後期近代の眩暈 の商品レビュー
量・質ともに読み応え充分。 テロリズムへの不安、移民、暴動、厳罰化。仕事やコミュニティや家族の急速な変化、これらに付随するリスク。ワーキングプアとセレブリティの二極化。そんな社会の副産物としての逸脱。 ベックの危険社会、バウマンの液状化社会、ギデンズの後期近代、そういった「現代...
量・質ともに読み応え充分。 テロリズムへの不安、移民、暴動、厳罰化。仕事やコミュニティや家族の急速な変化、これらに付随するリスク。ワーキングプアとセレブリティの二極化。そんな社会の副産物としての逸脱。 ベックの危険社会、バウマンの液状化社会、ギデンズの後期近代、そういった「現代」が受胎するリスクについて特に「共同体」や「アイデンティティ」の視点から語っています。 共同体が壊れるからこそ、自分を自分自身たらしめるのは所属ではなく能力、与件ではなく選択の所産になる。語られるのは陳腐で凡庸なないようだけれど、大抵のものごとがそうであるようにシンプルなものほど奥が深いというのはやはり真理だと思う。
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