魔王 の商品レビュー
世の中の流れに立ち向かう兄弟。そもそも世の中の流れとは何なのか。群集心理というものを考えさせられた。 そんな兄弟の姿を間近で見てきた詩織ちゃんが、最後の国民投票の場面で「〇」と書く。やるせない気持ちになった。 死神の千葉さんが出てきたとき、心の底から「見送り」にしてくれることを...
世の中の流れに立ち向かう兄弟。そもそも世の中の流れとは何なのか。群集心理というものを考えさせられた。 そんな兄弟の姿を間近で見てきた詩織ちゃんが、最後の国民投票の場面で「〇」と書く。やるせない気持ちになった。 死神の千葉さんが出てきたとき、心の底から「見送り」にしてくれることを願った。それでも千葉さんの下した判断は「可」だった。 安藤兄弟の特殊能力(のようなもの?)、犬養の素顔、バーのマスター、、、最後まで謎のままで終わったのがまたね、、、この作品の続きが気になっちゃって仕方がない。続きはあるのかな?
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魔王 今までの文体で今までの語り口、気の利いた皮肉とジョーク。 伊坂節を少し社会に向けたのが「魔王」です。大切なのは”少しだけ”という点。 主人公の口癖は、小さい頃に見ていたアメリカテレビドラマの「冒険野郎マクガイバー」の主人公マクガイバーの口癖の”考えろ、考えろ!”。 考えた...
魔王 今までの文体で今までの語り口、気の利いた皮肉とジョーク。 伊坂節を少し社会に向けたのが「魔王」です。大切なのは”少しだけ”という点。 主人公の口癖は、小さい頃に見ていたアメリカテレビドラマの「冒険野郎マクガイバー」の主人公マクガイバーの口癖の”考えろ、考えろ!”。 考えた結果、主人公は未来党の党首犬養とムッソリーニの共通点に気づく。人に自分の思っていることを話させるという不思議な能力を使って、日本のファシズム化を阻止しようとするが。。。 「魔王」の後日談は「呼吸」に引き継がれます。魔王の主人公の弟の恋人の一人称で語らえるお話は、弟がどのように兄の意志を引き継ごうとするかが語られます。弟の不思議な能力は10の選択から必ず1つを当てることができるというもの。その能力を使って弟は来るべきファシズムに対応しようとします。 「日本ではマスコミも大衆も一度熱くなったトピックスは二度と熱くなることはない。消費税、自衛隊の海外派兵。。。頭の良い政治家だったら、熱くなっているときには本当の意志は入れずに議論をあおって一度終わらせる。その後に徐々に本当の目的に従って変えていく。」こういったスマートな洞察が語られるなかで、物語はあくまでも熱くならずにクールに進行していきます。好みから言えば、ちょっとポップなクライム小説での伊坂節の方が好きです。 ムッソリーニと恋人が処刑されて広場で逆さまにつるされた時に、恋人のスカートがまくれないように留めてあげた人のエピソードが語られています。 竹蔵も出来うるならばそういった人になりたい。なれるかなー。ちょっとむりかな。 「考えろ!竹蔵」 知恵熱が出ない程度に考えるようにします。 竹蔵
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能力者の物語。 政治、憲法などといった社会派になりすぎたり思想の偏りが生じたりしがちなテーマを扱いながら、しっかりエンタメとして楽しめる本だった。 もしかしてあの作品と繋がっている? 続編のモダンタイムスも読みたい。
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伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズがいつも読んでいてかなりツボなので、この作品にも手を出してみたのですがちょっと私には合わなかったというか、広げた風呂敷がそのままの印象でモヤっとするエンディングだと感じてしまいました。 ・鳥になって飛んでいた兄の見た、物騒なシーンは何だったのか…。...
伊坂幸太郎さんの殺し屋シリーズがいつも読んでいてかなりツボなので、この作品にも手を出してみたのですがちょっと私には合わなかったというか、広げた風呂敷がそのままの印象でモヤっとするエンディングだと感じてしまいました。 ・鳥になって飛んでいた兄の見た、物騒なシーンは何だったのか…。(これは続編『モダンタイムズ』で回収されるのかもしれないけれど。) ・魔王とは誰なのか…。(読書に向けた〈考えろ考えろマクガイバー〉的なメッセージ?) ・これから弟はお金でなにをしようとしてるのか…。 兄弟が目覚めたそれぞれの特殊能力は魅力的だから、そちらをメインにした事件簿系なストーリーだったら好きだったかもしれないです!
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ちょっと分からなかったかね 伊坂ワールドなんだと言われれば、そうなんだろうと受け止めるしかないが、モヤモヤしたまま読み終えるという感じでした
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単純に思っていたのと違う方向性のお話で作者の伝えたかったことを読み取るのが難しかったです 考えろ、考えろ。と作者に言われているのかも
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
解決しない部分を残したまま物語は終わるので、好き嫌いが分かれる作品かも知れない。「モヤモヤする…」と受け取る人もいるだろうし、「深く考えさせられる」と感じる人もいるだろう。私は、読み終わったばかりの話を思い返し、それなりに楽しんでいます。 紙を25回折ると富士山と同じ高さになる。という指数関数的な増え方のエピソードはワクワクする反面、ウィルス感染者数の増え方を暗示しているようで怖さもある。 大勢の意見に流されない強い意志を持つ事はとても大切。魔王からは感動と気づきを貰った。 ありがとうございました。
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「魔王」と「呼吸」の2部構成。 著者、お得意の特殊能力系ではあるが、他作品と少し毛色が違い、ややメッセージ性に比重を置いているように思える。 結末はモヤっとしたが、続編があるようなので楽しみ。
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腹話術の能力を持った兄と、後に賭け事の能力を持った弟。二人には強い絆があって、能力以外での強さを持っている。ゆっくりと話は進んでいるのに心の中ではモヤモヤし、どうなるのかという期待感が強いまま読了。政治だけでなく世の中の様々な出来事に対して流されず、自分の考えを持とうと思わされた...
腹話術の能力を持った兄と、後に賭け事の能力を持った弟。二人には強い絆があって、能力以外での強さを持っている。ゆっくりと話は進んでいるのに心の中ではモヤモヤし、どうなるのかという期待感が強いまま読了。政治だけでなく世の中の様々な出来事に対して流されず、自分の考えを持とうと思わされた小説。
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正直、消化不良。 え、結局、犬養首相は?マスターは? 弟くんのお金は? その昔、まだオンデマンド動画サービスがなかったころ、ずっとみていたテレビドラマの最終回を見逃して絶望したときと似た気持ちだ。面白く上り詰めてきたのにー。
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