日本人の人生観 の商品レビュー
今まで読んだ山本七平の本の中では気持ちが揺さぶられることか最も少ない本だった。戦後30年を経た頃意識された画一的な生涯を目指す傾向も、その後40年あまり経って少しずつ変わってきたような気がする。バブルの崩壊、長いデフレ、不景気、自然災害など、犠牲を伴う期間が長かったと思うが、年功...
今まで読んだ山本七平の本の中では気持ちが揺さぶられることか最も少ない本だった。戦後30年を経た頃意識された画一的な生涯を目指す傾向も、その後40年あまり経って少しずつ変わってきたような気がする。バブルの崩壊、長いデフレ、不景気、自然災害など、犠牲を伴う期間が長かったと思うが、年功序列型の世代が完全に抜けたら若い世代が上手く舵を切っていくだろう。コロナという外圧が黒船、敗戦と比べてどの程度の大きさのインパクトかは今後確認されていくだろう。
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今から40年近く前の本だけどハッとさせられる内容。 自分は本書に出てくる「日本人の人生観」に則っているかのごとく、流れに身を任せてふらふらする生き方をしている自覚がある。それでいいとは思っているけど、西洋式の終わりを意識し逆算して計画を立てる様な生き方を取り入れないとかなぁ…。
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ものすごく、的確。 ↓ 「戦後生まれの人は、今の状態はずっと続くー社会は動かないという前提を持っている。そして自分の一生を、この動かない世界を通過していくもの、という形で把握している。 今の常識を基準にして未来を考えても、それは未来を考えていることにはならない。」
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日本人がベースに持っているだろう人生観についてメスを入れた、そんなコラム集である。 広範な知識から展開される論理的な内容については、大変興味深い。伝統的な人生観というものについて見返す意味で、適した一冊だろう。 ただ、掲載された場所の違いからか、表題のコラムについてはですま...
日本人がベースに持っているだろう人生観についてメスを入れた、そんなコラム集である。 広範な知識から展開される論理的な内容については、大変興味深い。伝統的な人生観というものについて見返す意味で、適した一冊だろう。 ただ、掲載された場所の違いからか、表題のコラムについてはですます調で書かれていて、それ以外がである調で書かれているところは少し読みづらくもない。引用部分についても読み下すのにいささか労を要した印象がある。 そうした部分も踏まえて、星四つと評価したい。
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日本人の人生観、宗教観などをテーマにした講演を4つ収録しています。 「化為」(なる)と「作為」(する)を対比し、日本人はそのつどの状況に従うことを良いと考えるという指摘は、著者とは対立する政治的立場に立つはずの丸山真男の議論にも通じる考え方です。むろん丸山ほどの学識は期待できま...
日本人の人生観、宗教観などをテーマにした講演を4つ収録しています。 「化為」(なる)と「作為」(する)を対比し、日本人はそのつどの状況に従うことを良いと考えるという指摘は、著者とは対立する政治的立場に立つはずの丸山真男の議論にも通じる考え方です。むろん丸山ほどの学識は期待できませんが、それでも本書の議論も単なる印象批評ではなく、日本人とキリスト教国の人びととの宗教意識にまで遡って、こうした発想の根底を探ろうとしています。 キリスト教を信奉する国々では、終末観が歴史意識の根底に存在していると著者は言います。これに対して日本人は、「自然」をあるべき秩序として重視しており、歴史の中で自分の位置を確定して未来を創造していくという態度が欠如していることを、著者は指摘しています。
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日本人の間の"空気"を生み出す日本人の"人生観"、"世界観"について。キリスト教との比較から日本人の考え方を炙り出す。
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切り口の鋭い視点は発刊後30年近く経た現在もいまだに生き続けている。 歴史を忘れる日本人。戦前を否とし戦後をよしとするだけではなにも始まらない。消し去るという安易にながれるから後世に禍根を残す。今現在においてもここで歴史・事実をよく見つめることが必要なことを思い知らせる。
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