花のワルツ の商品レビュー
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1994年に放送されていた「文學ト云フ事」という 深夜番組で紹介されていた『朝雲』に心惹かれて 購入、以後何度も再読しています。今回やっと 収録されている全作品を読みました。 表題作を含めて4作品が収められています。 『イタリアの歌』(1936年1月) 『花のワルツ』(1936年12月) 『日雀』(1940年7月) 『朝雲』(1941年2月) 『イタリアの歌』 研究室の実験で大やけどをした博士とけがをした 女性の助手が病院に運び込まれる。昔の病院の 冷や冷やした感じが印象的でした。 『花のワルツ』 踊りを習う貧乏な少女とお金持ちの少女。 すごく昔の少女漫画のようでした。耽美。 『日雀』 あまり印象に残らず…。 『朝雲』 「あの方は初めてお教室へいらっしゃる途中、 渡廊下の角に立ち止まって古い窓から空を 見上げていらした。」(P144) こんな綺麗な言葉遣いの少女はもうこの世に いないのではないだろうか。お教室…。 赴任してきた美しく若い女教師を「あの方」と 慕う宮子。なかなか親しくはなれなかったが、 卒業式後に手紙を出す。 女学生が女教師に憧れを募らせるという 私の大好きなシチュエーション。 川端先生、ありがとうございます。 「文學ト云フ事」で「あの方は美しすぎるもの。」 (P156)と宮子が思うほどの女教師を演じていたのは 緒川たまきさんでした。確かに美しい。
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川端康成の美学の寄せ集めのような感じがする。 モチーフとしては良いですが、話の流れとしては冗長なような。
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イタリアの歌、花のワルツ、日雀、朝雲の四つの短編が収められている。川端康成の作品というのは、主人公と作家との距離感が少しだけ遠いような感じがして、半分夢の中なのではないかと思えるような不思議な雰囲気が延々と流れている。
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(2002.12.14読了)(2002.01.25購入) ☆川端康成さんの本(既読) 「雪国」川端康成著、新潮文庫、1947.07.16 「伊豆の踊り子」川端康成著、新潮文庫、1950.08.20 「千羽鶴」川端康成著、新潮文庫、1955.02.28 「眠れる美女」川端康成著、...
(2002.12.14読了)(2002.01.25購入) ☆川端康成さんの本(既読) 「雪国」川端康成著、新潮文庫、1947.07.16 「伊豆の踊り子」川端康成著、新潮文庫、1950.08.20 「千羽鶴」川端康成著、新潮文庫、1955.02.28 「眠れる美女」川端康成著、新潮文庫、1967.11.25 「古都」川端康成著、新潮文庫、1968.08.25
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どこか寂寞とした、それでも感性に溺れることの無い感受性の世界。それが川端康成の世界観だと思う。 イタリアの歌 // 実験中の発火で全身に火を浴び、病院に運ばれたが死んでゆく医学博士と腕と足に火傷を負ったものの生きながらえる若い女助手。病院に響き渡る 力強い歌声 がどういう物語...
どこか寂寞とした、それでも感性に溺れることの無い感受性の世界。それが川端康成の世界観だと思う。 イタリアの歌 // 実験中の発火で全身に火を浴び、病院に運ばれたが死んでゆく医学博士と腕と足に火傷を負ったものの生きながらえる若い女助手。病院に響き渡る 力強い歌声 がどういう物語を二人の間が紡いできたのかが想像できる。歌うという行為が作中の第三者を「相手の男の方が、あんなに苦しんで、もう死になさるのに、いい声で歌を歌ってなさる。」と表現され、どう感じていくかが読みどころ。強い哀愁の香りが見え隠れしている。 花のワルツ // 雪国より前の踊り子の物語。終わり方がとても中途半端のように感じてしまうけれども、あの終わり方だからこそ生きてくる物語のような気がする。嫋々とした雰囲気で終わっている。留学し、足をリュウマチにやられ、帰国した南条がバレリイナの星枝に言った「踊りを愛している、からですよ。踊ってもの、少しはほんとうに、知っているからですよ。」という言葉が胸を打つ。 日雀 // 夫婦の物語。 朝雲 // 若く美しい先生(あの方)に焦がれる女学生の話。淡くも情熱的な青春の一ページのような物語。 (2009.09.01)
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『イタリアの歌』『花のワルツ』『日雀』『朝雲』を収録。 『イタリアの歌』は、実験中の出火で全身火だるまになり、病院へ運ばれたが怪鳥のような唸り声をあげ続けて死んでゆく戦争医学博士と、同じ火事で腕と脚を火傷した若い女助手の話。恋人が苦しみぬいて死のうという時に美しい声で歌う、その...
『イタリアの歌』『花のワルツ』『日雀』『朝雲』を収録。 『イタリアの歌』は、実験中の出火で全身火だるまになり、病院へ運ばれたが怪鳥のような唸り声をあげ続けて死んでゆく戦争医学博士と、同じ火事で腕と脚を火傷した若い女助手の話。恋人が苦しみぬいて死のうという時に美しい声で歌う、その声からかつての二人の恋人達の姿が想像できるようでした。儚くて美しいです。 『花のワルツ』は、踊りのライバル星枝と鈴子、師の竹内、竹内の愛弟子・南条の話。竹内に献身的に尽くしながら、洋行した南条を愛して待ち続けた鈴子は健気だけれど、お嬢様育ちで我儘で「もう一生二度と踊らない」と言いながら踊らずにいられない星枝から目が離せません。脚を傷めて踊れなくなったびっこの南条が林の中で星枝と踊る場面が凄いです。激しく美しく残酷で、強く惹かれました。 『日雀(ひがら)』は、自分の女関係を隠しもせず、妾との上松旅行中に見かけた日雀を思い出しては欲しがる松雄とその妻の話。夫と妾との関係を、第三者であるはずの妻ばかりが覚えているというのが印象的でした。 『朝雲』は、若く美しすぎる国語の先生「あの方」に対して抱いていた、絶望的なほど切ない憧れを描いた作品。
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南条のストーカーっぷりがおもろい 朝雲を読んでいるとこの人は何故こんなにもうつろう少女の心象を描けるのかと思う。川端康成の緻密な女性描写にはいつも恐ろしさすらを感じる。
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