ウィチャリー家の女 の商品レビュー
サンフランシスコの波…
サンフランシスコの波止場から姿を消したフィービ・ウィチャリー。父親から捜査を依頼されたリュウ・アーチャー。しかし、事件は父親の予想とは違う悲劇へと・・。ロス・マクの最高傑作だが、この作家はかなり重い。じっくりと読まないと、見失います。
文庫OFF
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※このレビューにはネタバレを含みます
ロス・マクドナルドの作品としてはそこまで複雑なプロットではなく、読みやすい作品。 大富豪ウィチャリーに娘フィービの行方探しを依頼されたアーチャーに見えてくるのは、ウィチャリー家の闇の部分であった。 相変わらず執拗に聞き手となるアーチャの真骨頂といったところです。 長年愛していた女性を殺してしまう男の身勝手さが哀しい作品でした。
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<私立探偵リュウ・アーチャー>シリーズ第十作目。本書を含む三作品が円熟期の傑作と呼ばれているらしいが、その評判に違わぬ素晴らしい出来栄え。失踪した女性の捜索というお決まりの展開ながら、終盤の鮮やかな回収劇は圧巻の一言。ラストシーンに漂う虚無感も実に印象的。<質問者>アーチャーの地...
<私立探偵リュウ・アーチャー>シリーズ第十作目。本書を含む三作品が円熟期の傑作と呼ばれているらしいが、その評判に違わぬ素晴らしい出来栄え。失踪した女性の捜索というお決まりの展開ながら、終盤の鮮やかな回収劇は圧巻の一言。ラストシーンに漂う虚無感も実に印象的。<質問者>アーチャーの地道な積み重ねが着々と真相に肉薄する筋運びの上手さをまざまざと見せつけられた。これだけの作品ならば、トリックの現実味に関しては四の五の言いませんよ。前時代的な言い回しも幾らかあれど、普遍的で色褪せない小笠原豊樹さんの翻訳も最高です。
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トリックに無理がある。 いくらフェアプレイ(地の文で嘘を書かない)していても、このトリックは成立しない。 ミステリというのはメイントリックがだめだと、点が辛くなる。星二点だ。
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寡作な作家であったがつまらない作品はひとつも無い。この作品もやや無理な設定はあったが最後まで一気に読み終えた。 最後に殺人犯は告白書を残して自殺するが悪人ではなく悲しい終わり方だ。
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失踪した富豪令嬢の行方を捜すアーチャーの前に、悪党どもの死体が次々と転がるという展開。アーチャーも殴られて意識を失うという、お約束をみせるし、普段よりはタフガイ探偵っぽいかも知れない。とはいえ、込み入った真相はいつも通り。もっとも少し薄味かな。
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サンフランシスコの波止場から姿を消したフィービ・ウィチャリー。父親から依頼されたリュウ・アーチャー。しかし事件は父親の予想とは違う悲劇へと進む。ロスマクの最高傑作と言われるが、ロスマクはかなり重い。本腰入れてじっくり読まないと見失う。
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歪んだ愛情が織成す悲劇、いや正直な気持ちを押し殺したゆえの反動と云った方が正解か。 現象はあまりにも単純。2人の男と1人の女の死。犯人はしかも1人。 しかし、その1人を炙り出すための炎は関係者各々の魂を苦く焦がし、また探偵自身も自らを焦がす。 だが、あくまで彼は傍観者の立場を貫...
歪んだ愛情が織成す悲劇、いや正直な気持ちを押し殺したゆえの反動と云った方が正解か。 現象はあまりにも単純。2人の男と1人の女の死。犯人はしかも1人。 しかし、その1人を炙り出すための炎は関係者各々の魂を苦く焦がし、また探偵自身も自らを焦がす。 だが、あくまで彼は傍観者の立場を貫く。だから慮る事もせず、また望むのであれば自害の手助けをもする。 現時点では三ツ星だが、我が胸に徐々に立ち上る感慨は治まりそうにない。
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この時代のハードボイルドは無駄な打ち合いもなし。 アーチャーのシニカルながら割と紳士的な態度も好感が持てる
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傑作.私立探偵アーチャーが,富豪からの依頼を受けて,その娘の失踪を探る.現在起こり続ける犯罪と過去に起こったできごとが複雑に絡みながら話は進んでいく.よく計算された結末であり,少しの光も見える.
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