1,800円以上の注文で送料無料

建築史的モンダイ の商品レビュー

3.8

13件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2010/07/06

藤森さんの愛のあるコルビュジェ批判にかなり笑った。 P23 私の考える「建築と地面の接点こそ大事」説には新規性と重要性の二つがあると読者諸賢には認めていただいて、さて、早い者勝ち言いたい放題的に、これまでの名建築、大建築家たちをメッタ切りしたい。 まず、ル・コルビュジェ大...

藤森さんの愛のあるコルビュジェ批判にかなり笑った。 P23 私の考える「建築と地面の接点こそ大事」説には新規性と重要性の二つがあると読者諸賢には認めていただいて、さて、早い者勝ち言いたい放題的に、これまでの名建築、大建築家たちをメッタ切りしたい。 まず、ル・コルビュジェ大先生から。 コルビュジェの最初の名作といえば、サヴォア邸にほかならないが、これがヒドイ。 建築・地面論的には最悪の見本で、よくもまあこんなもんを地上に作って当時の世界の建築を目指す若者をだまくらかしたナ、なにがピロティだ屋上庭園だ。庭園といいながら屋上には緑がアリバイ的にチョボチョボ植えてあるだけだろう。ピロティだって、白塗りの細い細い丸柱がマッチ棒みたいというか、プロポーションからいうと紙巻きタバコみたいに並んで、まるで地面との関係にノン・コンシャス。若き日にギリシャのパルテノン神殿と出会って画家をやめて建築を目指したなんてよく言ったもんだ。 僕は建築史の教科書はすごくおもしろいと思うし、開けて読んでるだけで楽しくなってくる。 だけど、教科書には人間の存在があまり感じられない。 それがすごく残念に思う。 具体的に彼らはどんなふうに過ごしてたのかとか、そこでどんなことを感じてどんな話をしてたのかとか、そんなことは何一つわからないから。 昔のことだから形に残ってないし、当然わからないんだけど、そこに歴史の楽しみの一つがあるようにも思う。 ま、いわゆるロマンってやつ。想像することが楽しかったりする。 でもこれがなかなか難しい、上手く想像できない。 そんなときに意外と役立つ、藤森じいさんのお話。笑 あまりにも愉快ですぐ読めてしまいます。 入門書なんだけど、入門書にありがちな浅く広く的なまとめ方じゃなくて、テーマごとに時代を縦横無尽に駆け巡りながら藤森論が書かれているからおもしろい。 僕が知りたいのは歴史の事実じゃなくて、歴史をその人(ここでは藤森さん)がどういうふうに捉えてるのかってこと。 戦前までの歴史の教科書は天皇を中心として書かれていたけど、戦後は国民を中心に歴史が書かれている例のように、時代の関心によって解釈は変わってくるものだし、当然その人の立場によって解釈は変わってくる。 そういう意味でも面白い。 ただめちゃくちゃ軽いです。笑 でもまぁ、教科書に飽きたって人も、教科書なんて眠くて読めないって人も楽しんで読めると思う。 炉を通してみる茶室の変遷について少し書かれていたけど、すごく興味が出た。ちゃんと書かれているものがあるなら読んでみたい。

Posted byブクログ

2009/10/07

テーマが多岐に渡っていて、買ってソン無しな一冊でした。 「WTCは至上初めて衆人にみとられながら死んだ超高層なのである。」ということも恥ずかしながら初めて知りました。 茶室の話も興味深かった。抹茶と煎茶の点て方、歴史の違いなども初耳で、私は知らないことだらけだなと謙虚な気持ちに...

テーマが多岐に渡っていて、買ってソン無しな一冊でした。 「WTCは至上初めて衆人にみとられながら死んだ超高層なのである。」ということも恥ずかしながら初めて知りました。 茶室の話も興味深かった。抹茶と煎茶の点て方、歴史の違いなども初耳で、私は知らないことだらけだなと謙虚な気持ちになれたような・・。

Posted byブクログ

2009/10/04

建築の本というと建築の言語だけで終わってしまうようなところもありがちですが、 これはごくごく普通の読み物として十分よめます。 建築を勉強していない人にでもわかりやすく読みやすくできています。 専門用語もほとんど出ていません。 この本に掲載されている内容は幅広く、 焼き杉を...

建築の本というと建築の言語だけで終わってしまうようなところもありがちですが、 これはごくごく普通の読み物として十分よめます。 建築を勉強していない人にでもわかりやすく読みやすくできています。 専門用語もほとんど出ていません。 この本に掲載されている内容は幅広く、 焼き杉を作る話とかお城のこととか、 ガラスや鉄筋コンクリートのはじまりのことやら 建築を勉強していても結構スルーすることとかも書いてあったりして 面白かったです。

Posted byブクログ