チボー家の人々(1) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
写実主義・19世紀的な小説? 作者はトルストイ『戦争と平和』の影響を受けたとか? 完全に勘違いしていた。 若い頃、多くの人が読んでいる作品と聞いて、『赤毛のアン』みたいな若者向けほのぼの小説をイメージしていたのだった。 若者の心の葛藤を描いている点、ヤングアダルト小説相当ではあると思ったが、さすがにおフランスのものだけある。のっけから同性愛疑惑がでてくる。少年たちの話かと思っていると、やがて母親が女を作りまくって放蕩三昧の父親を追う話になっていく。大人の話だ! この感想を書くにあたって13巻あることを知り、気が遠くなった。しかし、久しぶりに楽しく小説を読んだ。魅力的な作品だと思う。 人物の描き方はステレオタイプの範疇にあるようだけど、描写が潔いためか。話の進み方は速いわけではないけど、ダレずに読める。気持ちの変遷が進んでいくからか。時代設定は考慮すべしだけど、古臭いとは思わない。上品な読み心地で気分良く読める。
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ジャックのみずみずしい10代の時期と、大人たちの心の機微が丁寧に語られる。知らず知らずのうちに、この世界にどっぷり浸かってしまう。このあとも楽しみです。
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寝る前の長編小説として読み始めた。 予想外のスピード感があり、プロットもおもしろい。続巻が楽しみである。
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面白かったー! 14歳の少年達による清らかな友情! 色々な方の訳が出てるからどれで読み始めるか迷ったけど、ジイドの小説訳で惚れ惚れした山内義雄氏の訳、すごく良かった。特に詩の訳がめちゃくちゃ綺麗だった。 大作だけど、これからゆっくり読み進めていくのが楽しみ♪ 強烈な個性派ジャック...
面白かったー! 14歳の少年達による清らかな友情! 色々な方の訳が出てるからどれで読み始めるか迷ったけど、ジイドの小説訳で惚れ惚れした山内義雄氏の訳、すごく良かった。特に詩の訳がめちゃくちゃ綺麗だった。 大作だけど、これからゆっくり読み進めていくのが楽しみ♪ 強烈な個性派ジャックも気になるけど、親友のダニエルも気になるな〜
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上質な物語の固まり。言葉が一つ一つ凝ってていい。こういう物語系でハマったのは久しぶり。全部読みたい。
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思えばフランス文学への傾倒はこの作品から始まった。高校のある時期にはこの本を読む時間を中心に生活のすべてが回っていた。ジャックはもはや登場人物ではなく、友達だった。高野文子『黄色い本』の彼女のように。 むかしは自分をジャックに重ねたものだけれど、今はむしろメネストレルだと感じる...
思えばフランス文学への傾倒はこの作品から始まった。高校のある時期にはこの本を読む時間を中心に生活のすべてが回っていた。ジャックはもはや登場人物ではなく、友達だった。高野文子『黄色い本』の彼女のように。 むかしは自分をジャックに重ねたものだけれど、今はむしろメネストレルだと感じる。ジャックの主観を通した姿と、現実の戦争を前にした存在の瑣末さ、そのアイロニカルな立ち位置に共感してしまう。若くないな、と思う。 作中に出てくる秘密めいた本にも惹かれた。ジイドの『地上の糧』。ジイドを読むようになったのも『チボー家』がきっかけだった。マラルメを読んだのも、『チボー家』を読んで他のフランス文学を読んでみたいと思ったから。これを読んでいなかったら今頃何していただろう。 とにかく受けた影響は計り知れない。高校の時に読んでおいてよかった。なんたってあの長さ。今読もうと思ったら、ちょっと体力がいる。
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「チボー家の人々」という題と長さに、一族の歴史を綴った大河小説だと思っていたが、これは実際には兄弟2人の物語。それも弟ジャック中心に進行して、子ども向きにハイライトされた「チボー家のジャック」のほうが題としてふさわしいのではないかと思いながら読んでいたが……。 ジャックの人生は波...
「チボー家の人々」という題と長さに、一族の歴史を綴った大河小説だと思っていたが、これは実際には兄弟2人の物語。それも弟ジャック中心に進行して、子ども向きにハイライトされた「チボー家のジャック」のほうが題としてふさわしいのではないかと思いながら読んでいたが……。 ジャックの人生は波瀾万丈だが、血湧き肉躍る体の小説ではないので、途中退屈な部分も多く、結局読むのに1年かかってしまった。 でも。プルーストよりはよほどおもしろい。
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図書館で借りてきて読んでいたけれど、途中で読むのをやめてしまった・・・。 実家には全巻そろっているので、また読みたい!
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題名通り「チボー家」の人々を全13巻構成で描いた壮大な物語である。 第一巻では、青春真っ盛りの14歳の少年「ジャック」が学校や親からの思想的な抑圧に反発し、そのやり場のない怒りを震わせながら親友と家出をする話が大半を占めている。 この「青臭さ」「若気の至り」ゆえの無鉄砲ぶりに若...
題名通り「チボー家」の人々を全13巻構成で描いた壮大な物語である。 第一巻では、青春真っ盛りの14歳の少年「ジャック」が学校や親からの思想的な抑圧に反発し、そのやり場のない怒りを震わせながら親友と家出をする話が大半を占めている。 この「青臭さ」「若気の至り」ゆえの無鉄砲ぶりに若干いらいらしながらも、この時期特有の「生命力」が読者の記憶を揺さぶる。 ちょっと表現がくどいし、第一巻だけ見る分には「大作?」と疑問を呈してしまうが、まだ結論を下すには早すぎる。後12巻もあるのだから・・。気長に読み進めてみようと思う。
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