまた違った形で京都が美しく描かれていて そこにリアルな若者3人がいて その周りにはいろんな人がいて 普通なんだけど 普通すぎてすごくいい すぐ読めちゃうしおすすめです! (20090624)

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2010/01/18

古本屋で買った本のひとつ。京都市内に住む若い子の話。合いの手のように、銭湯で「たぷん」。いろんな音が聞こえてくる小説。老いと若きの会話がある小説。

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