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赤毛のレドメイン家 の商品レビュー

3.1

17件のお客様レビュー

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2024/07/22

江戸川乱歩絶賛の推理小説、ということで、乱歩の推薦を受けて、中学生時代に読んで感動した。 推理小説に関する本に本書に関する言及があり、とても懐かしくなり、再読した。 本書は、イーデン•フィルポッツが、1922年、第一次大戦直後に発表した作品。 原題は、「The Red Redm...

江戸川乱歩絶賛の推理小説、ということで、乱歩の推薦を受けて、中学生時代に読んで感動した。 推理小説に関する本に本書に関する言及があり、とても懐かしくなり、再読した。 本書は、イーデン•フィルポッツが、1922年、第一次大戦直後に発表した作品。 原題は、「The Red Redmaynes」。 最初のRedを邦題では「赤毛の」と訳している。 それは間違いないのだが、Redの繰り返しは、意味深だ。 「The red、red 」maynes とは、redの強調であり、redは流される血の色でもある。 ということは、ここに「連続殺人」が暗示されているのかもしれない。   舞台となるのは、イングランドのダートムーアとイタリアのコモ湖畔。 冒頭のダートムーアの描写は、「嵐が丘」を彷彿とさせる冒頭。 だが、コモ湖畔が舞台というのは忘れていた。 作中にハーマン•メルヴィル「白鯨」が登場していて、興味をそそられた。 レドメイン家を標的にする連続殺人事件。 「夫が叔父に殺されたらしいが、遺体は見つからない。叔父も行方不明。どうか助けて欲しい。」という手紙を刑事は受け取る。 女性は美女 刑事は恋に落ちる。 この展開は横溝正史「八つ墓村」を思い起こさせる。 江戸川乱歩が「赤毛のレドメイン家」をベスト推理小説と呼んでいることから、横溝は本書を読んでいたことは間違いない。 そして、ダートムーアを岡山に移して、日本の連続殺人事件を作り出したのだろう。 調査中に、叔父の兄妹も次々に殺されていく。 レッドメインの血族が、赤い血の色に染まるのだ。 そして、驚きの犯人。 中学生時代に読んだ当時は、意外な犯人に驚いたが、今ではどうということのない犯人だ。 だから、残念ながら、現代においては、ベスト推理小説に挙げられることはない。

Posted byブクログ

2023/01/20

描写ががっつりあって、物語の進捗が遅め。なので、ちょっと焦れつつ…でも最後まで読めてしまう。 筆致がしっかりしているからなのか? 

Posted byブクログ

2021/02/24

図書館で。 正直、若くて美人に弱すぎじゃないか、警部。後書きにもあったけれども、擦れてしまった今どきの人間だと、どう考えてもコイツは怪しいだろうって所を全然疑わないマークさんが歯がゆくてならない。美人の言う全てを頭から信じ込んでる事にびっくりだし、そんな彼に大事な友人任せるなよ、...

図書館で。 正直、若くて美人に弱すぎじゃないか、警部。後書きにもあったけれども、擦れてしまった今どきの人間だと、どう考えてもコイツは怪しいだろうって所を全然疑わないマークさんが歯がゆくてならない。美人の言う全てを頭から信じ込んでる事にびっくりだし、そんな彼に大事な友人任せるなよ、老探偵よ…としか思えないというか。せめて叔父さんを親友の元に連れ出しておけば良かったのに… という訳でマークは徹頭徹尾ピエロだし、犯罪者は増長してるしで読後感はあまりスカッとしないなぁなんて思いながら読み終えました。

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2019/06/15

レドメイン家の一族を襲う連続殺人を描いたミステリ。これは……多くを語るのは難しいなあ。死体のない殺人、ってのである程度読みこなしてるミステリファンなら真相の一端に気づけるところがあるのですが。しかしあくまでも「一端」でした。気づけていないところの方が多かったような。まだまだ修行が...

レドメイン家の一族を襲う連続殺人を描いたミステリ。これは……多くを語るのは難しいなあ。死体のない殺人、ってのである程度読みこなしてるミステリファンなら真相の一端に気づけるところがあるのですが。しかしあくまでも「一端」でした。気づけていないところの方が多かったような。まだまだ修行が足りません。 最初は探偵役がブレンドンと思って読んでいたのだけれど、まさかこんな扱いをされちゃうだなんて……可哀想すぎる!!! というのが一番の感想かも。いやいや、優秀な人なんだよね。なのにこの扱いはあまりひどいってば。

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2018/03/11

再読。内容的に隔たりはあるが、犯人指摘の瞬間を読んでいると綾辻行人『十角館の殺人』のあの名台詞「○○○・○○○です」を思い出す。世界がグラリと揺れるその一点に、それまでの文章凡てが集約されるあの感覚。まあ全体的に古臭いのは否めませんが。結局のところ「女は怖い」……この小説を一言で...

再読。内容的に隔たりはあるが、犯人指摘の瞬間を読んでいると綾辻行人『十角館の殺人』のあの名台詞「○○○・○○○です」を思い出す。世界がグラリと揺れるその一点に、それまでの文章凡てが集約されるあの感覚。まあ全体的に古臭いのは否めませんが。結局のところ「女は怖い」……この小説を一言で表すならこれに尽きる感じ。 あと、ここでも顔を出すかニーチェよ……まるで犯罪者の必須事項であるかのよう。1922年、まだナチス台頭前なのよ。

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2016/11/30

スコットランドヤードの敏腕刑事が休暇中の旅先で恋に落ちる。その女性は人妻であったが、彼女の夫は彼女の叔父に殺され、その叔父ロバートは行方しれず。かくして指名手配になったロバートが各地で現れるという報告が入るが、どうしても捕まえることは出来ない。そのうち、新たにピーター・ガンズなる...

スコットランドヤードの敏腕刑事が休暇中の旅先で恋に落ちる。その女性は人妻であったが、彼女の夫は彼女の叔父に殺され、その叔父ロバートは行方しれず。かくして指名手配になったロバートが各地で現れるという報告が入るが、どうしても捕まえることは出来ない。そのうち、新たにピーター・ガンズなる探偵が登場して・・・というのが本書のあらすじである。 本作は乱歩が当時海外推理小説十傑に値する、と過大なる絶賛をされ、日本に紹介された作品。このフィルポッツというミステリプロパーではない作家の作品が世紀を越えて、今なお文庫で書店に行けば手に入る状況は多分にこの大乱歩の賞賛の影響が大きいに違いない。 そういう前知識があると、本書は多分肩透かしを食らうだろう。ただ、1922年という時代性を考えれば、本作はミスディレクションによる意外性と恋愛とミステリの融合を目指した画期的な作品であると云えよう。 当時イギリスで文豪として名を馳せていたフィルポッツが自身初のミステリを発表したのは60の手前と、時代的に云えば、晩年に差し掛かった頃になる。その動機についてはよく判らないが、やはりミステリ発祥の地イギリスならば、作家たる者、死ぬ前に一度はミステリを物してみたいという風潮があったのかもしれない。 で、文豪の名に恥じず、その描写力は実に絵画的。主人公の刑事が初めて事件の渦中の赤毛の女性と出逢う、夕日と彼女の赤毛が織り成すコントラストの描写など、目に浮かぶようだった。実際このシーンは本作でも象徴的なシーンとして捉えられ、私が持っている創元推理文庫版の表紙絵はそのシーンを切り取った物になっている。 イギリス中を逃げ回っては連続殺人を起こす怪男児ロバートの姿が伝聞によって伝えられるがその様子も頭の中で映像が浮かぶほどだった。特にこのロバートのまとう雰囲気は私がこの本を読んだ当時にまだ流行っていた『北斗の拳』に出てくるような不遜で怪力を誇る大男を連想させ、なんとも恐ろしい殺人鬼だと思ったものだ。訳が古く、かなり読みにくい感じがした。それでもなお、情景が目に浮かぶのだから、この作家の描写力はかなり高い。十分に本作を楽しむためにも、一刻も早い改訳を望む。 そして主人公の刑事は正に本作では道化役。ロバートが引き起こす惨事に常に後手後手に回り、全くと云っていいほどいいところがない。満を持して現れるピーター・ガンズなる探偵が正に全能の神の如く、この事件を解決するのである。 そしてこのガンズによって明かされる真相は実に意外。ミステリを読みなれた人ならば、予想の範疇であろうが、そうでない人にとってはなかなかに楽しめるものだろう。先に述べたが本作の主眼はミスディレクションの妙にある。これを成立させるために人妻に一目惚れする刑事を設定したと云っていいだろう。それまでの本格推理小説でかみ合うことのなかった論理性と叙情性を上手くブレンドし、それをトリックに繋げた作品だ。今で云うならば東野ミステリによく見られる仕掛けだと云えるし、その原型と云ってもいいのではないだろうか。 さて、件の乱歩、よほどこの作品を気に入ったのだろう、自作で本歌取りというか、まんま模倣をして1作作ってしまっている。これはもう人物と舞台設定を入れ替えただけといえるぐらいの出来で、しかも乱歩の代表作の1つとまでなってしまっている。ネタバレ防止のために敢えてその作品の名前を挙げないが、これはミステリ通にはかなり有名な話なので、恐らく大概の方がご存知だろう。それでもそれが茶目っ気だと許されるのも乱歩だからなのだろうけど。

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2016/11/03
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※このレビューにはネタバレを含みます

古典サスペンス。 なりすましを使ったサスペンス。 とにかく表現が長過ぎて読んでいて疲れる。 トリックもこの作者の他作にもあるので途中から分かってしまってイマイチ。

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2016/08/02

『緑衣の鬼』の残像が残っていたので、違いがよくわかって面白く読めた。三度の舞台を東京・伊豆・和歌山にセットするセンス、犯人像の微妙な作り変え等々、江戸川乱歩の換骨奪胎具合のすばらしさがよくわかる。 しかし、道化にされ具合がかわいそうなくらいで、ここが文化の差なのかも。なんにせよ、...

『緑衣の鬼』の残像が残っていたので、違いがよくわかって面白く読めた。三度の舞台を東京・伊豆・和歌山にセットするセンス、犯人像の微妙な作り変え等々、江戸川乱歩の換骨奪胎具合のすばらしさがよくわかる。 しかし、道化にされ具合がかわいそうなくらいで、ここが文化の差なのかも。なんにせよ、ルックスだけで人を判断してはいけない、ということですね。

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2016/06/03
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※このレビューにはネタバレを含みます

たいそうな美人が出てくると間違いなくキーパーソンだし、驚かしのネタを仕込んであるとの情報を得るとそれは「やぱり・・・」というものであるし死体なき殺人であるというとそれもまたははぁ~?!だし。 ということで、名高い名作を堪能しましたが、読みにくい訳でした。

Posted byブクログ

2016/01/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

やはり古典を推理小説として楽しむのは難しいのか。 始めからわかりきった真相にいつまでもたどりつかず騙されっぱなしのブレンドンには本当にイライラした。第一の事件の時点で、ジェニーの夫が生きている可能性を全く考えないなどということがあるだろうか。第二の事件でも、ジェニーとドリアが嘘をついているとなぜ見抜けないのか。第三の事件では新たな探偵が加わり少しは期待できるかと思われたが、狙われている人物からあっさり離れるなどあり得ないヘマをして犠牲者を増やしてしまった。 始めからジェニーは怪しく描かれているし(というか表紙を見ただけでピンと来るだろう)、読者は一体どこに騙されれば良いのか私にはさっぱりわからなかった。もしかしたらミスリードかもしれないと思い一生懸命読んだが、そんなことはなかった。残念。

Posted byブクログ