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マッキンダーの地政学 の商品レビュー

4.4

22件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

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2026/03/14
  • ネタバレ

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マッキンダーの著書『デモクラシーの理想と現実』(1919年) マッキンダーが最も恐れたのは、ドイツの軍国主義が再燃して、ボリシェヴィキ政権下のロシアと融合すること。著書はこれに対してシーパワー諸国が取るべき対策を指示。 外側には東欧の防波堤を、内側には地方自治の自立を。この二つの『均衡』を物理的に設計することなしに、デモクラシーの自由が守られることはない ドイツの科学的・社会的組織力はハンパない 地政学の先駆者フリードリッヒ・ラッツェル マッキンダー後の学者カール・ハウスホーファー『太平洋の地政学』

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2026/03/02

ランドパワー(大陸国家)とシーパワー(海洋国家)、それぞれの視点でこれまでの歴史を振り返るのだが、地理的条件と政治によるパワーバランスを見極めようとしている本です。1985年に日本で出版された『デモクラシーの理想と現実』という書籍を改題し復刊したものです。 ローマ帝国、ビザンチン...

ランドパワー(大陸国家)とシーパワー(海洋国家)、それぞれの視点でこれまでの歴史を振り返るのだが、地理的条件と政治によるパワーバランスを見極めようとしている本です。1985年に日本で出版された『デモクラシーの理想と現実』という書籍を改題し復刊したものです。 ローマ帝国、ビザンチン帝国、第一次世界大戦が始まるころのヨーロッパなど、歴史的な背景を知っているとまだ読みやすいかもしれませんが、私は残念ながらこうした知識を持ち合わせておらず、本書を読むのに苦労しました。原初は1919年くらいに出版されています。

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2023/12/27

地政学の古典である。現在は地政学というと政治を地理的な国の位置との関連で見て分析するという非常に狭い意味をあらわした本が隆盛である。  このサブタイトルではデモクラシーの理想と現実というタイトルが、現在の地政学の本にどの程度あてはまるであろうか。ここで扱うのはヨーロッパ、主要はド...

地政学の古典である。現在は地政学というと政治を地理的な国の位置との関連で見て分析するという非常に狭い意味をあらわした本が隆盛である。  このサブタイトルではデモクラシーの理想と現実というタイトルが、現在の地政学の本にどの程度あてはまるであろうか。ここで扱うのはヨーロッパ、主要はドイツとフランスである。第一次世界大戦後に書かれたものであるということで限定付きである。

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2023/04/24

地政学という言葉はビジネスにおいて近年よく用いられている。例えば新興国の議論をする際に、タイは中国、インドという人口大国に挟まれていて地政学的に優位な位置にある、などという使い方がされる(両国への輸出拠点として活用できる、というニュアンス)。しかし「地政学」というものを本格的に学...

地政学という言葉はビジネスにおいて近年よく用いられている。例えば新興国の議論をする際に、タイは中国、インドという人口大国に挟まれていて地政学的に優位な位置にある、などという使い方がされる(両国への輸出拠点として活用できる、というニュアンス)。しかし「地政学」というものを本格的に学んだことがない人間からすると、果たして正しい意味で地政学という言葉を使っていたか疑問に思うこともしばしばであった。  そこで本書を手に取ってみたが、まず原題にあるようにDemocratic ideals and realityというように、原題には地政学という言葉はみあたらない。しかし本書を通して一貫して主張されているのが、各国の歴史をひもとくと、その国の地形がどうなっているか、島なのか大陸なのか半島なのか、平地なのか入り組んだ山野地域なのか、また平地でも草原なのか森林地帯なのかによって大きな影響を受けている、という点である。  こんな単純なことを?という一方で、正直大いなる感銘を受けた。たとえばモンゴルの騎馬民族は草原伝いに一気に西進し、中近東や東欧まで征服する勢いがあったが、その先ドイツ地方には深い森林地帯が広がっていたため、それ以上の領域拡大ができなかった。裏返せば、例えばの話ではあるが、もしロシア南部のコーカサス地域に深い森林地帯が広がっていたら、騎馬民族は中東まで行かなかったのではないか?すると歴史はずいぶん変わってきたのではないか?ということを感じた。  このように地形を詳細に分析するということは、航空、鉄道、道路(トンネル)技術が発達している現代でもある程度通用するのではないかと思う。ただし本書が書かれているのが、第1次世界大戦終了後のイギリス人の視点であることには留意が必要である。基本的にはユーラシア大陸の覇権がどうなるか、そしてその鍵になるのが東欧である、ということで、日本人からしてみると、あまり実感がないのであるが、本書を読み是非このフレームワークでアジアの覇権がどうなるか、その鍵になるのはどの地域か?というのを考えてみたいと思う。

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2022/08/30
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ハートランドの東からアラビアまでは平坦な道が続くことから、東欧を押さえてアラビアに出ればハートランドを支配することが容易になる。その意味で、ドイツの進出を押さえる意味でもロシアとのあいだに独立国を設置することは重要だった。しかし、地政学以上に考えさせられるのはマッキンダーの戦後構想である。自国の消滅をおそれて強大化を図れば、周囲の国はその餌食となる。それを防ぐためにも、国際的な機関と自国の管理を通して国家の自己抑制をすることが大切だという。均整のとれた国家は、地域コミュニティを基盤としており、地域内もバランスがとれていることが望ましい。結局、あらゆる格差は社会の均衡を失わせ、国家を帝国主義的にするのだ。

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2022/04/09

「ハートランド」ってこんな広い領域を言うの?とはてながついたけれど 「ハートランド」って現代ではもっと狭い領域のことを言うらしい。 けれどそれを最初に言い出した祖の世界観を味わえた

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2020/11/05

今の自分に理解するのは難しく、読むのにとても時間がかかった。 また、世界史も地理も履修していない自分にとっては、地図帳をめくりながら読み進めたこともあり、特に時間がかかった。 デモクラシーの国にとって平和を得るためにはという観点で、歴史的な事実にベースを置き、人類が大きく制約され...

今の自分に理解するのは難しく、読むのにとても時間がかかった。 また、世界史も地理も履修していない自分にとっては、地図帳をめくりながら読み進めたこともあり、特に時間がかかった。 デモクラシーの国にとって平和を得るためにはという観点で、歴史的な事実にベースを置き、人類が大きく制約される自然(地理)に着目して語られた話は非常に興味深い話であり、今の私にはその奥深さを十分に語る言葉を持たないので、また改めて読みたい。 最後に、本著から一言引用してメモとしたい。 「均衡こそ自由の基礎である」

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2019/11/20
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歴史上の大戦争はことごとく直接的にも間接的にも国家間における成長の度合いの不均衡から端を発している。 十九世紀以降ダーウィンの生物進化論のおかげで、とかく人類は、その自然環境にもっともよく適応した有機体なり組織が生き残れる、という考え方に馴らされてきた。しかし人間的な知性は、まさにこのたぐいの単純な宿命論をこえる何者かを発明しなければならないところまできている。 文明とは、とどのつまり我々がお互いに他人のために役にたつように、社会を組織することにほかならない。 我々の孫の時代になって、ふたたび地理的な誘惑に駆られてお互いに衝突を繰り返すことのないように、国際社会のコースを設定する。 本当の意味の思想家は、この世の中でかけがえのない存在である。これらの人々がわれわれに刺激を与えてくれなければ、社会はやがて停滞し、文明は衰亡の一途をたどるだろう。 近代以前の古い時代においては、まだ自然の力のほうが人間よりも強かった。したがって苛酷な現実が常に人間の野望をおさえてきた。言葉をかえれば、世界全体がまだ貧困だったために、欲望を捨ててしまうことだけが、一般的に幸福にいたるための唯一の途と考えられたわけだ。 近代の世界は見違えるほど金持ちになった。それに人間が自然の作用を支配できるケースも、またけっして少なくない。したがって、かつては運命にその身をまかせたあらゆる階級の人達も、富の配分さえ適切に行われれば、公平なチャンスにありつくことが可能だ、としだいに考えるようになってきた。 人類の自然支配という事実を抜きにして、デモクラシーの理想について語ることはおよそ無意味である。 現在、人類が豊かで、比較的に平穏な暮らしを楽しんでいられるのは、取りも直さず労働の分業とその調整の産物である。ただし原始的な社会の簡単な道具類にとってかわった複雑な工場の機械は、絶えず修理を必要とする。いいかえれば、現代における富の生産は常に社会組織と資本のはたらきを維持することを、その前提にしているわけである。 社会自体が一個の大企業体のようなものであり、われわれの暮らしが成り立つ条件の少なからぬ部分が、事業とその得意先とのあいだの“信頼関係”に比較できる。 つきつめていえば生産の能力というものは、すでに近代の文明にとって、単なる富の蓄積などよりもはるかに重要な現実の要素になっている。一般的にいって、現に 文明国家が保有している評価が可能な富の総額は、かなり古くさい時代物の財宝まで含めて、せいぜい七年か八年分の生産量にしか相当しないといわれる。 すぐれた組織者は、卓越した現実主義者でなければならない。これは想像力に欠けるという意味では無論ない。が、その想像の広がりは、もっぱら具体的な方法手段を追求するためのものであって、ただ漠然とした目的を追いかけているゆとりは、彼には乏しい。 組織者というものは、たいてい他の人間をすべて自分の道具のように考える習性をもっている。これは、ちょうど理想主義者の神経と正反対である。理想家のいうことは、しばしば人の心の琴線に触れるので、われわれの心はともすれば動かされ、また飛翔をはじめる。 政治の世界においては、組織者は人間がただ国家のために存在するかのように考える。が、デモクラシーの陣営に属する理想主義者は、おおむね国家が自由を束縛するという理由で、これをたかだか一種の必要悪にすぎないと考える傾向がある。 芸術家は、死ぬまで自分の扱う素材の性質を、より深く学ぼうとして努力をつづける。しかも、ただ科学的な知識を深めるばかりでなく、さらにより実際的な、また“知覚的”な意味においてそれを試みるので、これをいいかえれば、彼の目的は、いわばいかにより確実に材料を支配するか、ということにおかれているとみてよかろう。 この丸い地球の上で人類が一緒に仲良く暮らすというのも、また相当に手のこんだ芸術である。とすれば、その現実に対応するために、われわれは人類全体についての知識を、ゆくゆくは物にしなければならない。しかも、それは単なる百科辞典式な事実の大量な記録にとどまらない。われわれは新しい時代を経過するたびごとに、現在と過去の一切を常に新たな眼で見、また新たな角度から見直すことになる。 平等というのは、要するに管理社会の概念であり、博愛というのは自己抑制のことにほかならない。

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2017/03/09
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地政学中興の祖マッキンダーの主著。元々彼は地理学の専門家で、彼の理論にしても地理と歴史を統一的に教える教育者の立場から生まれたものだった。彼は演説の名手で、彼が壇上に立って説明すると、ズブの素人でも頭の中にリアルに対象の姿が飛び込んできて、しかもその後でそのテーマについて一人で想像をめぐらし、理解を深めるように仕向けることができたらしい。 もっとも、この本を現代人がちょろっと読んでそうなれるかというと別問題で、当然100年後の現在とは世界情勢も世相も違うし、地理にもそれなりに詳しい必要がある。ただ、基本的なポイントは比較的シンプルで、マハンが広めたシーパワーの概念に対し、ランドパワーを対となる概念として持ち込んだこと。そして歴史的なシーパワーの基地の概念をうまくモデル化し、時代が下るにつれてそのモデルが拡大を続け、最後には世界大となることで、ランドパワーが唯一のシーパワーになり変わる、という風に単純化できる。 よく飛行機発明前の説なので、現在は時代遅れと勘違いしている人がいるが、シーパワー、ランドパワーというのは戦争(軍)といった狭い範囲の短いタイムスパンの話ではなく、産業、文化すべてをひっくるめた話なので注意が必要。現在、戦争の新しい舞台として宇宙、電子空間が重視されつつあるが、いましばらくは物理的な制約のせいでマッキンダーのモデルがが有効かと思われる。 この本が書かれた第一次世界大戦前は、ランドパワーのドイツがシーパワーのイギリスと正面衝突しようとしつつある時期で、構図としては中国がシーパワーの日本、アメリカを挑発し続けている現在とよく似ており、極めて重要性が高い本だと言える。地政学の論点はほぼこの一冊で論じつくされていると言え、あとは時代に合わせた細部の話に過ぎない。 本書は長らく幻の名著と言われ、80年代半ばに和訳が出るまでは、地政学と銘打った書でもすべて孫引きばかりという状態だった。その後ほどなく和訳も絶版になったが、近年の地政学ブームで復活。タイトルも原題に忠実な『デモクラシーの理想と現実』から、キャッチーな『マッキンダーの地政学』に変更された。

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2015/08/24
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ハートランド=中欧から中東まで と 世界海 という視点で読み解く地政学。 イギリス人の頭の中には地球儀が入っている、そうな。

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