天使のナイフ の商品レビュー
面白かった。あんなに自分の周りに少年犯罪者が大集合する事は無いと思うが、加害者、被害者、その家族、それぞれの立場で思うこと、過去の忘れてはならない事と忘れたい事。何をもって更生とするのか。考えさせられた。
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私が読んだ薬丸岳先生の本は、これが三冊目。 どれも少年犯罪をテーマとした本だった。 この本も然り。 Aではない君と、有罪と読んで、この天使のナイフ。 この本がミステリ好きの自分には一番合っていた(*^-^*) 生後五ヵ月の娘の目の前で妻は殺された。 だが、犯行に及んだ三人は...
私が読んだ薬丸岳先生の本は、これが三冊目。 どれも少年犯罪をテーマとした本だった。 この本も然り。 Aではない君と、有罪と読んで、この天使のナイフ。 この本がミステリ好きの自分には一番合っていた(*^-^*) 生後五ヵ月の娘の目の前で妻は殺された。 だが、犯行に及んだ三人は、十三歳の少年だったため、罪に問われることはなかった。 四年後、犯人の一人が殺され、桧山貴志は疑惑の人となる。 少年たちは更生し、どのような気持ちを抱いているのか? 反省しているのか?被害者に対して、どのような気持ちでいるのか? 桧山は単独調査を始めるが、調査先でまた事件が起きる。 真相は何なのか!?何が起こっているのか?? ミスリードっぽい人物が何人か登場し、こいつも怪しい、 こいつも怪しい、いや、コイツか!? 伏線を見逃すまいと読み進めるが、最後の回収具合がお見事!! 素晴らしい!!! 薬丸先生の小説は、何を読んでも、被害者の無念さが胸に突き刺さる・・・。 色々考えさせられる本だが、ストーリーもかなり面白く一気読み間違いなし(*^-^*)
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生後五ヵ月の娘の目の前で妻は殺された。だが、犯行に及んだ三人は、十三歳の少年だったため、罪に問われることはなかった。四年後、犯人の一人が殺され、檜山貴志は疑惑の人となる。「殺してやりたかった。でも俺は殺していない」。裁かれなかった真実と必死に向き合う男を描いた、第51回江戸川乱歩...
生後五ヵ月の娘の目の前で妻は殺された。だが、犯行に及んだ三人は、十三歳の少年だったため、罪に問われることはなかった。四年後、犯人の一人が殺され、檜山貴志は疑惑の人となる。「殺してやりたかった。でも俺は殺していない」。裁かれなかった真実と必死に向き合う男を描いた、第51回江戸川乱歩賞受賞作。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
未成年者の犯罪が織り重なる作品。現実、成人の交通事故ですら加害者の氏名は報道されず、被害者の氏名のみ報道される事があるという謎の仕組みに不満を持っていたので、特に未成年者が加害者となると被害者側は泣き寝入りになってしまうのは想像に容易い。(あと、仕事をしていない高齢者が亡くなった時に職業欄に無職って表示するのは止めて欲しい) 少年法の在り方について考えさせられる作品。また、複雑な因果関係で面白く読める作品だった。
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何も関係のない妻を、まだ生後5ヶ月の娘の前で中学生3人に殺害された桧山。 少年法の壁もあり、彼らは裁かれもせず、事件後も本当に更正しているのかを知ることも出来ない。 ぶつけようもない怒りに苦しむ日々。 そんな中、3人の内の1人が桧山の店の近くで殺された。 桧山は店で1人で残務処理...
何も関係のない妻を、まだ生後5ヶ月の娘の前で中学生3人に殺害された桧山。 少年法の壁もあり、彼らは裁かれもせず、事件後も本当に更正しているのかを知ることも出来ない。 ぶつけようもない怒りに苦しむ日々。 そんな中、3人の内の1人が桧山の店の近くで殺された。 桧山は店で1人で残務処理をしていたためアリバイはなかった。 どうして彼は殺されたのか?犯人は誰なのか?妻の事件との関連はあるのか?疑問ばかりが浮かぶ。 しかし、その容疑は桧山にかかってくる。 それでも、知りたい欲求に抗えず、他の2人を訪ねたりと危険な行動を繰り返してしまう。 とにかく衝撃的な事柄が多すぎて、久々に読む手が止まらなくなった。 少年法という難しい問題をこんな形で描かれるとは… 読みごたえ満点でした。 2020.11.3
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かなり面白かった。 途中で飽きることもなく、一気に読み進められる。 少年法を扱ったこの作品は 非常に考えさせられる内容だった。 未成年の犯す残虐な事件の描写は胸に来る。 題材が重いにも関わらず、薬丸岳さんの知識量と 文章力で違和感なく引き込まれる。 キャラクターは掴みが良く、...
かなり面白かった。 途中で飽きることもなく、一気に読み進められる。 少年法を扱ったこの作品は 非常に考えさせられる内容だった。 未成年の犯す残虐な事件の描写は胸に来る。 題材が重いにも関わらず、薬丸岳さんの知識量と 文章力で違和感なく引き込まれる。 キャラクターは掴みが良く、ストーリーも良い。 しかし、カフェ内で真相が語られるラストシーンが なんだかドラマっぽ過ぎるというか… あまりにもチープで、とにかく惜しい。 ミステリーとしてはあまりにも残念である。 それまで、テンポが良いながらも 程よい緊張感を持っていた分 ラストでなし崩しになってしまったような。 個人的な総合評価はあんまりだが 薬丸岳さんの「デビュー作」としては かなり評価が高いのは頷ける作品だった。 別作品にもチャレンジしたい。
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少年犯罪の被害者家族が、実は過去の事件の加害者家族だったというとても複雑でした。 みゆき先生が主犯じゃないかと疑って読んでしまったけど、違ってよかった! すらすら読めました!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
少年犯罪に着目した江戸川乱歩賞を受賞したミステリー小説。 最初読んだ時にかなり衝撃を受けた。事件が一転二転して最後にえっ!?という結末になっている。 少年犯罪という重いテーマを扱っていて、今の日本の法律では裁くことができない少年犯罪の闇の部分が描かれていた。 14歳未満の少年は殺人という重い罪を犯したとしても刑事責任は問われず罰は受けることはない。この物語の主人公の妻、祥子も13歳の三人の少年によって殺された。 だが、日本の法律で守られるのは被害者側ではなく加害者側の方だということに驚いた。 事件を起こした少年達は少年院に送られた後も人権やプライバシーを保護されながら更生をすべく周囲から支援されるプログラムが組まれている。そして何年間か少年院で過ごしたあと社会に復帰する。 この物語では3人の少年の事件後の生活がそれぞれ描かれている場面がある。自分が犯した罪を悔いてどう贖罪をすべきか悩んでいる者もいれば、罪の意識を微塵も感じておらず被害者のことなど忘れている者もいる。 更生とは何なのだろうか。 それがこの小説の軸となるテーマであり、一番作者が伝えたかったことではないだろうか。 私は今まで更生という言葉に多少違和感を感じていたことがある。 前に東野圭吾の手紙という本を読んだが、その本では加害者の家族からの視点で物語が描かれていた。主人公は犯罪者の弟というレッテルを貼られながら生きていくストーリーだ。 一度犯してしまった罪は消せない。 では過ちを犯した人間はどう生きていけばよいのか。 私は更生というのはただ加害者が自分の過ちを認め生まれ変わり社会に復帰することだけでは成り立たないのではないかと感じている。 更生したと認めていい人間がいるとすれば、それは大切な人を失った遺族、つまり被害者側だけなのだとこの小説を読んで改めて感じた。
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江戸川乱歩賞受賞作 13歳が人を殺しても罪に問われない少年法の精神と大切な人を少年に殺された被害者の苦悩、加害者はどのような感情で生きていくのか、読み応えたっぷりの作品。こんなに練られた話がデビュー作とは素晴らしいです。
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よく出来ている小説 テーマが少年法 今の自分には正直興味があまりないかも しかし我が子が犯罪者になったら 逆に家族が少年犯罪の被害に遭ったら とんでもなく恐ろしい ストーリー スピード感 素晴らしくスラスラ読めた
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