魔女の社会史 の商品レビュー
「ただこういう反魔術のたたかいは、しばしば、ゆきすぎやゆがみを生んだ。魔女迫害もそのひとつのあらわれである。そのゆきすぎがあらためられ、熱狂がとおりすぎたのち、科学はようやく発展の軌道に乗ったのであって、だから魔術と科学との間にはピュウリタニズムがあったというのが、わたくしの結論...
「ただこういう反魔術のたたかいは、しばしば、ゆきすぎやゆがみを生んだ。魔女迫害もそのひとつのあらわれである。そのゆきすぎがあらためられ、熱狂がとおりすぎたのち、科学はようやく発展の軌道に乗ったのであって、だから魔術と科学との間にはピュウリタニズムがあったというのが、わたくしの結論である」 魔術みたいなのがまた流行るようになったのは、もはや近代にあったような「(擬似)科学としてのロマン」というよりも、ポスト近代としての「非科学の中にあるロマン」という側面のほうが強いのだろうなと思う。 それはつまり、それだけポスト近代における「科学」というものが、近代のときのそれよりも盤石になっているということの証でもあり、それはなかなかどうして皮肉的でもある。現代における魔術的なものの隆盛は、あくまで科学という確固たるリアリティが作った箱庭の中の、子どもたちの遊戯のようなものなのかもしれない。当然、良い意味で。
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