宗教学の名著30 の商品レビュー
[ 内容 ] 宗教の歴史は長いが、宗教学は近代になって経験科学の発達を背景としてヨーロッパで誕生した比較的歴史の短い学問である。 近代人は宗教に距離を取りながらも、人類が宗教を必要としてきたゆえんを直観的に理解し、時に知的反省を加えてきた。 宗教学の知は西欧的近代学知の限界を見定...
[ 内容 ] 宗教の歴史は長いが、宗教学は近代になって経験科学の発達を背景としてヨーロッパで誕生した比較的歴史の短い学問である。 近代人は宗教に距離を取りながらも、人類が宗教を必要としてきたゆえんを直観的に理解し、時に知的反省を加えてきた。 宗教学の知は西欧的近代学知の限界を見定めて、芸術・文学・語りや民衆文化の方へと開かれようとする脱領域的な知ともいえる。 本書は古今東西の知から宗教理解、理論の諸成果を取り上げ、現代を生きる私たちにとっての「宗教」の意味を考える視点を養う決定版ブックガイドである。 [ 目次 ] 1 宗教学の先駆け 2 彼岸の知から此岸の知へ 3 近代の危機と道徳の源泉 4 宗教経験と自己の再定位 5 宗教的なものの広がり 6 生の形としての宗教 7 ニヒリズムを超えて [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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ちくま新書の『〜の名著30』シリーズは前作の社会学がなかなかの面白さだったが、本屋で今回の『宗教学』というタイトルを見た時、門外漢の自分としては「一体どんな著作が取り上げられてるんだろう、まさか無味乾燥な専門的研究書だらけじゃなかろうな…」などという思いが一瞬よぎった。だがその不...
ちくま新書の『〜の名著30』シリーズは前作の社会学がなかなかの面白さだったが、本屋で今回の『宗教学』というタイトルを見た時、門外漢の自分としては「一体どんな著作が取り上げられてるんだろう、まさか無味乾燥な専門的研究書だらけじゃなかろうな…」などという思いが一瞬よぎった。だがその不安は杞憂だった。 著者の「来るべき宗教学を展望する」という目標のもとに選ばれたラインナップは、ウェーバーやデュルケムのような定番のみならず、フロイト、ホイジンガ、エリクソン、井筒俊彦、ヤスパース、バタイユ、さらには一見宗教論と関係なさそうなバフチンのドストエフスキー論(!)まで取り上げられる幅広さ。著者の懐の深さが感じられ、宗教学に無縁な者にとっても実に面白いブックガイドとなっている。 このラインナップの何冊かは自分の蔵書にもあった(ただし積読状態)ので、これを機会に読んでみようかな…とそんな気にさせられた1冊だった。
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