言葉を育てる の商品レビュー
心に残ったところ P32〜33 小森 〜分かりやすさには二つある。〜単純化して説明しちゃうことが多い。〜 米原 〜複雑なことを複雑なまま、しかも分かるように書くには、その分野の知識だけでなく広い周辺知識が必要になるしね。それに、分かり難さが読み手の能動的力を引き出すこともある。〜...
心に残ったところ P32〜33 小森 〜分かりやすさには二つある。〜単純化して説明しちゃうことが多い。〜 米原 〜複雑なことを複雑なまま、しかも分かるように書くには、その分野の知識だけでなく広い周辺知識が必要になるしね。それに、分かり難さが読み手の能動的力を引き出すこともある。〜相手を想定して書く。その人に分かるまで、書き直していくほかないんじゃないかな。
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母の積読。 時間をかけて少しずつ読んだ。この人達の会話、文章になっているからようやくついていける。 大きいけど飾らない感じが、すごく魅力的な人だと感じた。物事に対する色々な考え方の切り口としていくつかヒントをもらえた気がする。 読み返したい!
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色々と動き回っていた最中に書店に立寄り、目に留めて求めた。そういう形で出くわして非常に善かったと思う。 本書は米原万里が登場した、様々な相手との対談ということで、各種の雑誌や新聞に掲載されたモノを集めており、2008年に刊行されている。刷りを重ねた2021年の第8刷が書店に在った...
色々と動き回っていた最中に書店に立寄り、目に留めて求めた。そういう形で出くわして非常に善かったと思う。 本書は米原万里が登場した、様々な相手との対談ということで、各種の雑誌や新聞に掲載されたモノを集めており、2008年に刊行されている。刷りを重ねた2021年の第8刷が書店に在った訳だ。 米原万理(1950-2006)はロシア語通訳者として活躍し、作家に転じており、テレビコメンテータとしての活躍も記憶に残る。色々と独特な人生を歩んでおり、様々な形で伝えられる御話しは面白い。そして“言葉”、或いは「言葉を介して異なる文化を結び付ける対話をプロデュース」というような事柄に携わり続けた経過の故に、非常に考えさせられる内容を伝え続けていたと思う。 多分、「言葉を介して異なる文化を結び付ける対話をプロデュース」というような事柄に関して、この国では余り顧慮されていない、或いは経験や思索が貧しく、顧慮する術も無い、更に顧慮すべきモノとして認識されていないのではないかと思う。そういう事柄は「言葉通じない!」で全てシャットアウトで、時々「おい!“通訳”!!何とかしろ!!!」で済むこととされ、“通訳”に必要な準備というような事柄が一顧だにされない。そういうことを時に思わないでもないので、この米原万理の発言等は、少し痛快だと思いながら触れていた記憶が在る。今般、改めてその名調子のようなモノに再会が叶ったことを少し喜んでいる。 極々個人的な事柄だが、何時だったか1990年代後半の或る時、米原万理を稚内に招いて講演会が催されたことが在り、会場に足を運んで拝聴した想い出が在る。そういうことの故に、本書に収録された米原万理の発言を読みながら、風貌や声音が思い出され、本書の中にのめり込んだというような感も在った。 本書には「言葉を育てる」という題が冠せられている。これは、偶々国外で“ソ連(ロシア)式”な、須らく「〇〇について述べよ」というやり方の教育に触れた後、“日本式”な「〇か×か」に触れて或る種の衝撃を受け、「繰り広げられている話しの“意味”を自分なりに捉えて纏め、それを別な人に自分の言葉で説く」というような営為の価値を噛締めていたというような事柄の故に出て来た表現だと思った。本書の広い範囲に、そういうような思いが滲んでいる。 本書の中では、この「言葉を育てる」という表現で括られるような内容が多いとは思うが、様々な分野で活躍している多士済々という対談相手が登場する。そうした中で「こういうことに疑問」とか、「何か悪いようになって行かないか?」というような話題が幾分見受けられる。それらを観て、「収録された対談が2000年代の初め頃のモノで、本は2008年」ということを忘れてしまいそうになった。「今でも“考えるべきこと”なのでは?」とか、「最近こそ、文中で言及されているような様子が?」というのが多々在ったのだ。 年末というような様子の中、偶々ながら、少し以前からの様々な問題意識を呼び覚ますことが叶うような一冊に出くわして善かった。加えて、やや以前のモノながら、今読んでも興味深く痛快でもある一冊は好い。広く御薦めしたい一冊だ。
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ここでの米原さんは、本を読むのとは違って、ざっくばらんな言葉で語りかけてくれる。免疫学者の多田富雄氏との対談では、翻訳という作業が、脳内でどのように行われているかを、お二人が言葉で探っていたのが面白かった。日本語で言葉を発するときも、翻訳で言葉を発する時も、意味を考えながらの作業...
ここでの米原さんは、本を読むのとは違って、ざっくばらんな言葉で語りかけてくれる。免疫学者の多田富雄氏との対談では、翻訳という作業が、脳内でどのように行われているかを、お二人が言葉で探っていたのが面白かった。日本語で言葉を発するときも、翻訳で言葉を発する時も、意味を考えながらの作業だという。 「女は存在 男は現象」という名言もあった。 彼女の翻訳における「嘘」の正体も、腑に落ちた。「事実を多少面白くするために」彼女はちょっとしたエッセンスを加えているのだ。著書においては、考え抜いて作られているに違いない。 毎回、媒体も違うので、違う人と話しても同じ話題だったり、著書と重複する箇所も多々あるが、そんなことはどうでもよかった。対談は相手のいる場での話題だ。相手が違えば、話し方も違っている。会話しているときに生まれる思考や、発想も、発見もある。そして米原さんのユーモア、機転が、遺憾無く発揮される場でもある。 何より、今は亡き米原さんのそばで聞いているような気配がする時がある。 対談の本は、ステイ・ホームで閉じこもっているときに読むにはよいかもしれない。
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20180928読了 2008年発行。対談相手は小森陽一、林真理子、児玉清、西木正明、神津十月、養老孟司、多田富雄、辻元清美、星野博美。田丸久美子、糸井重里。●P181 日本人は、みんな同じにすることが平等だと思い込んでますね。違うのに平等、対等っていうのが、本当の平等なのに。勉...
20180928読了 2008年発行。対談相手は小森陽一、林真理子、児玉清、西木正明、神津十月、養老孟司、多田富雄、辻元清美、星野博美。田丸久美子、糸井重里。●P181 日本人は、みんな同じにすることが平等だと思い込んでますね。違うのに平等、対等っていうのが、本当の平等なのに。勉強嫌いな子も高校、大学へ行かせるみたいな。大切なのは、大卒も中卒も対等だってことのほうなのに。●P307 ソ連の作文教育
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言葉は 生き物 である 相手がいてこその言葉のあれこれ いゃあ 面白かった 田丸公美子さん 糸井重里さん 星野博美さん との 対談が秀逸 それになによりも 巻末の黒岩幸子さんの 解説にかえての 「弔辞」が すばらしい
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全編 田丸公美子さんの対談の方が、タイトルに沿った 楽しい本になったと思う 言葉の意味を伝える翻訳のプロでも、テーマに沿って 言葉を引き出すのは難しいのかなーと思った。対談相手によって、バラツキがある 出版社としては、有名人との対談を 入れた方が 売れるという判断だったのかな...
全編 田丸公美子さんの対談の方が、タイトルに沿った 楽しい本になったと思う 言葉の意味を伝える翻訳のプロでも、テーマに沿って 言葉を引き出すのは難しいのかなーと思った。対談相手によって、バラツキがある 出版社としては、有名人との対談を 入れた方が 売れるという判断だったのかなー
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いろいろなお話しを紙面傍聴できる対談集。紙面化された対談集で読むに堪えうるものに出会うことってあまり多くはないのだけれど、対談している人たちがそれなりのしっかりとした内容、聞き手を引き込むようなことを話していれば、読めるものなのだな、と。 でも、さすがの米原様でも、対談相手によっ...
いろいろなお話しを紙面傍聴できる対談集。紙面化された対談集で読むに堪えうるものに出会うことってあまり多くはないのだけれど、対談している人たちがそれなりのしっかりとした内容、聞き手を引き込むようなことを話していれば、読めるものなのだな、と。 でも、さすがの米原様でも、対談相手によってうわっ滑りのことしか話せていないときと、ノリノリでお話ししていたはず、と想像できるものとがあるのは「一読瞭然」。
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米原万里の対談集。お相手は小森陽一、林真理子、児玉清、西木正明、神津十月、養老孟司、多田富雄、辻元清美、星野博美、田丸公美子、糸井重里。 特に言語に興味のある自分にとっては田丸公美子との対談が面白かった。そして言葉の達人といえども、言葉だけじゃなく幅広く勉強している、つまり「教...
米原万里の対談集。お相手は小森陽一、林真理子、児玉清、西木正明、神津十月、養老孟司、多田富雄、辻元清美、星野博美、田丸公美子、糸井重里。 特に言語に興味のある自分にとっては田丸公美子との対談が面白かった。そして言葉の達人といえども、言葉だけじゃなく幅広く勉強している、つまり「教養人」であることは自分にとってよい刺激になった。自分も頑張らなければ。
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濃い米原さんが、さらに濃い面々と対談した対談集。 糸井さんとの対談は特に面白かった。 私も子供の頃は海外で暮らしていたから、カルチャーショックは少しわかる。夏休みが終わるとクラスの面々がリセットされるんだよね。
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