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バラバ の商品レビュー

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10件のお客様レビュー

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2024/09/14

十字架を背負わされ磔刑になったイエス・キリスト 釈放されたバラバもまた十字架を背負わされ生きる 信仰とは 信じるとは  任す委ねることのできる人の魂は幸い

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2017/04/22

人を信じること、愛することとは何かわからない不器用な主人公にとって、生き残されても孤独で彷徨い続けなければならならず、もしかしたらそれは死よりも辛いことなのかもしれない。主人公にとって愛することは最後までできなかったのかなあと。あまり救いというものが見られないのは残念だった。読ん...

人を信じること、愛することとは何かわからない不器用な主人公にとって、生き残されても孤独で彷徨い続けなければならならず、もしかしたらそれは死よりも辛いことなのかもしれない。主人公にとって愛することは最後までできなかったのかなあと。あまり救いというものが見られないのは残念だった。読んでいると舞台の上で演じる役者が見えてくるような演劇的な作品だった。

Posted byブクログ

2016/05/23

とても難しい小説です。「信ずることのできない、愛することのできない」、「ときどきのエクスタシィにしか信仰がもてない」バラバ。信仰に惹かれ続け、模索し続けながら、最後まで本当には理解できなかったのかと思います。 「細かい線まで手を入れていない」描写が非常に個性的で、まさに荒削りの石...

とても難しい小説です。「信ずることのできない、愛することのできない」、「ときどきのエクスタシィにしか信仰がもてない」バラバ。信仰に惹かれ続け、模索し続けながら、最後まで本当には理解できなかったのかと思います。 「細かい線まで手を入れていない」描写が非常に個性的で、まさに荒削りの石塊のようです。

Posted byブクログ

2016/03/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ノーベル文学賞受賞作。 作中で貧しい人たちがキリストを信仰するのは、自分たちを困難な状況から救い出してくれる、都合の良い救世主を求めているだけにも見える。盲信と信仰心の区別はあいまいである。 一方、バラバはキリストに強く惹かれながらも、決して盲信しない。むしろキリストの無力さを知っており、兎唇女のために律法士を殺し、彼女を埋葬し、あくまで行動をもって示そうとする。 バラバは両親の愛を受けずに育った境遇からか、情がうすく、人に寄り添うことがない。ゆえに、周囲も無意識のうちに彼を拒絶する。しかし、兎唇女を埋葬し、サハクのために泣いたように、彼にも人間らしい情が残っている。 親近感を覚えるような主人公ではないが、彼のような人間がいても自然ではないだろうか。 キリストを信じない者にとっては、キリストに救われたことがほとんど呪いのようになるという悲劇。しかし、盲信する者たちに比べて、バラバが愚かだとは思わない。ただ、キリストを信じられなかっただけ。 もしキリストが真の神であれば、バラバが人たちから拒絶されていようと、キリスト教徒でなかろうと、彼の魂をも救うのではないか。信者だけを救うのが神とは思えないからだ。信仰とは何か、考えさせられる。 神を強く求めながらも、信じ切ることができない人間の姿は、『巫女』にも共通するテーマだと思う。 個人的には、『巫女』ほどの求引力は感じられなかったので星3つ。 ラーゲルクヴィストの作品がもっと日本で読めるようになってほしい。

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2015/04/03

不勉強で、ラーゲルクヴィストという名前も、本書「バラバ」のことも知らなかった。著者はスウェーデンのノーベル賞作家。このバラバがノーベル賞受賞のきっかけとなった作品とのこと。 イエスの代わりに放免された死刑囚バラバが、キリスト教徒として処刑されるまでを描く。でも、読後に残るのは、バ...

不勉強で、ラーゲルクヴィストという名前も、本書「バラバ」のことも知らなかった。著者はスウェーデンのノーベル賞作家。このバラバがノーベル賞受賞のきっかけとなった作品とのこと。 イエスの代わりに放免された死刑囚バラバが、キリスト教徒として処刑されるまでを描く。でも、読後に残るのは、バラバのいかんともしがたい孤独感だった。 (2015.4)

Posted byブクログ

2015/03/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

イエスの代わりに釈放された罪人バラバのその後を描くフィクション。 信じたいと思いつつも心を閉ざし続け、罪を重ね、絶望の中で死ぬバラバ。 しかし「おまえさんに委せるよ、おれの魂を」という不思議に安らかな最期の言葉に、わずかな光明を宿している。 彼はだれともいっしょにつながれていなかった。広い世界中のだれとも。 その一言が妙に胸に刺さった。 結局のところ、人は誰かに是認されることで自分の存在を確立することを願ってやまない。

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2014/12/27

これほどの短編を読むのに時間がかかるのは何故だろう?普段の自分は利己的な輩を許すことができなくて、小さな粗探しをして苛々してしまう。自分で火にかけてないのにお湯が沸くと一番に使う輩。窓側に鞄をおいて通路側に足を組んで座って平然としてる輩。ほんとに我ながら小さい。しかし!自分だけ助...

これほどの短編を読むのに時間がかかるのは何故だろう?普段の自分は利己的な輩を許すことができなくて、小さな粗探しをして苛々してしまう。自分で火にかけてないのにお湯が沸くと一番に使う輩。窓側に鞄をおいて通路側に足を組んで座って平然としてる輩。ほんとに我ながら小さい。しかし!自分だけ助命されイエスやサハクが処刑されるのを見ているバラバの姿はそんな輩の比ではない。八つ裂きにされればいいのにと憎悪でも沸けば別だが、どうしてそんな気分にもならないのだろう?バラバの最後に信仰の力をみるのだ。キリスト教徒じゃないのにね。 再読。スウェーデンの作家なれどノーベル文学賞の真骨頂。祭りのとき群衆の恣意的な選択によって釈放され、代わりにイエスが処刑された極悪人バラバ。新約聖書に少しだけ登場する彼の物語。釈放されたのにイエスの事が気になりゴルゴダの丘までついていき、イエスの絶命を観とり、弟子が埋葬するのを見守る。バラバ自身は自分の罪を悔いてもいないし奇蹟も信じていない。しかし信者の口裂女が民衆になぶり殺されたのを怒って更に罪を犯してしまう。バラバの行動を矛盾として片付けることは誰にも出来ない。初期キリスト教を描いた紛れもない傑作。

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2014/03/29

キリストが身代わりとなった囚人、バラバを主人公とした小説。 場面はゴルゴタから始まる。 バラバは自分の身代わりに磔刑となったキリストの死を眺める。 元々バラバはキリストと面識があったわけではない。それでも自分の身代わりになった男のことが気になり、キリストの信者たちに近づき、彼...

キリストが身代わりとなった囚人、バラバを主人公とした小説。 場面はゴルゴタから始まる。 バラバは自分の身代わりに磔刑となったキリストの死を眺める。 元々バラバはキリストと面識があったわけではない。それでも自分の身代わりになった男のことが気になり、キリストの信者たちに近づき、彼は何者であったかを知りたがる。 しかし聞けば聞くほどに、キリストのことが理解できない。 その後も、何人もの信者と交流を持つも、彼は死ぬまでキリストを信仰することはない。 またかなり深い仲になった(と少なくとも相手側は思っていた)人間とも、本当の意味で心の交流をすることはない。 誰にも救いを求めず、誰をも救うことがなかったバラバ。 それでも恐らく信仰と愛とについて誰よりも深く考え続けたバラバ。 著者から明確な結論は提示されない。また語り過ぎないくらいの簡潔な文体も相俟って、本書全体が問いかけのまま終わってしまう。 読者はバラバになって、自分が救われて生きていることの意味を考え続けることになる。 個人的に、最後の「おまえさんに委せるよ」の「おまえさん」はキリストではなく「死」=「無」なんじゃないかというような気もする。

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2010/10/27

随分と以前(学生の頃?)に読んで、もう一度読んでみたいと思っていた本に久しぶりに巡り会いました。だからといって、イエスの代わりに放免された兇賊バラバという主人公のこと以外、内容は全く覚えていなかったけれど。キリスト教って、信仰ってなんだろうと考えさせられる内容でした。またいつか読...

随分と以前(学生の頃?)に読んで、もう一度読んでみたいと思っていた本に久しぶりに巡り会いました。だからといって、イエスの代わりに放免された兇賊バラバという主人公のこと以外、内容は全く覚えていなかったけれど。キリスト教って、信仰ってなんだろうと考えさせられる内容でした。またいつか読むかも。

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2010/07/04

バラバ。イエスの犠牲によって直接救われたもの。非常に興味深く読みました。フィクションとは知っていながらも、それ以上に信仰とは何か、私の人生とは何かと、真剣に読み進めていきました。  最後まで信仰を理解できなかったバラバ。しかし死に際の言葉はイエスのそれと同一であった。著者の思いや...

バラバ。イエスの犠牲によって直接救われたもの。非常に興味深く読みました。フィクションとは知っていながらも、それ以上に信仰とは何か、私の人生とは何かと、真剣に読み進めていきました。  最後まで信仰を理解できなかったバラバ。しかし死に際の言葉はイエスのそれと同一であった。著者の思いやいかに。あまり深く洞察していませんが、時間があればゆっくり思案にふけりたいと思っています。 10/6/27

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