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ちひろのことば の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2024/02/01

いわさきちひろ(1918~74年)は、福井県武生町(現・越前市)生まれ、東京府立第六高等女学校(現・都立三田高校)卒の画家・絵本作家。淡い色彩の透明感に満ちた水彩画法による子どもの絵が特徴で、数々の絵本の絵や、童話等の挿絵を描き、また、自作の7冊の絵本を発表した。作品は国際的にも...

いわさきちひろ(1918~74年)は、福井県武生町(現・越前市)生まれ、東京府立第六高等女学校(現・都立三田高校)卒の画家・絵本作家。淡い色彩の透明感に満ちた水彩画法による子どもの絵が特徴で、数々の絵本の絵や、童話等の挿絵を描き、また、自作の7冊の絵本を発表した。作品は国際的にも評価され、絵本『ことりのくるひ』でボローニャ国際絵本展・グラフィック賞を受賞したほか、絵本は十数ヶ国で出版されている。 私は現在アラ還世代だが、子供の頃に、毎月家に届く子供向け雑誌(「キンダーブック」だったような気がするが、はっきりは覚えていない)で、ちひろの絵をよく見ており、また、最近続編が出て話題となっている『窓ぎわのトットちゃん』(挿絵にちひろの絵が使われている)を、少々前に再読したこともあって、今般たまたま新古書店で本書を目にし、思わず購入した。 本書は、前半50頁にちひろの絵(カラー)、後半50頁に、本人によるエッセイや自らの絵本に寄せた文章等が収められている。 私はとにかく、前半の絵の部分をじっくり見てみたかったし、その結果、改めてその絵に強く惹かれたのだが、振り返ってみると、本書を読むまで、ちひろが男性なのか女性なのかすら知らず、どのような時代に、どのように生きて、どのようなことを考えていたのか等について、興味も湧かなかったことに気付き、寧ろそうしたイメージに縛られることのない不思議な透明感こそがちひろの絵の魅力であることに、思い至った。 そうした意味で、後半のちひろの文章は、ちひろのことを理解する手助けにはなるし、そうしたことに興味を持つ向きには貴重なものだとしても、私としては、読まなくてもよかった(寧ろ、読まない方がよかった)と思われたのだが、これは天邪鬼的な考えだろうか。。。(別に、ネガティブなことが書かれているということではない。念の為) (2024年1月了)

Posted byブクログ

2014/12/19

もっと自分の絵に泥臭さがなければと思い続けてきた... 私は工場の労働者の生活は深く知らないかもしれませんけれど、母とこの姿なら知っています。私も、子を持つ母親だからです。 あの子は風のようにかけていったきり... 大人と言うのはどんなに苦労が多くても、自分のほうから人を愛し...

もっと自分の絵に泥臭さがなければと思い続けてきた... 私は工場の労働者の生活は深く知らないかもしれませんけれど、母とこの姿なら知っています。私も、子を持つ母親だからです。 あの子は風のようにかけていったきり... 大人と言うのはどんなに苦労が多くても、自分のほうから人を愛していける人間になることだと 「僕は一生お金のある仕事には就かないつもりです。ですからとても靴なんて買えるようにはならないと思います。だから、あの6足の靴を一生はこうと思います。

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2012/08/27

[僕は儲かる仕事は一生しないって決めてるんです。だからこの6足の靴を一生かけて履くんです。] 私たちはアンデルセンに出てくるおじいさんみたいな夫婦。 [しょうがないさ。ママは芸術家なんだから] 駄作でいいならいくらでもかけるわ。 締め切りがなければかけない。

Posted byブクログ

2012/02/08

とても良い本です。 いわずもがな、絵は天才。これはもう、素晴らしくてため息のみ。 絵も優しいけれど、言葉も優しい。謙虚で、ユーモアもある。 例えば、次のような文章。 「リボンのきれいなボンネットの帽子をかわいくかぶれたとしても、そんなころに私はもどりたくはないのです。ましてあ...

とても良い本です。 いわずもがな、絵は天才。これはもう、素晴らしくてため息のみ。 絵も優しいけれど、言葉も優しい。謙虚で、ユーモアもある。 例えば、次のような文章。 「リボンのきれいなボンネットの帽子をかわいくかぶれたとしても、そんなころに私はもどりたくはないのです。ましてあのころの、あんな下手な絵しか描けない自分にもどってしまったとしたら、これはまさに自殺ものです。」 この本に収められてるこの文章には、実は先日練馬のちひろ美術館で出会った。そのときも、今回も、噴き出しちゃった。 「大人になること」というタイトルのこのエッセイの締めは、 「大人というものはどんなに苦労が多くても、自分の方から人を愛していける人間になることなんだと思います。」 ハッとした。 逆に言えば、人から愛されているだけでは大人ではないということ。 人を愛すること、人に優しくすること、それが大人になるということなのだ。 昨日ラジオで、小川洋子さんが三浦綾子さんの『氷点』を紹介しながら、「人を愛することは、罪深い人間として生まれてきた自分の罪を軽くすることなんじゃないか」とおっしゃっていたのと合わせて、とても考えさせられた。 人を愛すること。人を許すこと。 きっと自分に欠けている点だと思った。 手遅れでないならば、人に優しくなりたい。寛容になりたい。 まっとうな大人になりたい。 ----- 図書館で「あめのひのおるすばん」「ゆきのひのたんじょうび」などの絵本を見たいと思う。

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2010/04/16

★★★ いわさきちひろさんの絵が好きな方は、ぜひ☆彡 いわさきさんの自伝のような本。 自分の生きてきた道や、絵に対する想い、 それぞれの本を描いたときのエピソードや気持ちなどが いわさきさん自身の言葉で書かれています。 本の半分くらいがいわさきさんの絵で、とってもス...

★★★ いわさきちひろさんの絵が好きな方は、ぜひ☆彡 いわさきさんの自伝のような本。 自分の生きてきた道や、絵に対する想い、 それぞれの本を描いたときのエピソードや気持ちなどが いわさきさん自身の言葉で書かれています。 本の半分くらいがいわさきさんの絵で、とってもステキ。 そしていわさきさん自身のお話と一緒に写真も載っていて、 どんな方だったのかなぁって色々想像しながら読めました。 とってもとってもステキな本です!! これからも大切にして読み返したいなぁ☆彡 (2008.07メモ→2010.04ブクログ)

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2009/12/31

良い。 でもなんだか、古本屋で手に入れたものだから、前の持ち主さんが引いた線の方に気が向いてしまった感。 彼女の絵と一緒に文字も入っていて、私は人の書く文字が好きだなぁと思った。絵も、そうだけど文字に人がにじみ出る気がする。

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2009/10/04

私のもっているただ一冊のいわさきちひろさんの本。やさしいタッチでかかれたかの女の”子どもたち”・・・眸の黒々とした中に、深い愛と哀しみが詰まっているような気がします。生前ちひろの紡いだことばのひとつひとつが、その子どもたちの顔に重なって浮かび、静かに沈殿してゆく気持ちがします。

Posted byブクログ

2009/10/04

いわさきちひろさんの、人生色々あったけど持ち続けた素直な心を堪能しました。「大人になること」という一節は、若い一時期、何度も胸を熱くして読みました。

Posted byブクログ