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リアルのゆくえ の商品レビュー

3.2

32件のお客様レビュー

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2023/01/10

専門用語や人名に対して説明不足すぎる。読む上で事前必須情報と著者側で考えていると言われればそれまでだが、対話形式なのだからそんなことを話すときに考えるわけもなく、編集側の怠慢だと思う。

Posted byブクログ

2019/09/10

2019.9.9 今更ながら読むが、現在でも有用な話なんじゃないかしら。僕自身が会社勤めをしつつも社会から隔絶して生きているので(消費者としては繋がっているが)、この10年の両氏の仕事ぶりなどはわからないが、十年前の現実も現状とさほど変わりない。むしろ体感としては問題は尖鋭化して...

2019.9.9 今更ながら読むが、現在でも有用な話なんじゃないかしら。僕自身が会社勤めをしつつも社会から隔絶して生きているので(消費者としては繋がっているが)、この10年の両氏の仕事ぶりなどはわからないが、十年前の現実も現状とさほど変わりない。むしろ体感としては問題は尖鋭化してるんじゃないのかなー。 2人の会話が噛み合わないのはお互い倫理について話ているからだろう。

Posted byブクログ

2017/01/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2008年刊行。本書は大塚氏の東氏に対する苛立ちに満ちているが、その理由は実に得心できる。東氏の言動は、全体的に(根拠たる一文を本書から挙げにくい。この点は、この感想の説得力を失わせるのは百も承知だが)、読者(広義の。情報の受信者とも換言可能かなぁ)に対する無責任さが横溢している感が強いから。批評をメシの種にしている(つまり、印税という形で読者から金をもらい生活している)以上、この態度は許容しにくい。とはいえ、彼の抑制された言動は、ただのアジテーターに過ぎない他の人物よりは、はるかにマシかもしれないが…。 もっとも、NSAによる情報収集、ウィキリークスが暴露した問題を東はどう捉えるのか。権力者が容易に利用でき、かつそうとは大衆が知らないままでいられるシステムに対して、権力者側をいかに縛るのか。この問題を等閑視したような物言いは、ネオコン的自由主義経済学者と同様の心性を感じざるを得ない。また、言論空間がネットの反応のみとあるが、ネットの意義拡大とネット以外の空間の矮小化はともかく、言論空間のこの規定はあまりに無知ないし単純だと思う。年齢的には東の方に圧倒的に近いが、余りに遠い。

Posted byブクログ

2023/01/26

大塚英志と東浩紀が、四回にわたっておこなった対談の記録です。第一回は2001年、第二回は2002年で、東が『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)の頃の東が、『物語消費論』の大塚英志と、サブカルチャー批評について議論を交わしています。 第三回は2007年で、今度は東が『ゲー...

大塚英志と東浩紀が、四回にわたっておこなった対談の記録です。第一回は2001年、第二回は2002年で、東が『動物化するポストモダン』(講談社現代新書)の頃の東が、『物語消費論』の大塚英志と、サブカルチャー批評について議論を交わしています。 第三回は2007年で、今度は東が『ゲーム的リアリズムの誕生』(講談社現代新書)を刊行した後の対談です。そして2008年におこなわれた第四回は、秋葉原連続殺傷事件の直後の対談になっています。 対談を通して、大塚は愚直なほどにおなじ問いかけを東に向けています。彼が問うているのは、「公」のことばをもう一度立ちあげなければならないという義務感であり、そうしたことばを語る批評家や作家の登場への期待であり、さらに批評家はそのようなことばを読者へ向けて語りかけなければならないという倫理だといえるように思います。こうした大塚の問いかけに対して、東は一貫して、批評家のことばがもつ力に対する諦念を表明しています。 大塚の主張するような公共性の再建が可能だとは思えないのですが、それ以上に気になるのは、時代状況の変化によって、東のおなじことばが異なるニュアンスで受けとられてしまうのではないかということです。たとえば2001年、2002年の対談での東の立場は、言論の無限の可能性を素朴に信じるのではなく、新しいオタクの消費行動を前提にしなければならないというところへ収斂するのではないかという気がします。しかし2007年、2008年の対談では、東のおなじようなスタンスを語ることばが、アーキテクチャ原理主義のように響いてしまうのも事実ではないかと思います。 両者の対話が噛みあっているということは、まったくといっていいほどないのですが、大塚のいい意味での「いやらしさ」が出ているという点でも、おもしろく読みました。すくなくとも、おなじく話が噛みあっていない、東と笠井潔の往復書簡よりずっと刺激的だったように思います。

Posted byブクログ

2014/03/05

おたく論をここ最近立て続けに読んできて、その流れで。とおもったらあんまりおたくの話してなかった。現代における社会、公共性、システムなんかに関する世代的対立の記録。あずまんはなぜこんなにも年長者を怒らせてしまうのか。あとけっこう書き手の倫理や信念について悩んでて、物書きって青すぎで...

おたく論をここ最近立て続けに読んできて、その流れで。とおもったらあんまりおたくの話してなかった。現代における社会、公共性、システムなんかに関する世代的対立の記録。あずまんはなぜこんなにも年長者を怒らせてしまうのか。あとけっこう書き手の倫理や信念について悩んでて、物書きって青すぎでしょとかこれパフォーマンスかなあとか。でも目の前の快楽に埋没する大衆に非常に真摯に向き合っていたら、動物化という視点で人間を捉えざるを得ないし、政治的にも一種の諦観を感じるし、あずまんの認識は説得力がある。ただあまりに耳に心地良いので危機感を覚えてしまう大塚さんの気持ちもわかります。わたしは政治哲学というけっこう硬派な学問をやっているんですが、わたしがそれを学ぶ人たちと会話しながら感じる齟齬と、あずまんと大塚さんのすれ違いはちょっと似ている。わたしはどういう立場に立つのかなあ、ぬるぬるハッピーでいたいよ。高度に洗練された倫理的議論や環境に身を置くことの苦しさ。消費社会における倫理の不可能性。切実だ、ほんとうに。

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2013/08/25

「物語消費論」の大塚英志と「データベース消費論」の東浩紀の対談本。 あくまでそういう軸というか立場でしかとらえてなかったので、思ってた以上に議論が深いところというか政治とか概念にまで広がってて、正直自分にとっては難解でした。 世代が近い(あくまで相対的に)ということもあってか...

「物語消費論」の大塚英志と「データベース消費論」の東浩紀の対談本。 あくまでそういう軸というか立場でしかとらえてなかったので、思ってた以上に議論が深いところというか政治とか概念にまで広がってて、正直自分にとっては難解でした。 世代が近い(あくまで相対的に)ということもあってか、 個人的には大塚さんよりは東さんの言説(というか話であったり口調)の方が分かりやすい。 なぜあんなに大塚さんは苛立ってたんですかね・・・ あとがきや注を削除する要請をしたというのも気になるところ。

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2012/11/02

読むのに疲れた。 東さんの理論にある違和感へ、大塚さんが鋭くつっこんでいく対談集で、どちらかのファンレベルでないと投げてしまうのではと思います。 ただ、大塚さんの視野の広さと鋭さは確かだから、2007年のケンカと呼ばれている部分は、厳密には大塚さんの訴えに見えました。 若い人な...

読むのに疲れた。 東さんの理論にある違和感へ、大塚さんが鋭くつっこんでいく対談集で、どちらかのファンレベルでないと投げてしまうのではと思います。 ただ、大塚さんの視野の広さと鋭さは確かだから、2007年のケンカと呼ばれている部分は、厳密には大塚さんの訴えに見えました。 若い人なら、これより読むべき本があると思うので、一度、別の著本を検討してみることをおすすめします。

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2012/09/18

平坂書房で購入する。駅ビルの喫茶店で読む。初めて、駅ビルの喫茶店で、停電を経験する。駅ビルでも、停電するんですね。期待以上の出来ではありませんが、期待以下ではありません。有能な後輩に絡む困った先輩という印象です。最初の対談は、議論がかみ合っていました。以後の対談は、議論になってい...

平坂書房で購入する。駅ビルの喫茶店で読む。初めて、駅ビルの喫茶店で、停電を経験する。駅ビルでも、停電するんですね。期待以上の出来ではありませんが、期待以下ではありません。有能な後輩に絡む困った先輩という印象です。最初の対談は、議論がかみ合っていました。以後の対談は、議論になっていない気がします。東さんが、必死に議論にしようと努力していますが、無駄な努力です。気になったのは、社会科学に対する捕らえ方です。少し楽観的過ぎます。例えば、貧困の問題です。貧困の問題は、二つの側面に分かれます。第1の側面は、経済的側面です。第2の側面は、心理的側面です。両者は、第1の側面は簡単に解決可能であり、第2の側面は解決困難だと指摘しています。第1の側面の解決法として、ベーシックインカム等を提示しています。それに対して、第2の側面の解決は、容易ではないと指摘している。第1の側面の解決は、簡単なのでしょうか。ベーシックインカムは、容易ではないのです。例えば、会社を辞めて、大学院で勉強するエリートサラリーマン、病気の子供を抱えて働けないシングルマザーにも、同じ金額のベーシックインカムを提供するのでしょうか。僕は、そうすべきだと思います。多分、この意見は、少数意見だと思います。多分、多くの意見は、シングルマザーに、多くの額を払うべきだと思うでしょう。現実には、色々な事情を斟酌して、額を決めることになるでしょう。その場合、額を判断するために、個人情報を提供する必要があるでしょう。また、その個人情報を検証するために、莫大な費用が必要となります。多分、実行不可能でしょう。最後に、大塚節の好きな人にはお勧めです。また、困惑する東さんの姿を想像したい人にもお勧めです。逆に、日本のサブカルチャーの現状を理解したい人には、お勧めできません。その手のものを求める人には、それぞれの著者の著作の方がいいです。

Posted byブクログ

2012/04/29

二つの観点を前提にしなければならない。一つはインターネットに象徴される情報コミュニケーションの革命的変異が一気に進んでいると言うこと。2つめは情報交通政治思想のグローバル化により価値観が急速に陳腐化しつつあると言うこと。  2つの前提が成立する以前ならば、ある哲学者・知識人の言...

二つの観点を前提にしなければならない。一つはインターネットに象徴される情報コミュニケーションの革命的変異が一気に進んでいると言うこと。2つめは情報交通政治思想のグローバル化により価値観が急速に陳腐化しつつあると言うこと。  2つの前提が成立する以前ならば、ある哲学者・知識人の言説や芸術家の独創性は長い間独創性として維持されてきた。しかし、2つの前提が成立すると、独創性は即時的広範囲に模倣され、アレンジされて記号化されることになった。そして一般的には今日生産される差異はひとつひとつが記号化されデータベースに積み上げられてく。  この状況下で批評家の為す役割というのは変異するか、しぼんでいくかのどちらかに陥る傾向が強くなった。なぜなら、批評家は例えば理想と現実の差異を分析し、その性質を論じ、方向性について読者や社会に啓蒙する働きを期待されるからである。さらに、これまでは応える余地があった。しかし、それは差異がいつまでも差異として存在し、かつ正体不明の扱いにくいものとして維持し続ける環境あってこその批評であった。  2つの前提が成立すると、批評家のその役割は縮小し、0に向かって限りなく収束することになる。ここにおいて著者の2人のスタンスは異なる。それでも社会に啓蒙する役割の可能性を信じる大塚と可能性を信じない東とである。  2つの前提がこれから一層その傾向を強めたときに、批評家の飯の種である差異は一般的な存在から個人的なレベルのに落ちる。つまり差異は個人的なものにしか存在し得ないと言うことである。はたしてそのときに極めて個人的な差異を論評する価値や意味があるのだろうかという疑い。また仮に一般的・社会的に評価・共感しうる差異を発見し得たとしても、すぐにその差異は記号化され、批評家の叫びとは無関係に修正・アレンジされていく。いわば、記号のデータベースというカタログに載らない差異が差異といしての価値を持つが、価値を持った瞬間それはカタログに載せられ、その価値の所以であった「カタログに載ってない」価値は消失するのである。  そしてこの差異の消費活動は促進され、スピードを増し、批評家の出番はなくなる。批評家に残された仕事の可能性と言えば、新たなる価値(差異)の予言であるが、そこまでいくと批評家と創作者の区別はなくなるのである。  ネットによる差異のデータベースとアレンジゲームはまだ始まったばかりでかつその進歩と共に構造までも変えていく。それはカオス的に見れば、構造変異が表出するまで継続するのであろうが、それがいつになるかは誰も予見し得ない。

Posted byブクログ

2021/06/24

対談集なので構造的な話題ではないが、示唆に富んでいた。 対話だからこその、わかりやすさもあった。 情報があふれて、動物化するというイメージがわかりやすい。 また、創作が、他者の知識に依存するというはなし(昔からそうだろうけど)も、面白かった。 物語が無価値化していく、しかし私はそ...

対談集なので構造的な話題ではないが、示唆に富んでいた。 対話だからこその、わかりやすさもあった。 情報があふれて、動物化するというイメージがわかりやすい。 また、創作が、他者の知識に依存するというはなし(昔からそうだろうけど)も、面白かった。 物語が無価値化していく、しかし私はそこに抗いたい。 ただ、世代間のラベル付けのような形式になっているところは、あまりに乱暴な気がして感情移入できなかった

Posted byブクログ