マーティン・ドレスラーの夢 の商品レビュー
記憶や夢や妄想をするのは、そこにいる時が最も楽しい。 一度この世界に足を踏み入れたものは帰ってこれない。帰り方は誰も知らないのである。
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原書名:MARTIN DRESSLER:The Tale of an American Dreamer(Millhauser,Steven) ピュリツァー賞受賞の長編です。 主人公ドレスラーは葉巻屋の息子でしたが、持ち前の才覚でホテルのベルボーイから次々と出世を重ねます。やが...
原書名:MARTIN DRESSLER:The Tale of an American Dreamer(Millhauser,Steven) ピュリツァー賞受賞の長編です。 主人公ドレスラーは葉巻屋の息子でしたが、持ち前の才覚でホテルのベルボーイから次々と出世を重ねます。やがてカフェの経営に乗り出し、大成功を納めます。 次にホテル経営に乗り出し、これも大成功を納めていきます。 しかしやがて来る、結婚生活の破綻。そして事業の失敗。 ホテルでありながらその枠を完全に逸脱したものへ、彼はどんどん突き進んでいきます。また、彼は地下社会への強い執着を持っており、地下12階という途方もないビルを作ります。そしてその地下に公園や池や渓谷も作ってしまいます。 この地下へのこだわりが、作品全体に大きな流れを作っています。 最後は全てを失い、それでも夢から覚めたように新しい世界に向かって行く姿で、物語は締めくくられます。 ドレスラーの夢とは何だったのか?それは読み手によって感じ方が違うかもしれません。 原書名:MARTIN DRESSLER:The Tale of an American Dreamer ピューリッツァー賞 著者:スティーヴン ミルハウザー(Millhauser, Steven, 1943-、アメリカ・ニューヨーク、小説家) 訳者:柴田元幸(1954-、大田区、アメリカ文学者)
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柴田元幸訳。ミルハウザーの作品は3作品目になりますが長編は初めてで、ピュリツアー賞を受賞作品と言えども少し評価が微妙というのが率直な感想。 20世紀初頭のニューヨークにて驚異的なホテルを次々と建て、アメリカンドリームを成し遂げたマーティンのお話なのだが、伝記風に淡々と語っているの...
柴田元幸訳。ミルハウザーの作品は3作品目になりますが長編は初めてで、ピュリツアー賞を受賞作品と言えども少し評価が微妙というのが率直な感想。 20世紀初頭のニューヨークにて驚異的なホテルを次々と建て、アメリカンドリームを成し遂げたマーティンのお話なのだが、伝記風に淡々と語っているので心情が薄くて感情移入しにくかった感じですね。もちろんミルハウザー特有の精緻で緻密な面(とりわけホテルに関する具体的な描写)も織り込まれているのですが。 登場する女性たち(とりわけ3人の親子)に影響と言うか翻弄されている主人公の苦悩と、仕事面におけるサクセス・ストーリーとがあんまり上手くマッチングしてるように感じられなかった。もちろん作者はそこにカタルシスを感じさせようとしたのであろうが・・・ 夢を叶えた物語なのであろうが、日本人的な感覚で読むとマーティンの成功よりも人生の儚さを感じたところの方が大きい。失敗を恐れてはならないというよりも、有頂天になってはいけないということを教えてくれた物語であったような気がする。
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元のタイトルに『The Tale of an American Dreamer』とあるので、一人の青年の栄光と挫折の物語…何だろうけれど、結末を読むに邦題にある通りの夢の話なのかもしれず。 夢の話とすれば、この物語に感じる『捉えにくさ』もある程度は納得できるのか。 どうに...
元のタイトルに『The Tale of an American Dreamer』とあるので、一人の青年の栄光と挫折の物語…何だろうけれど、結末を読むに邦題にある通りの夢の話なのかもしれず。 夢の話とすれば、この物語に感じる『捉えにくさ』もある程度は納得できるのか。 どうにもこうにも評価しにくい小説です。
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昔、マーティン・ドレスラーという男がいた。って文から始まるこの小説。 葉巻屋の息子として生まれた彼が、そのお店の常連客に誘われ老舗ホテルのベルボーイになり、ある日、天からの啓示にも似た情景、夢の中にいるような感覚を頼りに、それを追い求めて、どんどん成り上がっていくって話です。多...
昔、マーティン・ドレスラーという男がいた。って文から始まるこの小説。 葉巻屋の息子として生まれた彼が、そのお店の常連客に誘われ老舗ホテルのベルボーイになり、ある日、天からの啓示にも似た情景、夢の中にいるような感覚を頼りに、それを追い求めて、どんどん成り上がっていくって話です。多分。 いろいろとボンヤリとした表現が多くて、(特に性描写など)、なんかモヤモヤするんだけど、きっとそれが文学ってもんだよね、多分。 主人公のマーティンも、ヒロイン的存在のキャロリンもキャラが掴みどころなくて、やっぱりモヤモヤする。 ただまぁ、マーティンがどんどん己が信じる道を突き進んでいく様は、感心するっていうか、起業家の人の頭の中ってこんな感じなんだろうなぁって漠然と思いました。 だからきっとその結果、どうなったとかは、さして重要な問題じゃないよね、多分。
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[ 内容 ] 20世紀初頭のニューヨーク。 想像力を武器に成功の階段を昇る若者の究極の夢は、それ自体がひとつの街であるような大規模ホテルの建設だった。 ピュリツァー賞受賞の長編小説。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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舞台は、1800年代のアメリカ、葉巻商店の息子マーティン・ドレスラーが徐々に成功し、ホテル経営者になるというアメリカのサクセスストーリー。サクセスストーリーだからこそ読み進めるのが容易で、読んでいて気持ちがいい。やがて次から次へと、新しいホテルを建てるのですが、そのホテルが自分...
舞台は、1800年代のアメリカ、葉巻商店の息子マーティン・ドレスラーが徐々に成功し、ホテル経営者になるというアメリカのサクセスストーリー。サクセスストーリーだからこそ読み進めるのが容易で、読んでいて気持ちがいい。やがて次から次へと、新しいホテルを建てるのですが、そのホテルが自分の夢を体現するごとく、すごく悪趣味で閉鎖的な一つの都市的な構造で、その建物の描写が夢のイメージを文字にしてる感覚に似ていて、その感じがいい。
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