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私という病 の商品レビュー

3.8

47件のお客様レビュー

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2013/05/11

読むまでは、何でデリヘルなんてやるの!?と訳が分からなかったが、読んでみるととっても真剣な内容だった。うさぎさん入魂の一冊という感じ。読んで良かった。共感できるとこありすぎ!きっと女性ならみんなそうだ。ところでこの本、実は旦那が買ってきて面白かったと言ってたので私も読んでみた。

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2013/02/23

【経緯】 ぺりこさんに、徹子の部屋にでてきたときの中村うさぎと顔が似てると言われ。笑 【書き出し】 「どうして私は、女であることを、おおらかに正々堂々と楽しめないのか」 これが、私の長年の疑問であった。 【感想】 「女としての価値」をわかりやすく数値で示して!って考え方がユニ...

【経緯】 ぺりこさんに、徹子の部屋にでてきたときの中村うさぎと顔が似てると言われ。笑 【書き出し】 「どうして私は、女であることを、おおらかに正々堂々と楽しめないのか」 これが、私の長年の疑問であった。 【感想】 「女としての価値」をわかりやすく数値で示して!って考え方がユニークで笑っちゃった。 いやー 身につまされるというか‥ 人間として、女として、求められたいというのは至極真っ当な話なんだよね。 別れたときにセックス依存になる女は、「セックスしたい」ということよりも「女として求められたい」んだな、とストンと納得した。 【引用】 「自分の欲望を刺激するのはけしからん」とか「自分の欲望を刺激しないから面白くない」とか、そんなおまえの理屈でファッション評論される筋合い、どこにもないんだよ。 我々の中には確かに「男に欲情されたい」という願望があるけれど、それは私の意志を無視して一方的に他者の欲望の餌食にされるのではなく、私の主体性に基づいて私の方から「男を欲情させたい」ということなのだ。 【不可解】 メディアにいちゃもんつけられるのに無防備すぎる点。 ほんとすごいと思う。。

Posted byブクログ

2013/02/11

矛盾に満ちた自己との闘いの記録、というべきか。男に主体性を奪われた自分と、それに肯定的な自分が同居している、矛盾に満ち満ちた自己の内面。普通なら自己の一貫性を保ちつつ社会に適応していくが、中村うさぎ、そして東電OLは、肥大化していく「隠蔽した自己」と意識的にせよ無意識にせよ、付き...

矛盾に満ちた自己との闘いの記録、というべきか。男に主体性を奪われた自分と、それに肯定的な自分が同居している、矛盾に満ち満ちた自己の内面。普通なら自己の一貫性を保ちつつ社会に適応していくが、中村うさぎ、そして東電OLは、肥大化していく「隠蔽した自己」と意識的にせよ無意識にせよ、付き合わずにはいれなかったのだろう。 思うに、男は自分を否定されることに女以上に怯えている。社会的地位、それに付随するプライド、権威、男としての価値…それらを失いたくないが故に「逆ギレ他罰(p116)」して自己正当化に走る(男女の世界だけではなく、会社などの組織でも起こりそうなことだ)。中村うさぎは本書を女たちに読んでほしいというが、そんな思考停止に陥った男性こそ読むべきだろう。無論、理解のキャパシティがあるかは別問題ではあるが。

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2012/08/29

年末の文化系トークラジオLifeで(2010年だったような、でも2008年の出版か。)斉藤さんが、紹介してた本。 とってもおもしろかった。マツコでらっくすが、なんでこの人をリスペクトしてるのか、ちょっと分かった気がした。 熟女ヘルス嬢として働いた体験談とそこに至る理由(後者が...

年末の文化系トークラジオLifeで(2010年だったような、でも2008年の出版か。)斉藤さんが、紹介してた本。 とってもおもしろかった。マツコでらっくすが、なんでこの人をリスペクトしてるのか、ちょっと分かった気がした。 熟女ヘルス嬢として働いた体験談とそこに至る理由(後者が白眉)、そこから自分の実存の深い部分まで迫りきるその容赦のなさ。そしてその深さゆえに、女性一般の実存(自意識)の問題・矛盾にまで及ぶ射程の大きさを持っていると感じた。 しかし、唯一共感できなかったのは、中村うさぎという女性の世渡り下手な部分。そこまで、男の愚かさを憎まんでも、鼻で笑って、時には上手くあしらって、時には抱きしめてあげたら、Life would be more easier for herとも思わずにいれなかった。「律儀な人」なんだな、失礼な表現で言えば「融通の利かない女」なんだなと思った。僕の叔母の世渡りの上手さを見てきたからかもしれない。それも彼女の魅力だと思う。 やはり、体験に根ざしたというか地に足着いた、という表現では生ぬるいほど、「泥臭い」この人の物を書くということに対する姿勢に、僕は深く深く心惹かれました。 あとがきをゲイアクティビストの伏見憲明さんが書いていた。左翼臭が苦手です。開かれてないというか、ノンケを巻き込めてないアクティビズムのケツの穴の小ささとかいうのが、苦手です。

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2012/07/25

私は、作者と根本的に似ている精神構造だなって思った。 城で眠る、救われたいお姫様。城を守り、男をはねつける魔女。この比喩で語られた自己矛盾に、大いに共感した。 また、東電OL事件の被害者の心情を想像して書いた文章も、大きく心を掴んだ。 中村うさぎのファンになった。

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2012/06/26

うさぎさんがデリヘル嬢になった、と聞いたときは驚いたけど、これ読んだら心理としてはすごくわかった。 仕事で評価されて、友人に恵まれてても、愛してくれる男がいない… 貢いだホストからの仕打ちに女としての誇りを傷つけられ、「男に欲情され対価を支払われる」デリヘル嬢になることで自己確...

うさぎさんがデリヘル嬢になった、と聞いたときは驚いたけど、これ読んだら心理としてはすごくわかった。 仕事で評価されて、友人に恵まれてても、愛してくれる男がいない… 貢いだホストからの仕打ちに女としての誇りを傷つけられ、「男に欲情され対価を支払われる」デリヘル嬢になることで自己確認したかったんですね… 絶対しないけど、しないからこそ、うさぎさんが体験して書いてくれることに感謝。 「荊ひめ」に準えた自己分析にもすごく共感。 男を排除した、女のための本だろうな~。

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2012/06/24

冷静に筆を進める感じの人かと思っていたが、 意外にも熱っぽく、そしてギャグっぽい筆致。 さくっと読める。 でも、その文字の一個一個から怨念というか、 黒い煙がもやもやと出ているようだった。 フェミニズムとか、そういう「主義ありき」の目線ではなく、 あくまで自分の心と体で感じた「女...

冷静に筆を進める感じの人かと思っていたが、 意外にも熱っぽく、そしてギャグっぽい筆致。 さくっと読める。 でも、その文字の一個一個から怨念というか、 黒い煙がもやもやと出ているようだった。 フェミニズムとか、そういう「主義ありき」の目線ではなく、 あくまで自分の心と体で感じた「女である」ことを書いて いるから、文章に熱さがある。

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2012/06/24

桐野夏生の「グロテスク」を読んで、モデルの事件の解釈にぐさりとくるものがあった。自分の内部にも通じるものを感じたからだ。中村うさぎがこの本でそれに触れていると知り読んでみた。 彼女は3日でやめてしまったがデリヘル体験をし、その体験が語られている。そのさわりだけの本の紹介をみて、...

桐野夏生の「グロテスク」を読んで、モデルの事件の解釈にぐさりとくるものがあった。自分の内部にも通じるものを感じたからだ。中村うさぎがこの本でそれに触れていると知り読んでみた。 彼女は3日でやめてしまったがデリヘル体験をし、その体験が語られている。そのさわりだけの本の紹介をみて、読んでない人は単なる興味本位の体験ルポととるだろうが、実は中身は、女という性の、自身の考察である。 「グロテスク」を読んだ時、4人の登場人物すべてが自分にあてはまる気がしたが、小説なのである意味、著者ともども第三者的に俯瞰する感じになる。ところがこれは中村うさぎがさらけだされているので、そこに共感する部分があると、より直截的にこちらにはね返る。この本の感想も男性からは揶揄と侮蔑であったのに対し、女性からは批判と軽蔑はそれほど届かなく共感さえもあったという。その違いは見出しの「男の自己正当化病と女の引き裂かれ症候群」「欲望する側とされる側」といった言葉にも表れている。 東電OLに関しては、「たった一人の戦い」として、彼女の濃い化粧をコスプレに例え、濃い化粧をすることで、「もうひとりの自分」が殻を突き破って躍り出た瞬間に、彼女は凄まじい恐怖と快感を同時に覚えたはずだ、と分析している。どちらが本当の自分なのかという疑問が愚かしくも空疎に感じただろうとし、うさぎ氏とおなじように、自分が「女」という性的存在であることに、嫌悪感や罪悪感を抱いていたタイプであろうとしている。 「もうひとりの自分」は周囲に認められないと潜在化する自分。周囲とは男である。そしてこれが男女逆転することは無いであろう。男は男に認められることを欲し、女は男に認められることを欲するのではないか。

Posted byブクログ

2012/03/31

色もの、キワモノと侮ったら大怪我します。 「私」という病とは、「病んでいる私」なんかじゃなくて、全ての女性存在(オカマ含む)の根源的苦悩のことを「やまい」と称しているふかい深い一冊である。 証拠に一部引用します。 「私は、女たちが好きだ。たったひとりで頑張って働く女も、主婦とい...

色もの、キワモノと侮ったら大怪我します。 「私」という病とは、「病んでいる私」なんかじゃなくて、全ての女性存在(オカマ含む)の根源的苦悩のことを「やまい」と称しているふかい深い一冊である。 証拠に一部引用します。 「私は、女たちが好きだ。たったひとりで頑張って働く女も、主婦という孤独な立場で必死に踏ん張っている女も、道に迷ってへたり込み絶望している女も、泳ぎ続けてないと死んでしまう魚みたいに暴走し続ける女も、すべての女が私だから。私は、私を救いたいのよ。だから、彼女たちに向かって語り続けるのよ」 デリヘル嬢としてほんとうに十人ばかりの男の客の相手をしてみた彼女のことを、北野武はそこまでやったら「作家のやることじゃねえ」と言ったそうだが、タケシさんともあろう人が読みもしないで批判するのは止めてもらいたいものだ。 金めあてのホストからしか相手にしてもらえなくなった口惜しさから始まって、こちらの拒絶にもかかわらず若かった頃の自分を勝手に欲望のはけ口にしやがった、痴漢野郎やセクハラおやじへの怨念。女であることの苦悩とおんなとして認められなくなってしまったことの口惜しさ。見ず知らずの男たちの欲望に応えて金を払わせるという、傍目には暴挙に見える挑戦に走ったのは、その精神分裂的とさえいえる自己内の懊悩であっただろう。それは、一人中村うさぎの懊悩に止まらず、全ての女性存在が内包する矛盾する深層心理でもある。だからこそ、東電OL事件の被害者女性について、類例のない徹底的に透徹した、それこそ彼女以外では絶対に書き得ない一文で本書は締めくくられている。そしてまた、中村うさぎが身を挺した暴挙を通して告発した、コンプレックスと差別意識とは、女の敵であるだけではない。彼女が意図したフェミニズムの枠を超えて、男にとっても仇であるのだ。 自らの深すぎる苦悩から始まって、全女性の深層の矛盾を突き、男女の枠さえ超えた根源的な人間の醜ささえ抉る。こういうのを「作家」の営為と言わずして、他になんと言えるだろうか。 中村うさぎは、作家に他ならず『私という病』は名著である。声を大にして私はそういう。

Posted byブクログ

2012/02/27

著者の中村うさぎが、自らデリヘルで働く(でも3日間)の話。 自分に女という記号がついて、求められることに価値を求めている。 そしてその価値をさらに記号に直して、「金額」で換算する。 一見殺伐とした、乾いた感じが漂うのに、痛いくらいの愛おしさ。 私もそう、男になりたいわけじゃないけ...

著者の中村うさぎが、自らデリヘルで働く(でも3日間)の話。 自分に女という記号がついて、求められることに価値を求めている。 そしてその価値をさらに記号に直して、「金額」で換算する。 一見殺伐とした、乾いた感じが漂うのに、痛いくらいの愛おしさ。 私もそう、男になりたいわけじゃないけど、女であることも受け入れられない。わかる!わかるよ!私にとっては、もう私の説明書みたいなものです。 これは本というより、筆者本人に五つ★かも

Posted byブクログ