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天才の栄光と挫折 の商品レビュー

4.2

30件のお客様レビュー

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2025/05/05

NHKのテレビ講座「天才の栄光と挫折」を見たのは2001年の夏だった。藤原先生は、諏訪の別荘のベランダで、小さな黒板を横に、8人の数学者をめぐるヒューマンドラマを語った。数学好きでなくとも(数学好きならなおさら)、彼らに魅了されたはずだ。本書はその講座テキストの書籍版。 まるで見...

NHKのテレビ講座「天才の栄光と挫折」を見たのは2001年の夏だった。藤原先生は、諏訪の別荘のベランダで、小さな黒板を横に、8人の数学者をめぐるヒューマンドラマを語った。数学好きでなくとも(数学好きならなおさら)、彼らに魅了されたはずだ。本書はその講座テキストの書籍版。 まるで見ていたかのような描写。それもそのはず、藤原先生は、ハミルトンのダブリン、ラマヌジャンのマドラス、ニュートンのトリニティ・コレッジとウールズソープといったように、それぞれの数学者の生きた場所へと足を運んでいるのだ。なかでも、パリビノ(ロシア)とストックホルムに赴いたソーニャ・コワレフスカヤの章は感動的だ。 ガロワの章。冒頭6ページには、ガロワとは関係のない、パリのホテルで受けた理不尽な対応への憤怒が綴られている。いつもの藤原節。でも心配は無用。その熱をもったまま、ガロアの熱い生涯の紹介が続き、最後は感動的に締めくくられる。

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2024/03/18

「数学者列伝」と副題にあるように、過去の天才数学者たちの人生を現地まで訪ねて追ったエッセイである。ニュートン、関孝和、ガロワ、ハミルトン、ソーニャ・コワレフスカヤ、ラマヌジャン、チューリング、ヘルマン・ワイル、アンドリュー・ワイルズという9人のドラマが描かれている。それぞれに巨大...

「数学者列伝」と副題にあるように、過去の天才数学者たちの人生を現地まで訪ねて追ったエッセイである。ニュートン、関孝和、ガロワ、ハミルトン、ソーニャ・コワレフスカヤ、ラマヌジャン、チューリング、ヘルマン・ワイル、アンドリュー・ワイルズという9人のドラマが描かれている。それぞれに巨大な業績を残しているが、人生も幸せだったとは限らない。著者のあとがきにあるように「天才の峰が高ければ高いほど、谷底も深い」のである。二十歳で決闘に散ったガロワ、初恋の人を思い続けたハミルトン、ナチスのために故国を去らねばならなかったワイルなど、栄光よりもその悲しみの方が胸をしめつける。

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2023/10/19

2冊の自伝を読んで以来久しぶりの藤原さん。 当該2冊を読んだ当時、妻と生まれたばかりの長男と一緒に駐在していて、どの時代も同じような苦労をするものだと感じいったものだ。 数学も文学も、数と文字という違いはあれど自分の考えを他人に分かりやすく説明するという点では共通しているのだ。...

2冊の自伝を読んで以来久しぶりの藤原さん。 当該2冊を読んだ当時、妻と生まれたばかりの長男と一緒に駐在していて、どの時代も同じような苦労をするものだと感じいったものだ。 数学も文学も、数と文字という違いはあれど自分の考えを他人に分かりやすく説明するという点では共通しているのだ。全体に貫く先人に対する尊敬の念が、年を重ねてすこしだけ柔らかくなった氏の筆致で記されていて、通勤時間に読むのにちょうどよい内容だった。 ラマヌジャンの業績の数学的価値、あるいは、欧州で数学の発展の表裏一体となった神学や哲学が、この本を読んで私の読書リストに入ったジャンルである。

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2022/04/29

数学入門の対談で触れられていたので読んでみた。 数学の功績の所はちんぷんかんぷんだけど、どの天才の話も興味深いものばかり。数学的に天才でも私生活は孤独を抱えてる人が多く、人間味あふれる姿で書かれている。 この中の3人がもっと詳しく書かれてる本があるとのことでそちらも購入しまし...

数学入門の対談で触れられていたので読んでみた。 数学の功績の所はちんぷんかんぷんだけど、どの天才の話も興味深いものばかり。数学的に天才でも私生活は孤独を抱えてる人が多く、人間味あふれる姿で書かれている。 この中の3人がもっと詳しく書かれてる本があるとのことでそちらも購入しました。

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2022/02/11

数学者、藤原正彦先生が描く天才数学者列伝。実際に藤原先生が天才数学者生誕の地などを訪れながら描きリアリティがある。多くの数学者があまり幸せな人生を送っていないようなのが印象的。特にガロアやラマヌジャンなどの天才数学者が受験で失敗しているところなど印象的で、数学の才能が突出すぎると...

数学者、藤原正彦先生が描く天才数学者列伝。実際に藤原先生が天才数学者生誕の地などを訪れながら描きリアリティがある。多くの数学者があまり幸せな人生を送っていないようなのが印象的。特にガロアやラマヌジャンなどの天才数学者が受験で失敗しているところなど印象的で、数学の才能が突出すぎると他の部分が足りなくなるのだろう。フェルマー予想を証明したワイルズで締める。フェルマー予想の証明には日本人数学者の功績が大きく関わっているとのことで誇らしい。

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2020/10/05

数学者といっても、われわれと同じように悩み生きている存在だということを感じる作品だと思います。ニュートンといったよく知られた数学者から、ガロワ、コワレフスカヤ、ラマヌジャンといったぜひ知ってほしい数学者まで、さまざまなエピソードが取り上げられ、読んでいて面白い。 (数学科 ペン...

数学者といっても、われわれと同じように悩み生きている存在だということを感じる作品だと思います。ニュートンといったよく知られた数学者から、ガロワ、コワレフスカヤ、ラマヌジャンといったぜひ知ってほしい数学者まで、さまざまなエピソードが取り上げられ、読んでいて面白い。 (数学科 ペンネーム「鮒一鉢二鉢」先生おすすめ)

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2020/08/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小学生の頃、我が家にあった『玉川児童百科大事典』の第一巻が数学だったので、何回か目論んだ全巻読破という野望のため、2~3回は通読した数学の巻のおかげで、数学者にはちょっと詳しい。 なので、最初に登場するガロワも「ああ、若くして決闘で死んだ人ね」くらいにはすぐに分かった。 だって、数学が好きだったことなど中1の1年間以外には人生で一度もないのだもの。(素因数分解が好きだった) 数学にとりつかれてしまった人の人生なんて、想像がつかない。 長男は数学が得意でしたが、計算をすることが好きなのであって、数学が好きなわけではないと本人から言われ、では、数学ってどういうことかっていうと、数字で、計算で世の中のまだ知られていない事実を解析していこうと考えるのが数学なのだそうです。 大学で数学科を専攻した職場の後輩がそう言っていました。 数学の素養が全くない私には、彼らの業績の偉大さはよくわかりませんが(説明文を読んでも理解できませんが)、例えば第二次大戦時のドイツの暗号を解読したチューリングや、フェルマーの最終定理を証明したワイルズなどは、その業績の結果にうっとりするわけです。 けれども、天才というのは栄光も人の数倍なら挫折も人の数倍。 親に愛されない、親との濃厚な関係ゆえ夫婦関係が上手くいかない、初恋を一生大切にし続けるなどの家族関係。 または、同じ数学者に対する嫉妬、無視、それによる孤独などなど。 人生って、結果オーライなら途中が不遇でもいいじゃんってもんではないのだから、最終的に勝つのはメンタルが強い人なんだな。 ということを、自殺したチューリング、メンタルから病に負けていったラマヌジャン、自暴自棄のような決闘死のガロワなど、もっと活躍できたはずの人が死んでいく姿を読みながら思う。 例えばアインシュタインがいなくても、相対性理論は発見されていたと言われるけれど、ラマヌジャンの発見については、どうやって彼がそれを発見することができたのかいまだわかっていないという。 天才の上にいる天才。 時代が生んだ天才と。時代を超えた天才。 350年間、誰も証明することができなかったフェルマーの最終定理。 1993年にワイルズが証明できたのは、谷村=志村予想と、岩澤理論という、日本人の業績があったからだ、というのはよく聞く話だけれど、世界的にそう評価されているのかは私は知らない。 だけど、著者がこのエピソードを最後に持って来たのには、さもありなんと思いました。

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2019/06/27

ガロワ、関孝和、チューリングといった数学の天才たちの逸話。 天才たちゆかりの地を実際に訪ね、その様子も交えて描写されていて、味わい深い紀行文にもなっている。(サスガ著者は新田次郎氏のご子息)

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2019/02/03

9人の数学者の人生を、その人が生きた時代背景および人間関係を交えて紹介している。その人の業績を詳細に説明されても理解できないだろうから、数学者物語としてはとても読みやすかった。

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2018/11/18

数学者の著者が、9人の大数学者たちの生き様を思い入れ たっぷりに描いた一冊。 さすがにニュートンや関孝和といったあたりは古すぎて史料 に頼るほかなかったせいか、さらっと書かれてあるけれど、 近代・現代の数学者については、生家を訪れたり、子息に 会ったり、当時所属してい...

数学者の著者が、9人の大数学者たちの生き様を思い入れ たっぷりに描いた一冊。 さすがにニュートンや関孝和といったあたりは古すぎて史料 に頼るほかなかったせいか、さらっと書かれてあるけれど、 近代・現代の数学者については、生家を訪れたり、子息に 会ったり、当時所属していた大学を訪れるなど、精力的な 取材を行っていて筆にも力がこもる。 栄光と挫折というタイトルになっているものの、悲運や悲劇の 方が多く、特に英国人数学者アラン・チューリングの人生には 胸が痛む。 (チューリングを描いた章の中で、p.227の写真についている 説明文で次ページ以降の展開が見えてしまったのは残念。 単行本から文庫にした際の写真配置の都合によるものと思うが。) また、数学だけでなく、詩、文学、哲学なども同時に極めて いる数学者が少なくないということが、本書でよく分かる。 この本を著した藤原さんもまさにその中の一人であることは 言うまでもないでしょう。

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