ユージニア の商品レビュー
数年前から気になっている作品にいよいよ手を出した。 ある一家で起きた大量毒殺事件をもとに構成された物語。 語り手が頻繁に変わる中、読み進めれば進めるほど真相が分からなくなっていく、なんとも不思議な話であった。 とにかく不穏で、読んでいる間はずっと不安な気持ちにさせられていた。 真...
数年前から気になっている作品にいよいよ手を出した。 ある一家で起きた大量毒殺事件をもとに構成された物語。 語り手が頻繁に変わる中、読み進めれば進めるほど真相が分からなくなっていく、なんとも不思議な話であった。 とにかく不穏で、読んでいる間はずっと不安な気持ちにさせられていた。 真犯人は誰なのか。 ユージニアとは。 不気味さが魅力な恩田ワールドを体感できる一冊。
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感想だけメモ。 気軽に簡単に読み進められる本では無かった。計画的だと思うが、不安定で不穏な独特な雰囲気を持つ文章。 でも何故か引き寄せられる。もう一度読んでみたら違う景色がみえそうでもある。
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天網恢々疎にして失わず 悪事は一時的には隠しても公になり天罰がくだる。 この物語はじわりじわりと核心に迫り来、焦りと緊張。最後はぼかしとは、とほほ。泣。。
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過去、旧家で起きた大量毒殺事件。数十年を経て解き明かされてゆく、事件に関わった人たちの想い。 事件の真実を探り当ててゆく物語かと思いきや、最後まで読んだ時に残ったのは、真実の奥にあったさらなる謎。 事件の真犯人だと思われる人物の、得体のしれなさが解されてゆく様は、恩田陸の作品が...
過去、旧家で起きた大量毒殺事件。数十年を経て解き明かされてゆく、事件に関わった人たちの想い。 事件の真実を探り当ててゆく物語かと思いきや、最後まで読んだ時に残ったのは、真実の奥にあったさらなる謎。 事件の真犯人だと思われる人物の、得体のしれなさが解されてゆく様は、恩田陸の作品が持つ求心力没入感が遺憾無く発揮されていて、入り込まされてゆく。一方で、真実に近づいてゆく実感と、それを知ってしまうであろう未来を予想した時の確たる恐怖に震えるのも、恩田陸ならでは。 真実を知り、そこにある恐怖を超えた先には、解放なり爽快なりがある。それを経験しているので、約束された場所へと進んでゆくのですが、進んでいたつもりだったのですが、最後の展開は事件のもつ暗さから逃してくれませんでした。 知ってしまったものは逃がさないよ、というには迫力圧倒は足りないような気がする。ただ、そこにある確実にある、という実感は存在感を強くしています。 何かを知る、ということには新しいものへの興味、興奮という心情があるから進めていけるのだけど、知ったからこその後悔もあるのだ、と再確認。それでも、怖いもの見たさという言葉のように、知りたいという欲からは逃れられない。 物語に登場する刑事さんの佇まいに、浦沢直樹作品の雰囲気を感じました。 きっと、浦沢作品では恩田陸の雰囲気を感じるのでしょうね。妙なシンクロ。
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テレビでは次から次へと新しい事件が報道されていて、ついこの間起きていた事件なんて簡単に世間には忘れられてしまう。でもその事件に関わった人は、私達が想像できないほどの苦しさや憤りをずっと感じているんだろうな、、、
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恩田陸は好きなのよ、好きなんだけどいつも最後がふわふわ、もやもや。。 読解力のせいなのか。 でも好きなのよ。
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今の梅雨の時期にぴったりな暗くじめじめした雰囲気が終始漂う小説。読後もあれは結局何だったんだろう、彼女はなぜこんな行動を取ったんだろう、などと細部が気になり不穏さだけが心に残る。スッキリ爽快にわかりやすいミステリーがお好みの方にはお勧めしない。不思議と怖いもの見たさで世界観に引...
今の梅雨の時期にぴったりな暗くじめじめした雰囲気が終始漂う小説。読後もあれは結局何だったんだろう、彼女はなぜこんな行動を取ったんだろう、などと細部が気になり不穏さだけが心に残る。スッキリ爽快にわかりやすいミステリーがお好みの方にはお勧めしない。不思議と怖いもの見たさで世界観に引き寄せられていく感覚は病みつきになりそう。今回再読だが、次回はさらに熟考しながら再読したい。
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視点が頻繁に切り替わり、全てスッキリとは終わらない、恩田陸節って感じ。基本的にモヤモヤする終わり方ってあまり好きじゃないんだけど、この作者の話はなんか好き。でも人に薦めるタイプの本ではないな。
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物語がさまざまな人の視点を経てゆっくり進んでいく。 そして少しずつ明らかになる真実にゾクゾク、ゾワゾワしながら読み進めました。 読んでいると不安なようなドキドキする感じがして眉間に皺を寄せてしまう部分もあったが、でも最後まで読んで良かったなと思いました。
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初・恩田陸。 一つの文章の中でも一人称と二人称とが定まっていない箇所が散見され、読み辛かった。 キャラクターにリアリティがないのも苦手。 敢えて人物を神話的に描くというのは、作者の狙いだったかもしれないが。 そういう部分含め、イメージと現実との境目が曖昧になっていく雰囲気は面白か...
初・恩田陸。 一つの文章の中でも一人称と二人称とが定まっていない箇所が散見され、読み辛かった。 キャラクターにリアリティがないのも苦手。 敢えて人物を神話的に描くというのは、作者の狙いだったかもしれないが。 そういう部分含め、イメージと現実との境目が曖昧になっていく雰囲気は面白かった。
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