赤々煉恋 の商品レビュー
情念ホラー。 短編集。 タッチは軽いのに、だから・・・怖い 夏にピッタリ とにかく怖い。 怖い上に救いを感じない。なのに、愛は感じる。 人間の本質の情念。 まさに、赤々と燃えるような。
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赤々とした炎のように何かに身を焦がし、切望する者たちの行く末は…。様々な愛の形を綴った、切なさと悲しさの溢れる五つの物語。人間の欲望を赤裸々に描く連作短編集。
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◆死体写真師・・・22歳という若さで亡くなってしまった百合香。このまま火葬するのが忍びない姉の早苗は、恋人・晴紀の提案で遺体の記念写真を撮ってくれるという業者に連絡をとることにした。 ◆レイニー・エレーン・・・雨のM山町で思い出すこと・・・理華はなぜOLでありながら夜は次々とここ...
◆死体写真師・・・22歳という若さで亡くなってしまった百合香。このまま火葬するのが忍びない姉の早苗は、恋人・晴紀の提案で遺体の記念写真を撮ってくれるという業者に連絡をとることにした。 ◆レイニー・エレーン・・・雨のM山町で思い出すこと・・・理華はなぜOLでありながら夜は次々とここで男の相手をして、そして殺されてしまったのだろうか。 ◆アタシの、いちばん、ほしいもの・・・アタシは、普通の人には見えないものが見える。虫男たちにとりつかれた人間は、もうすぐ死んでしまうことも知っている。なぜなら、私自身が死んでいるから。 ◆私はフランセス・・・親にも縁を切られ、盗癖も治らなかったどうしようもない私を愛してくれたMさん。私にはもうこの人しかいない。でもMさんには人には絶対言えない性嗜好(アクロトモフィリア)があった。 ◆いつか、静かの海に・・・公園で知り合った男の人の家には、”お姫さま”がいた。信じられないことだが、”お姫さま”は元は鉱物で、月の水を与えることでここまで人の形に育ってきたのだという。 以上5編の短編集。作品解説には”連作短編集”とあったが、つながりは全く見つけられなかった。ただの短編集だと思うのだけれど・・・?ひとことでいえば、性や死に関するホラー作品集。 可愛らしいタイトルや装丁(特に文庫本の方)とは違い、内容はかなりダークでおぞましい。そして性や死がテーマで特殊な性嗜好も出てくるので、読む人を選ぶ作品だと思う。生理的に受け付けない人もいるだろう。しかし決して下品ではなく、どこかノスタルジックで耽美な世界観が広がっているのはさすが。 ◆私はフランセス・・・全く知らない世界、そして知った後も正直理解はできない世界ではあるが、当人同士がそれで幸せであるなら、いいのかもしれない。Mさんが、Rの決意を手放しで喜ぶんじゃなくて、「絶対後悔するからやめた方がいい」と相手の幸せをまず第一に考えるような人だったからこそ、うまくいったんだろうけど。
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異形なものは美しい。 そんな感じ。 怖さ際立つというよりかは、一見不気味は異形の世界を、見方を変えて美しく描いてるような。 怖くはないな、「アタシの、いちばん、ほしいもの」以外は。 これは怖かった。 最後にカタカナで喋る虫男の不気味さ。 救いのない結末、終わらない毎日。 後味悪す...
異形なものは美しい。 そんな感じ。 怖さ際立つというよりかは、一見不気味は異形の世界を、見方を変えて美しく描いてるような。 怖くはないな、「アタシの、いちばん、ほしいもの」以外は。 これは怖かった。 最後にカタカナで喋る虫男の不気味さ。 救いのない結末、終わらない毎日。 後味悪すぎる。。。ただ嫌いではない。 ホラーなんだからこの位、薄気味悪いのがいい気もするのだ。
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大好きだった妹が死んだ。彼女の姿を留めようと、恋人が勧めてくれた、死体を美しく撮ってくれる写真館に依頼を出す姉。そして彼女が知る自らの末路・・・「死体写真師」 不倫相手との会話の端に出てきた渋谷の伝説。その主人公は大学時代のクラスメイトの女性だった。彼女は渋谷で客を取る際、お...
大好きだった妹が死んだ。彼女の姿を留めようと、恋人が勧めてくれた、死体を美しく撮ってくれる写真館に依頼を出す姉。そして彼女が知る自らの末路・・・「死体写真師」 不倫相手との会話の端に出てきた渋谷の伝説。その主人公は大学時代のクラスメイトの女性だった。彼女は渋谷で客を取る際、お祭りしましょうと誘っていたらしいのだが・・・「レイニー・エレーン」 家にいてもつまらない。学校に行ってもみんなからシカト。そうだよね、だってアタシは・・・「アタシの、いちばん、ほしいもの」 中学時代にほんの少し関わっただけのクラスメイト。時を経て、彼女から送られてきた手紙には、奇妙で恐ろしくて美しい愛の物語が綴られていた・・・「私はフランセス」 幼い日の秋の夜に出会った不思議な青年。彼は小さなアパートの一室で〈お姫さま〉を育てていた・・・「いつか、静かの海に」 綾辻行人ほどグロくない、フリークスたちの愛の物語。 「世にも奇妙な物語」が好きだっていう方にはおススメですね。 先が読めるんだけど、恐ろしい美しさに魅了される「死体写真師」、異形への愛に幻惑される「私はフランセス」、始めはリリカル、でも真相はしっかりホラーな「いつか、静かの海に」なんかが私の好みでした。
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ゾワッと来るよな様々な愛の物語。 エグい描写もあるのに なぜか上品で温かい空気が流れるのは朱川さんならでは。 最後の一編がちょっと拍子抜けで物足りなかったが それ以外は満足。 【図書館・初読・10/19読了】
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最初の死体写真が最悪すぎた・・・屍姦は流石に吐き気がする。 幽霊少女は割りと好き。 切断女はもう後味悪くてそりゃ無いだろうという。 ラストは結構いいと思ったんだけど、中途半端だなぁ。ページの都合?みたいな。
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朱川湊人さんの本は、「花まんま」、「かたみ歌」ときてこれを読んだのですが、この中では最も生と死が恐ろしく描かれている作品だな、と感じました。
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ホラーっぽい短編集。さほど怖くない気もするけれど、適度にどろどろでえげつない部分もあるなあ。でも全体としてはとても綺麗な仕上がりになっていて、「都市伝説セピア」に似た味わいがあるかも。個人的には非常に好き。 お気に入りは「私はフランセス」。読んでいてこれが一番「綺麗」だと思ってし...
ホラーっぽい短編集。さほど怖くない気もするけれど、適度にどろどろでえげつない部分もあるなあ。でも全体としてはとても綺麗な仕上がりになっていて、「都市伝説セピア」に似た味わいがあるかも。個人的には非常に好き。 お気に入りは「私はフランセス」。読んでいてこれが一番「綺麗」だと思ってしまった物語。いえ、そういう趣味嗜好はないはずだと思うのですが……(笑)。「フリークス」も観ているので、なんとなく感覚としては分かるかなあ。
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美しいものを描くのに、 醜いものを必要とするのがホラー作家で その両者を、静謐な音楽の中に同居させることができるのが 優秀なホラー作家である。 <短編集> ・死体写真家 ・レイニー・エレーン ・アタシの、いちばん、ほしいもの ・私はフランシス ・いつか、静かの海に
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