救済の日 の商品レビュー
地獄よりずっと読みやすいね。 他も読んでみないと、作品によってどうテイストが変わるのかわからないけど。
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目覚めたら最終戦争が起きていた…という始まりから、主人公の逃避が始まる。主人公はどんなことがあっても自分からは行動しない。とりあえず歩いてはみるものの、常に逃避し続ける。やがて、「救済の日」がやってくるが、その救済からさえも逃避する。とにかく逃げ続けることだけが、この主人公のアイ...
目覚めたら最終戦争が起きていた…という始まりから、主人公の逃避が始まる。主人公はどんなことがあっても自分からは行動しない。とりあえず歩いてはみるものの、常に逃避し続ける。やがて、「救済の日」がやってくるが、その救済からさえも逃避する。とにかく逃げ続けることだけが、この主人公のアイデンティティ。 それ自体ではそこそこ面白い。しかし、あとがきには「戦争を描きたかった」とある。明確な護憲、反小泉・竹中的な立場から。そういう意図からすると、果たしてこれで成功だったのか、かなり疑問。護憲、反小泉・竹中はいいとして、逃避し続けることで実現されるのは、緩慢な衰退以外にはありえない。だけど、それを正とできるだけの説得力は示されない。 そういうある種の無邪気さ、というより浅さは本来ならけっこう致命的だと思うが、そのあたりは話の筋や、絵柄でかろうじて救われている。救われているからこそ、安易さがそのままになってしまうのだろう。
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絵が漫画というより画集。絵を見るためだけでも買っていい気がします。 メッセージも、絵同様に贅肉がそぎ落とされた感じです。平和とか救済とかってネタだけど、よくある、べき論とか苦悩とかなくて、ただあるだけ。このドライな感じがよい。
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社会と、自分の内面と。 両方から逃げずに描かれた、とても稀有な作品。 作家として、本当に本物だと感服。
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前々から気になっていた西岡兄妹、活字本だと思っていたらコレは漫画でした。 読みながら何となく「つげ義春を思い出すな〜」と思っていたら、 ガロやガロの後身的雑誌で活動してたんですね。 ラストが急に畳み掛ける様に展開し、「救済」の手が差し伸べられ… 個人的にはもっと破滅的でも良か...
前々から気になっていた西岡兄妹、活字本だと思っていたらコレは漫画でした。 読みながら何となく「つげ義春を思い出すな〜」と思っていたら、 ガロやガロの後身的雑誌で活動してたんですね。 ラストが急に畳み掛ける様に展開し、「救済」の手が差し伸べられ… 個人的にはもっと破滅的でも良かったかなぁ、と。 ラストシーンにも繋がりますが、終始ふわふわとした空気感でした。 因みに、憲法9条について西岡兄妹のお兄さん(原作者)は護憲派との事です。 だからそこまで破滅的ではなかったのでしょうか。 1106-1106 ///// 西岡兄妹が紡ぐ現代の黙示録。待望の長編第2弾! ある朝目を覚ますと戦争が始まっていた。 それは人類が未だ遭遇したことのない戦争だった。 ――悪夢と現実の境界が失われた世界で呆然と立ち尽す。 絶望の先に「救い」はあるのだろうか?
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