マーク・トウェイン短編集 の商品レビュー
マーク・トウェインの…
マーク・トウェインの選りすぐりの短編を収録。なかでも『ハドリバーグを腐敗させた男』は清廉潔白な町を一つの行李によって破滅させる話。優れた風刺精神が行かされています。
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小さな港町の腕白小僧…
小さな港町の腕白小僧、から始まる七つの短編集。
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目次 ・私の懐中時計 ・私が農業新聞をどんな風に編集したか ・百万ポンド紙幣 ・噂になったキャラベラス郡の跳ぶ蛙 ・エスキモー娘のロマンス ・実話 ・ハドリバーグの町を腐敗させた男 このうち『百万ポンド紙幣』は小学生の頃従姉の家で読んだ記憶があります。 あと、『キャラベラス郡の跳ぶ蛙』と『ハドリバーグの町を腐敗させた男』は家にある文学全集に収録されているので中学生の時に読んだはずです。 カエルの話は覚えてたけど、腐敗させた方は全く覚えてませんでした。 『トム・ソーヤの冒険』は、あっけらかんと明るい少年のイタズラ&冒険ですが、初めて『ハックルベリー・フィンの冒険』を読んだとき、その昏いトーンに驚いたものです。 この短編集にもユーモア小説と言うのに、どうにも暗くて黒いのです。 そして、暗くて黒いのですが確かにそこにはユーモアがちゃんとあるのです。 この中で私が好きなのは『百万ポンド紙幣』 なんか『王子とこじき』みたいだなあと思いながら読んでいましたが、『王子とこじき』もマーク・トウェインでしたね。 高校生の頃からずっと『アーサー王宮廷のヤンキー』を読みたいと思っているのですが、まだ縁がなく読めていません。 割とマーク・トウェイン好きなんだよなあ。
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長短さまざまな短編集である。『私の懐中時計』、『噂になったキャラベラス郡の跳ぶ蛙』、『エスキモー娘のロマンス』が特に良かった。長い『ハドリバーグの町を腐敗させた男』は劇を観るようだった。確かに悪くはないが、好みではない。訳がこなれてなく、読みにくかった。
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・わたしの懐中時計 止まってしまった懐中時計を時計屋で修理してもらうと、どんどん症状が悪くなってしまう。時計が遅れたり進んだりすると世間から切り離されて自分一人がちがう時間を進んでいるような感覚にとらわれる。 ・わたしが農業新聞をどんなふうに編集したか 農業経験のない男が農業新聞を編集し、でたらめばかりの紙面で悪い方の評判となる。全編集長がもどってきて首にされるが、彼は世の中の新聞のほとんどがでたらめだという。自分が編集をやっていれば新聞の発行部数も伸びていたはずだと言い残し出て行った。 ・百万ポンド紙幣 金持ちの兄弟が賭けをした。聡明で正直、貧乏な外国人に百万ポンド紙幣という超高額紙幣を渡し、一ヶ月後に餓死しているかどうかというものだった。百万ポンド紙幣を受け取った男はその金で買い物しようとするが、どの店でも釣り銭がなくつけで商品を買うことができた。百万ポンド紙幣を持つ男として有名になった彼は祖国のアメリカ大使館でのパーティーに出席し、そこで女と出会い恋に落ちる。また、旧友にも出会い、彼が売れそうもない鉱山の株を持っていることを知る。百万ポンド紙幣を返し、つけを払うために財産をつくっておかなければならない。そこで自分の名声を利用し旧友の鉱山株を高値で売って利益を山分けすることにした。うまく財産を手に入れることができ、兄弟のもとへ婚約した女とともに向かい百万ポンド紙幣を返すと賭けに勝った兄弟の一人がどんな職にでも就かせてやろうと言った。この兄弟の一人が婚約した女の父親だったことから結婚を許可してもらった。 ・噂になったキャラベラス群の跳ぶ蛙 知り合いの話を聞きに行った先で、知り合いの名前と似た男の話を聞かされる。賭けの好きな男で自分の蛙がどの蛙よりも遠くに飛ぶことができると言った。自分の蛙におもりを食べさせられているのを知らず勝負した男は賭けに負けてしまう。 ・エスキモー娘のロマンス エスキモーの社会では鉄製の釣り針が富の象徴だった。金持ちのエスキモーの娘は美人で求婚者が多くいた。しかし、彼らはみな財産狙いであったが、最後には彼女自身を愛してくれる男が現れた。男を家に呼び娘の父親が鉄製の釣り針を見せた。父親はその釣り針を娘の頭の上にばら撒いた。その後、寝るときになって父親が釣り針の数が足りないと言い出し、婚約者の男が疑われ追い出された。しばらくたって娘が髪の毛をとかすと釣り針が発見された。 ・実話 いつも陽気な黒人の召使に主人が苦労せずに生きてこれたのはなぜかと聞いた。そこで召使は話しだす。奴隷の子どもとして生まれ、結婚して子供を七人産んだ。仕えていた家が没落し家族が別々の家に売られていった。南北戦争がはじまり北軍の将軍に仕えたとき、若い兵士にからかわれ、口癖の啖呵を切った。それを聞いた一人の兵士が近寄り、左手首と額の傷を見て、それが自分の生き別れた息子だと知った。 ・ハドリバーグの町を腐敗させた男 ハドリバーグは誠実で高潔な町として知られていた。しかし、一人のよそ者がその町での出来事に恨みを持ち復讐することを決意した。ある日ハドリバーグの一件の家に四万ドルの入った行嚢が預けられた。それは以前苦しいときにハドリバーグで二十ドルをもらったお礼として送ってほしい、誠実と高潔を信頼してその人物を探しだして渡してほしいというものだった。その人物を特定するため最後に聞いた言葉が封書の中にあるとの事だった。新聞にこの話が載せられると全国的に有名となり多くの記者が町に集まった。四万ドルを受け取る人物を特定する日となり、十九通の手紙が集まった。その全てに最後に聞いた言葉が書かれていたが、少しずつ違った内容であり、封書の中の言葉とも違った。十八通が開封され署名が読み上げられると、彼らは集まった町民から非難を受けた。しかし、最後の十九通目の手紙は見当たらなかった。自分の名前が公開されるのを避けられた男は、その手紙を読み上げる人物に以前親切にしていたため助かったことを知った。しかし、本当はその人物に汚名を着せた張本人だった。それがばれて手紙のことも明らかにされると思った男は心労のため亡くなった。そうしてハドリバーグの評判は地に落ちた。
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皮肉が効いていてとても面白い短編集。 こんなに短い文章でこんなに面白いのが書けるということに驚きを隠せない。 小さい文字と詰まった行間は気にならないのだけれど、多用される(1ページ以上に渡る箇所もある!)傍点が読み難いことこの上なし。 この本、図書館のリサイクル棚で除籍書籍を入...
皮肉が効いていてとても面白い短編集。 こんなに短い文章でこんなに面白いのが書けるということに驚きを隠せない。 小さい文字と詰まった行間は気にならないのだけれど、多用される(1ページ以上に渡る箇所もある!)傍点が読み難いことこの上なし。 この本、図書館のリサイクル棚で除籍書籍を入手したのだけど、全く借り出された形跡が無かった。 もったいないなあ。
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サウンド文学館・パルナス 「私の懐中時計」 なんかちょっと怖かった。懐中時計は心臓のこと?いや違うかな…。
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題名通りマーク・トウェインの短編集。 時代を反映してか、 黒人奴隷とか黒人に対する差別などについてが少し書かれている。 トンチっぽいものもあるが、 なかなか頭を使うものもある。
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小さな港町に手のつけられない腕白小僧として育ち、その後の全生涯を冒険の連続のうちに送ったマーク・トウェインの傑作7編収録。
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