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パリのおばあさんの物語 の商品レビュー

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29件のお客様レビュー

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2013/01/20

歳をとるのが怖い。 私は誕生日になったばかりだけれど、あっという間に歳をとっていくと思う。 おばあさんのように 今をたくさん笑って 泣いて、怒って おばあちゃんになったときに 自分の人生の苦楽が刻まれたしわしわの顔を見て素敵だ、と呟いてみたい。

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2012/05/30

初めて催した大人のための絵本朗読会で使いました。 岸恵子さんが翻訳されています。 『まってる。』と同じ人が絵を描いています。 特に40代以上の女性に好評でした。 『老いる』という現実に、誠実に毅然と向き合っている、一人のおばあちゃんのお話し。 最後のおばあちゃんの言葉が好き...

初めて催した大人のための絵本朗読会で使いました。 岸恵子さんが翻訳されています。 『まってる。』と同じ人が絵を描いています。 特に40代以上の女性に好評でした。 『老いる』という現実に、誠実に毅然と向き合っている、一人のおばあちゃんのお話し。 最後のおばあちゃんの言葉が好きです。 朗読すると、30分くらいあります。

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2024/03/24

女優の岸惠子さんが初めて翻訳した、フランスで子どもから大人まで読みつがれている絵本。 ユダヤ人のおばあさんは辛いナチスの時代を知恵と我慢で生き抜いてきました。 子どもはいるけれど、おじいさんに先立たれてからはひとり暮らしです。 体のあちこちが悪くなって、できないことが多いのに、愚...

女優の岸惠子さんが初めて翻訳した、フランスで子どもから大人まで読みつがれている絵本。 ユダヤ人のおばあさんは辛いナチスの時代を知恵と我慢で生き抜いてきました。 子どもはいるけれど、おじいさんに先立たれてからはひとり暮らしです。 体のあちこちが悪くなって、できないことが多いのに、愚痴もいいません。「やりたいこと全部ができないのなら、できることだけでもやっていくことだわ」と前向きです。 物忘れがひどくて一日中さがしものをしていても、とても楽天的、 今日うまくいかなくても、明日になればきっとよくなると考えます。 ユーモアがあって、おちゃめなおばあさん、自分の人生をしっかり見つめて生きていて、すてきです。

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2011/06/06

おとな向けの絵本って感じなのであっという間に読める。 老いることへの覚悟というかあきらめと でもその中でも日々の楽しさを見つける知恵みたいなものが ぎゅぎゅっと入った本だった。年をとるってなかなかイメージ できないけど、それを具体的に優しくイメージさせてくれる本だった。 ...

おとな向けの絵本って感じなのであっという間に読める。 老いることへの覚悟というかあきらめと でもその中でも日々の楽しさを見つける知恵みたいなものが ぎゅぎゅっと入った本だった。年をとるってなかなかイメージ できないけど、それを具体的に優しくイメージさせてくれる本だった。 今若い人が読んだらお年寄りに優しくしようと思うし、 中年の人が読めばこのおばあさんのように気高く年齢を重ねようと 思うだろう。おばあさんが読んでも共感しそうだし、幅広い年代が 楽しめる本だった。

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2010/10/31

晩年を生きる女性の視点で書かれた、 子供にも大人にも読める絵本。 優しい言葉で、生きることや老いることについて語られている。 あまりにも深くて、読んでいたら涙が止まらなくて困った。 絵本で老いを語られるとは・・・ フランスってつくづく大人の国だなぁ。

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2010/07/24

くすんだ空の色の表紙。 帯には、かわいいおばあさんのイラスト。 そしてこんな文字が・・・。   フランスで子供から大人まで    読みつがれている絵本を   岸惠子さんが初めて翻訳! 帯をそっとはずしてみた。 霧が濃いような、靄がかかったようなアパート群の中で たったひと...

くすんだ空の色の表紙。 帯には、かわいいおばあさんのイラスト。 そしてこんな文字が・・・。   フランスで子供から大人まで    読みつがれている絵本を   岸惠子さんが初めて翻訳! 帯をそっとはずしてみた。 霧が濃いような、靄がかかったようなアパート群の中で たったひとつだけ黄色い灯りがともっている。 これは、大人向きの絵本という雰囲気をかもし出している。 フランスでは子供も読むのかな? だけど、フランス人なら読んでいそうだなという気もする。 「あの赤いマントを着ているおばあさんを見て。 ちっちゃな買い物カゴを持って 市場で野菜を買っているでしょ。 いっぺんにたくさんは買えないよ。 もう、力があまりないんですもの。」 イラストの中のおばあさんを探した。 やさしく話しかけるような文体、 そして、淡々と語られるおばあさんの事情。 歩くのも大変、お金を払うのも大変、 鍵をなくすのも怖い、鍵を探してドアを開けるのも一苦労。 このおばあさんを取り巻く現実が静かに迫ってくる。 でも、このおばあさんは、恨み言をいうのではなしに、 楽しく、かわいく暮らしている。 コインを見分けるのに時間がかかれば、 恥ずかしそうに照れ笑いしながら八百屋さんにこう言うのだ。 「まあ、今日のインゲン豆の長いこと。 編み棒にしてソックスでも編もうかしら」。 鍵が錠前になかなか差さらないときは、 「わたしの可愛い扉ちゃん、 わたしを早く中に入れてちょうだい」。 昔はできたのに、好きだったのに、 できなくなったことがあまりにたくさんある。 本を読んだら疲れるし、 縫い物や刺繍をする気力もないし、 編み物は得意中の得意だったのに、 「指と編み棒が仲たがい」。 玉ねぎとにんにくをいためた大好物の料理も もう胃が受け付けない。 「良かったわ。これでもう玉ねぎを切って 目を泣きはらすこともなくなったわ」。 でも、この本が不思議なのは、 読んでいてまったく暗い気持ちにならないこと。 それは、きっとこのおばあさんが自分を嫌いじゃないからだ。 今の自分も含めてちゃんと好きだからなんだ。 「やりたいこと全部ができないのなら、 できることだけでもやっていくことだわ」。 おばあさんは鏡を見て、 「なんて美しいの」とつぶやきく。 彼女は、「四分の三世紀ものあいだに味わった わたしの人生の苦楽が刻まれた顔」を美しいといえる、 「黒髪の森を白髪が勝どきをあげて侵略していく」のを 「ステキだわ。子供のときから、変身するのが大好きだったんだもの」 と言える。 こんなふうに時間を重ねたいものだと思う。 そして、おばあさんの刻んだ時間がどんなものだったのか 今の生活の中から、おばあさんの回想の中から、 少しずつ、少しずつ見えてくる。 おばあさんは、フランスにやってきたとき、 聞いたこともない言葉を話し、 今までとは違う服を着て、 ふだんの習慣まで変えなければならなかった。 そして、戦争を乗り越えなければならなかったのだ。 おばあさんは、薬を飲むのを忘れるし、誕生日も覚えてない。 でも、雪が降ったのは覚えている。 どんな学生か忘れたけれど、そのとき習った詩は暗誦できる。 一日忘れ物を探し暮らしても、 「一つ失えば、もっといいものが十も転がり込んでくるさ」、 今日うまくいかなくても、 明日になればきっとよくなっているわ。 おばあさんの考え方は、無理なく自然とそうなのだ。 こうでなければ、つらい時期は乗り越えられなかったかもしれない。 これはあの時期を乗り越えた人の中に残った 日々を暮らすためのささやかな処世術なのかもしれない。 彼女は「これらのつらく苦しい日々を耐えていけば、 また楽しく輝かしい日々や、うれしい驚きも、 戻ってくる」と信じて、隠れ家生活を生き抜いたのだった。 おばあさんや家族の人達は、戦後、「悲しい運命の秘密」と 折り合いをつけて暮らしていかなければならなかった。 彼女の人生には、過去にも今にも影が色濃く存在するのだ。 それでも、その中に光を見出し、小さな幸せを喜べる精神が 彼女の中に静かに息づいている。 この本の最後の見開きには、大いなる問いがある。 おばあさんは、ためらうことなくこの問いに答えた。 わたしがこの答えが、とても潔くて好きだ。 わたしもこんな風に、やさしく、決然と この問いに答えられるおばあさんになりたいな。 いや、たとえ、これを今問われたとしても、 同じように決然と答えたいものだと思う。

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2010/06/19

歳を重ねても前向きに生きることの大切さに気付かせてくれました。このおばあさんのようにありたい。繰り返し読みたい一冊です。

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2009/10/04

岸恵子の訳した絵本。 薄い本だが、ことばの重み、人生の重みをしみじみ感じて、じんとした。 伴侶を失い、衰えて、好きだった本もよめなくなる。老いにどうむきあうか、自分だったら彼女の最後のことばが言えるかなと考えた。

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2009/10/07

ダ・ヴィンチ2009年2月号 「今月のプラチナ本」 2009年1月10日(土)読了。 2009−4。

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