黒の狩人(下) の商品レビュー
狩人シリーズの佐江刑事が、スパイ的な役割を演じながら、中国諜報機関、中国マフィア、台湾マフィア、新宿暴力団などと関わっていく辺りの関係が複雑でした。思ってもいない展開にわくわくしながら読みました。
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よかったあ。ようやくよみおえてた。期限切れでノベルス版を返却してから数ヶ月。佐江と毛の相互信頼の固さ。とにかくすばらしい。
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面白かったです。 でも。相変わらず名前が覚えきれない・・・ 佐江と毛はいいコンビになると思ったのに、これっきりなんだろうか? ちょっと残念・・・
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佐江刑事のセリフかっこ良くて何回もシビれた。 毛さんもいい。 最後せつない。せめて最後に一回会ってほしかったな。 登場人物多くて、中国人の名前も覚えにくいのがちょっと。 自分の頭が悪いのか。 面白いんだけど水森と由紀がなんでああなったのかとか、 由紀と「亮光」もなんでお互い信...
佐江刑事のセリフかっこ良くて何回もシビれた。 毛さんもいい。 最後せつない。せめて最後に一回会ってほしかったな。 登場人物多くて、中国人の名前も覚えにくいのがちょっと。 自分の頭が悪いのか。 面白いんだけど水森と由紀がなんでああなったのかとか、 由紀と「亮光」もなんでお互い信頼できると思ってたのかとか、 唐沢の動機とか、 もうちょっと掘り下げてほしいので満点ではない。 そう考えるとやっぱり高村薫はすごいな。 映像化してほしい。佐江は誰が適役だろう。
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おもしろかった。 北の狩人、砂の狩人の佐江刑事が登場。 新宿組対・佐江。 宋忠民ソンツオンミン:毛マオと組み公安の仕事を手がける。 外務省・野瀬由紀は公安部警部補・水森と 愛人関係でもあり、情報源でもある。 麻布の由紀のパイプ“亮光”リャンガン。 バラバラに起きた殺人事件を発端に...
おもしろかった。 北の狩人、砂の狩人の佐江刑事が登場。 新宿組対・佐江。 宋忠民ソンツオンミン:毛マオと組み公安の仕事を手がける。 外務省・野瀬由紀は公安部警部補・水森と 愛人関係でもあり、情報源でもある。 麻布の由紀のパイプ“亮光”リャンガン。 バラバラに起きた殺人事件を発端に中国安全部もからむ。 公安・安全部と中国とのかけひきがおもしろい。 人間関係や名前など書き出さないとわからないくらい複雑に絡みあっている。 2009/3/5
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中国人ばかりを狙った惨殺事件が相次いで発生した。被害者の死体に共通するのは意味不明な「五岳聖山」の刺青(いれずみ)。特命を受けた警視庁新宿署の暴力団担当刑事・佐江は、謎に包まれた中国人の捜査補助員・毛(マオ)とコンビを組まされる。事件の背後にちらつくのは、日中の黒社会と中国国家安...
中国人ばかりを狙った惨殺事件が相次いで発生した。被害者の死体に共通するのは意味不明な「五岳聖山」の刺青(いれずみ)。特命を受けた警視庁新宿署の暴力団担当刑事・佐江は、謎に包まれた中国人の捜査補助員・毛(マオ)とコンビを組まされる。事件の背後にちらつくのは、日中の黒社会と中国国家安全部の影。情報のためなら体も張る外務省の美人職員・由紀も仲間に加わり、徐々に真相に迫っていくが…。
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う〜〜む、やっぱりか。ちょっと風呂敷を広げ過ぎちゃいましたね。「引っ張って引っ張ってこのオチかよ!」的な欲求不満が残りました。終わらせ方も今一つだしなぁ…。もしかして、次作への布石かな?
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情報収集、情報交換、頭脳プレーが多すぎて、派手なアクションもあまりない。暴力団や、中国人と癒着する刑事。かたや相棒の中国人に友情のようなものを、感じ始めている佐江刑事。いよいよ黒幕を突き止めて、一気に解決と、いかなくて、なんか違う方にいっちゃった。下巻でかなり期待していたのになぁ...
情報収集、情報交換、頭脳プレーが多すぎて、派手なアクションもあまりない。暴力団や、中国人と癒着する刑事。かたや相棒の中国人に友情のようなものを、感じ始めている佐江刑事。いよいよ黒幕を突き止めて、一気に解決と、いかなくて、なんか違う方にいっちゃった。下巻でかなり期待していたのになぁ・・・
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うおおおおお。面白かったです!最後に分かった動機もなかなか良かった。読み応えは充分。『狩人』シリーズは全部読んでみようかな?
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これを読み始めた日、北海道新聞を開くと、書評欄に関口苑生氏の絶賛レビューが掲載されていた。この人の書評はがちがちに堅い傾向があるのだが、「面白い」という言葉や「傑作」という言葉が、珍しく文章内でストレートに使われているのが印象的であった。 ましてや『新宿鮫』シリーズにしても...
これを読み始めた日、北海道新聞を開くと、書評欄に関口苑生氏の絶賛レビューが掲載されていた。この人の書評はがちがちに堅い傾向があるのだが、「面白い」という言葉や「傑作」という言葉が、珍しく文章内でストレートに使われているのが印象的であった。 ましてや『新宿鮫』シリーズにしても手放しで誉めてはいなかった印象のある批評家が。 実はこれは感覚的に賛同できる。新宿鮫も最近のハードカバー版では、初期ノベルズ版当時の悪乗り感さえあったヒーロー小説の傾向がすっかり息を潜めており、大人小説としての味わいが増し、鮫島という刑事そのものも、まるで堅実な捜査小説であるマイクル・コナリー描くところのハリー・ボッシュのような大人の腕利き刑事となった印象が強くなっている。 そしてぼくとしては最初から、鮫シリーズよりは、こちらの狩人シリーズ、あるいは佐久間公の正統派私立探偵シリーズの方が、評価が高い。佐久間公に比して、こちらのシリーズは、毎回ヒーローが入れ替わり、代わりに脇役として新宿署の佐江という不恰好で猪突猛進な刑事が固定したシリーズ・キャラクターとなっている。 つまり単独ヒーローのシリーズというよりも、毎回、他の世界からやってきた違ったタイプの相棒と組んでゆくという複数主人公シリーズとでもいうような、少し趣向を変えた作りになっているのである。 佐江という刑事が、自分を「カス札」だと表現するように、エリートでもなければ格好もよくない。まさに脇役といった印象でありながら、妙に魅力的であるのは、男としての年輪ゆえか、情けも脆さも切なさすらも兼ね備えているせいなのかもしれない。まさにミスター独身バツイチ中年男の枯れた生き様。仕事しかない、といった一件魅力のない存在であるはずだが、ことこれが重要国際犯罪に立ち向かうという凄みのある仕事であるだけに、われわれ平凡なサラリーマンにはない一種の灰汁のようなものが、独特のキャラクター造形を成し遂げているのである。 考えてみれば自分は普通の人を知らない、と嘯く佐江がいる。彼の知り合いは、警察組織に属しているか、暴力団に属しているか、犯罪者か、不法就労外国人ばかりなのである。普通の人のいない世界に生きる。いわばゴミのような世界を漂流する存在であり、それ以外の世界を知らない。だからこそ平凡な家庭を営むことができずに、結婚に失敗した過去を持つ。孤独がとても浮き立つ存在であるが、彼の優しさは、ストーリーの中から否応なく立ち昇る。 本書は、国際化した大都会を舞台にして、昔とはだいぶ質の変わった趣のある今日の闇を描き切る。そうした世界を漂流する佐江刑事の今回のみちづれは、正体不明の中国人通訳・毛、外務省の美人職員・野瀬由紀の二人である。 中国人連続バラバラ殺人の裏側に潜む国際謀略を抉り出す実に錯綜したプロットである。被害者に刻まれた刺青の謎を追ううちに、個人の思惑、国と国との思惑が、熾烈な葛藤を繰り返し、事件はより複雑な切り口を見せてゆくという、面白さ抜群の小説である。 情報を手にし、知識を手にすることで、がんじがらめになってゆく支配者のスタンスというものの危うさのようなものを闇社会の頂点付近に描きながら、質実剛健・不器用貧乏としかいいようのない現場の報われぬ人間たちを対比させ、人の貧富の差、価値観の差までをも激論させてゆくところに、小説の深みを持つ。 複雑なプロットに導かれるジェットコースター小説であるからこそ、面白さだけにこだわるのではなく、そういった現代ではともすれば失われゆきそうになる人間的な懊悩を込めて、作者は大人の人間たちと、その弱さを、それ以上に優しさと絆とを描き出そうとしているように見える。 関口苑生氏に続いて、ぼくも声を挙げたい。 「傑作!」と。
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