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いのちなりけり の商品レビュー

3.7

21件のお客様レビュー

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2013/11/17

歴史の出来事を繋ぎに繋げて(本筋ではないが越後騒動を鍋島藩に対する謀略の説得材料に使ったり)、将軍家(綱吉・柳沢吉保)・水戸藩(光圀・大奥)・鍋島藩・忍びの者・朝廷が絡んだ相当な範囲の広さを、破綻なく完全に収束させていて素晴らしい。 ある程度当時の歴史を知っていて、かつ多人数の相...

歴史の出来事を繋ぎに繋げて(本筋ではないが越後騒動を鍋島藩に対する謀略の説得材料に使ったり)、将軍家(綱吉・柳沢吉保)・水戸藩(光圀・大奥)・鍋島藩・忍びの者・朝廷が絡んだ相当な範囲の広さを、破綻なく完全に収束させていて素晴らしい。 ある程度当時の歴史を知っていて、かつ多人数の相関図が頭の中で描けないと読むのは難しいだろう。 キャラがぼやけるのは否めず、大感動というものでもないが、そこは各人和歌にこめられた心を慈しむということで。

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2013/08/16

藤沢周平路線の期待を裏切らない素晴らしいロマンに溢れる歴史物です。佐賀小城藩の無骨な武人・蔵人が実直なそして武芸者としても魅力的な人物として描かれています。上級武士の娘・咲弥との出会い、形だけの結婚と擦違いの日々、やっと理解できそうになった時の別離、再度の出会いとドラマティックな...

藤沢周平路線の期待を裏切らない素晴らしいロマンに溢れる歴史物です。佐賀小城藩の無骨な武人・蔵人が実直なそして武芸者としても魅力的な人物として描かれています。上級武士の娘・咲弥との出会い、形だけの結婚と擦違いの日々、やっと理解できそうになった時の別離、再度の出会いとドラマティックな一生が、咲弥との間で「自分の好きな歌を見つけて、回答する」という約束にこだわり。永年求道し続ける姿は感動的です。そして咲弥が次第に心を開いていく場面が美しいです。ついに蔵人が出会った歌は、初夜の日に咲弥に提示された歌「願はくは、花の下にて春死なん その如月の望月のころ」と同じ西行作でした。「春ごとに 花のさかりは ありなめど あひ見むことは いのちなりけり」。今や水戸藩光圀公にも一目置かれる水戸文化の名花と謳われる咲弥との16年の歳月を経て、返歌をテーマとした別離と出会いの場面は本当に風雅そのものです。この著者は「銀漢の賦」の漢詩に続き、今回は和歌と、古文学への素養の豊かさを発揮しており、そのことが文章の趣きを高めています。

Posted byブクログ

2013/04/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

きっと良い話なんだろうけど、歴史に疎い私には難しかった。 最後、和歌を愛する人に読むシーンは感動的!

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2013/03/02

初めは小さな藩の名もない夫婦のお話だと思っていたけど、どんどん話が大きくなって、幕閣の中枢や歴史上有名な人物が絡んできてびっくりした。 登場人物が多くてちょっと混乱したところも。 蔵人の潔さと一途さは素敵だけど、ちょっと強すぎでは…。

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2012/09/18

綱吉時代、九州の小城鍋島藩出身の男女の物語。 小城藩や本藩である佐賀鍋島藩の内紛や、水戸の光圀公や柳沢保明らの政治的駆け引きが絡む。 正直、あまり琴線に触れるものがなく…、水戸や朝廷の歴史的事実がわかって良かったな、という感じ。 どうも本には、徹底的にエンターテイメントかお勉強要...

綱吉時代、九州の小城鍋島藩出身の男女の物語。 小城藩や本藩である佐賀鍋島藩の内紛や、水戸の光圀公や柳沢保明らの政治的駆け引きが絡む。 正直、あまり琴線に触れるものがなく…、水戸や朝廷の歴史的事実がわかって良かったな、という感じ。 どうも本には、徹底的にエンターテイメントかお勉強要素を求めてしまうので。 すんません(笑)。

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2012/04/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

水戸黄門と鍋島小城藩がメインのお話。 しかし続編である花や散るらんを先に読んでしまったのは痛かった。 こうして二人はきちんとした夫婦になったんだな、と(本当に最後の最後ででしたが)思うことが出来ました。 というか、蔵人は凄い一途且つロマンチストすぎて途中笑いそうになりました。 桜の化身って……幼い女児に思うことなのだろうか、という。 そこから既に恋をしてしまって、身分差故に叶う筈のない思いが不意の幸運に拠り再婚ではあるものの夫婦になることが叶って。 初夜には和歌を送れ、それまで寝所を供にすることはないと冷たくされても四十を越えても恋をし続けるなんて、凄い純愛。 忍ぶ恋といっていいのか解らないけれど、ベタ惚れしすぎてきゅん、としてしまいました。 しかし咲弥が思ったよりも気の強い女性で、花や散るらんではちょっと落ち着きが出てたんだろうな、と感じました。

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2011/10/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「春ごとに花のさかりはありなめどあひ見むことはいのちなりけり」 雨宮蔵人、いい漢であった…(右京もね)。 まさか水戸黄門と鍋島小城藩がメインとは。 そして純愛。 続編があるそうなので、楽しみ。 「忍ぶ恋こそ至極の恋と存じ候(葉隠)」

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2010/03/20

「いのちなりけり」→「花や散るらん」の順に読むべきところ、逆に読んでしまった。。 蔵人と咲弥、その周りの人々との関係がわかり納得。 「いのちなりけり」の方が「花や散るらん」より骨太の小説に思えたので、こちらのほうがすきです。 蔵人は魅力的な人物だと思う。

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2009/10/04

蔵人様にとって、これこそご自身の心だと思われる和歌を教えていただきたいのです。 雨宮蔵人(くらんど)  咲弥(さくや) 小石川水戸屋敷奥女中取締 深町右京 のちの清厳(せいげん) 蔵人の従兄弟 天源寺刑部(ぎょうぶ) 小城(おぎ)藩の重臣 咲弥の父 巴十太夫(ともえじゅうだゆ...

蔵人様にとって、これこそご自身の心だと思われる和歌を教えていただきたいのです。 雨宮蔵人(くらんど)  咲弥(さくや) 小石川水戸屋敷奥女中取締 深町右京 のちの清厳(せいげん) 蔵人の従兄弟 天源寺刑部(ぎょうぶ) 小城(おぎ)藩の重臣 咲弥の父 巴十太夫(ともえじゅうだゆう) 柳生心影流兵法者 黒滝五郎兵衛 藤井絞太夫 水戸藩中老 山本権之丞 のちの神右衛門さらに常朝 鍋島元武(もとたけ) 小城藩世子 柳沢吉保 安積(あさか)角兵衛 水戸光圀 春ごとに花のさかりはありなめどあひ見むことはいのちなりけり

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2009/10/07

◎第140回(2008年度・下半期)直木賞候補作品。 2009年3月11日(水)読了。 2009−26。

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