二人の女王 の商品レビュー
秘境冒険小説の古典として知る人ぞ知るH.R.ハガードの「ソロモン王の洞窟」その続編が本作である。 この小説が出版されたのは今から100年以上前の十九世紀後期であり、世界各地に植民地を持ち”日の沈まない帝国”として繁栄を謳歌していたビクトリア朝のイギリスで出版されたものである。 前...
秘境冒険小説の古典として知る人ぞ知るH.R.ハガードの「ソロモン王の洞窟」その続編が本作である。 この小説が出版されたのは今から100年以上前の十九世紀後期であり、世界各地に植民地を持ち”日の沈まない帝国”として繁栄を謳歌していたビクトリア朝のイギリスで出版されたものである。 前作、ソロモン王の洞窟も面白かったが、本書も期待を裏切らないものであった。 話の内容は、一人息子を失い悲嘆にくれていた主人公アラン・クォーターメンをかつての親友らがアフリカの奥地にあるといわれている幻の白人王国を探す冒険に誘うというもの。 著者は、19歳の時に仕事でアフリカに滞在した経験あり、そのこで現地の人々の言語や風俗を研究したとの事であるが、それが作品のリアリティーを与えることに成功している。 探索行の描写は、まるで実際の紀行文を読んでいるかの様である。 また、風景などの描写も幻想的なものから恐ろしい情景まで臨場感があり素晴らしい。 活劇的なシーンも十分であり、手に汗握る戦闘など読者を飽きさせる事がない。 まさに冒険小説の金字塔と呼んでもよい本である。
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