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ユージニア の商品レビュー

3.5

502件のお客様レビュー

  1. 5つ

    61

  2. 4つ

    158

  3. 3つ

    193

  4. 2つ

    45

  5. 1つ

    7

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文庫本

文庫本を最後まで読んで単行本で読みたかった!と思いました。他にも単行本の魅力を比較する話はよく目にしてきたのですが、これほど打ちのめされたのは初めてです。 内容は「理由」の似て非なる物語です。

ひろ

2025/01/08

大人って、子供に対して時間をケチるんだよね。 自分の使える時間全体を百とするなら、子供に使うのは十くらいと決めている。近所の大人だったら、よその子に使うのは、二か三くらいかな。声掛ける時も、ここで一くらい使っといてやるかっていう割り当てを計算してるのが見え見えなんだ。だから、何か...

大人って、子供に対して時間をケチるんだよね。 自分の使える時間全体を百とするなら、子供に使うのは十くらいと決めている。近所の大人だったら、よその子に使うのは、二か三くらいかな。声掛ける時も、ここで一くらい使っといてやるかっていう割り当てを計算してるのが見え見えなんだ。だから、何か話し掛けて、子供がそれに食いついてきて、一のつもりだった時間を三使わせられそうだって感じると、みんな慌てて子供を突き放す。 何冊目かの恩田陸。木漏れ日が最初で、次がQ &A、ドミノ。Q &A読んだときみたいな、「終わってしまったよ…」感が強かった。 インタビュー形式で、誰と誰が話しているのかわからない。最初からその違和感が強かった。章ごとのセクションや章ごとに少しずつわかっていなかったことがわかっていく。どうやらあいつが怪しいようだ、どう崩していくか、というのは作中のコロンボ描写と通じるんだけど、ミステリーだと思って読んでたからつまづいた。不気味さは面白いけど、個人的には広げた風呂敷はそれなりに畳んで欲しい人種。 人によって真実の見え方が違う、という面白さを今回はキャッチできず。ただいろんな人物の証言は、常に同じ人間のことを伝えているわけではない、それが新しい読書体験。

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2024/12/27

★4.4 人は自分が語りたいストーリーを語る 時間は記憶を改ざんする よって作中で語られている各々のストーリーが真実とは限らない だとしたら真実は永遠にわからないのでは インタビュー形式であることがこれほど効果的に機能するとは こんな小説初めて読んだ

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2024/12/12

恩田さんのこの、登場人物たちのリアリティはいつ見ても怖い。語りだけで大体の為人が浮かび上がる技術は、恩田さんの前だと誰もが丸裸にされる気になってくる 特別な少女が出てくる所に『六番目の小夜子』みを感じて嬉しかった。そして結末も。上手く言語化できないけど、この小説は現実に起こりう...

恩田さんのこの、登場人物たちのリアリティはいつ見ても怖い。語りだけで大体の為人が浮かび上がる技術は、恩田さんの前だと誰もが丸裸にされる気になってくる 特別な少女が出てくる所に『六番目の小夜子』みを感じて嬉しかった。そして結末も。上手く言語化できないけど、この小説は現実に起こりうる

Posted byブクログ

2024/12/06

恩田陸さんは『六番目の小夜子』『夜のピクニック』を読んでいましたが、この作品で作家さんとして更に魅力的になられたと感じました。 終わり方が何とも言えなくて、読後だいぶ時間が経ちましたがもう一度読みたいです。

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2024/11/30

好き嫌いが分かれる作品。 自分はどちらかというと苦手。 結局、自分のような凡人には 元々精神的に不安定な人 生きることに困難を抱えた人 のことは文学の世界になると理解が難しい。 凡人が思いもよらない所で奇妙な感情を持たれたり、それに沿った行動を起こされたりしたらたまらんな...

好き嫌いが分かれる作品。 自分はどちらかというと苦手。 結局、自分のような凡人には 元々精神的に不安定な人 生きることに困難を抱えた人 のことは文学の世界になると理解が難しい。 凡人が思いもよらない所で奇妙な感情を持たれたり、それに沿った行動を起こされたりしたらたまらんな。 編集後記みたいな部分で触れていた、 90年代にめっちゃ話題になった 《ツイン・ピークス》もドラマも映画も観たけれど、あの独特な世界観を自分はあまり面白いと思わなかったし(ローラ・パーマーの死体は確かに美しいと思ったけれど。) この作品はミステリーというよりは、ダークファンタジーだと感じた自分はやっぱり現実的人間だということを再認識したな。

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2024/11/23

終始薄ら寒い気配が感じられ、最後まで得体の知れない何かと対面させられているような感覚でした。 1つの事件を多数の視点で語られる形式で、同じ事象を見ていても観測者によって全然違う印象になるのが面白かったです。 最後もすっきり解決!のような結末ではないので、結末すら観測者たる読み手の...

終始薄ら寒い気配が感じられ、最後まで得体の知れない何かと対面させられているような感覚でした。 1つの事件を多数の視点で語られる形式で、同じ事象を見ていても観測者によって全然違う印象になるのが面白かったです。 最後もすっきり解決!のような結末ではないので、結末すら観測者たる読み手の視点に委ねられているようで、個人的には好きな作品です。

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2024/11/11

盲目のサイコ殺人犯が最後は痛い目見てて良かった。あれでずっとマンセーしてたらはらわた煮えくり返ってた。

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2024/11/12

自分には理解の追いつかない世界観で難しく感じた。 ただ一文が短いところは読みやすかったかなぁと思う。

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2024/10/19

これぞ恩田さんのミステリー!読んでいて不思議で歪んだ感覚がするのも、すっきりしない結末も好きだなー。 章ごとに別々の人物にインタビューする形式なんだけど、登場人物も割と多いし、最後のほうまで聞き手が誰だかわからないままだから、より一層混乱する。 文庫版を読んだけど、巻末にデザイナ...

これぞ恩田さんのミステリー!読んでいて不思議で歪んだ感覚がするのも、すっきりしない結末も好きだなー。 章ごとに別々の人物にインタビューする形式なんだけど、登場人物も割と多いし、最後のほうまで聞き手が誰だかわからないままだから、より一層混乱する。 文庫版を読んだけど、巻末にデザイナーさん達のコメントがあって、ハードカバーの方は特に、装丁が凝っているらしい。文字を歪ませたり、透ける紙を使って妖しい感じを出したり。見てみたい!

Posted byブクログ