天使のナイフ の商品レビュー

薬丸岳【著】

2023/10/19

犯罪を犯した者の人権が守られ、被害者が置き去りにされる問題をわかりやすく書いている物語
贖罪、更生とはどういうことかも考えさせられる。

でも、妻が妊娠中に中高生と援交しようとして財布を取られたうえ、それを取り返そうとして殺された父親の復讐を、娘はしないと思う…。もう、めっちゃ軽蔑、亡くなってからも迷惑かけてくるじゃん…最悪…くらいに思われそう。

気になって仕方ないのが、娘長時間預けすぎ。保育園の労働環境まで気になった笑
あと、もともと知り合いであっても、娘を預け、保育園の先生と保護者の関係になったら一線引くべきって考えちゃう笑

2023/10/15

未成年だからという理由で少年Aとしてしか被害者である家族には分からない。

幼い我が子と父が二人で暮らしていた最中に妻が被害者となりこの世を去った原因である少年Aの死から新たな謎が生まれ過去と現代の真実を探るために動き出す。

2023/10/04

妻が、生後五ヶ月の娘の前で殺される。その犯人は、三人の少年。『友罪』と同じく少年犯罪について書かれてるが、こちらは犯罪被害者が主人公で、少年たちの事を知ることも、苦しい気持ちをぶちまけることもできない。少年法も死刑問題と同じように、どちらかに傾いてはいけない難しい問題だなと改めて思いました。

2023/09/21

面白かった。久々の一気読みでした。

少年犯罪を軸に描かれた話。少年犯罪の加害者と被害者、それぞれの感情やその後の人生がしっかりと書かれていて色々考えさせられるところが多かった。少年法の問題点や加害少年の更生プログラムのあり方、被害者家族への救済など、とても一朝一夕には解決できない課題が浮き彫りとなって心にずーんと響きました。

ストーリーは過去に主人公の妻を殺害した少年たちが次々に襲撃され、殺傷されたところからはじまり、犯人の疑いをかけられた主人公が無実を証明するために動き出す……というお話でした。
ミステリーとしては秀逸でとても面白かったです。

ただ、主人公の周りには少年犯罪に関わった人が多すぎないっ？？とちょっとツッコミたくなりましたが……

ミステリーとしても面白かったですが、やはり少年法が掲げる更生とは何なのか、贖罪とは何なのか、ということが一番胸に残りました。
とても読み応えのある作品でした。お薦めです。

2023/09/13

薬丸岳さんの小説が読みたくて買った一冊。

少年犯罪の話でした。

少年犯罪の被害者は悔しい事ばかりで救われる事が少ないと感じた。

少年の更生が大切かもしれないが、罪は年齢に関係なく償わないといけなのではないかと

自分は少年法とか詳しくない。
この小説は20年近く前の小説だが、その時と今ではどのくらい法が変わったかわからないが、殺人の様な罪を犯したなら未成年だろうが少年だろうが、それなりの罰を受けてもらい

それにしてもこの小説の登場人物は少年少女の犯罪が多い。

主人公の奥さんを殺したのは少年達
その少年達を殺したのは少年少女
殺された奥さんも元少女犯罪者
少年達の弁護士も元少年犯罪者

今は被害者にたいしてどうゆうケアをしているかわからないが、少年少女の更生と同じくらい被害者のケアにも力を入れてもらいたいと感じた小説でした。

2023/08/09

映像化されたドラマを先に見ていたので思い出しながら読んだ。被害者遺族となる桧山貴志が巻き込まれる真実に近づく過程をゾクゾクしながら読んだ。少年犯罪による法律はやがて改正されるがそれまでは被害者遺族がいかにないがしろにされていたかが分かる。法律について考えさせられた。自分はドラマより小説を先に読んだ方がいいと改めて思った。

2023/06/03

初の薬丸先生の作品。もっと早く出会いたかった。緻密なストーリーに圧倒され、ページをめくる時のゾクゾク感を久しぶりに感じた。

2023/05/19

奥さんも少年法を守ろうとしてる弁護士も保育園の先生も10代で前歴がある。奥さんは正当防衛で殺してしまった感はある。だからずっと罪を背負って生きてきたのだともう。だけど、妻を殺したやつらは？仁科は父親を殺されたから殺したいと思うのは当然だと思う。でも、他の男達は？無関係だったはずなのに殺してくれって頼まれて殺すもんなのだろうか。この殺人は妻と違って突発的ではなく計画的。計画的に人を殺したのに更生は必要なのか？さまよう刃の方が共感しやすくて読みやすかった。

2023/04/25

少年法って…
加害者は守られるけど、被害者のやり場のない怒りはどこにいくのだろう。加害者に関わったことのある被害者しか分からない、という視点で読み直すと色々スッキリする。

2023/04/04

薬丸岳のデビュー作らしい。
知人から譲られ、何の前情報もなく読んだ。
最初はありがちな展開になりそうだなぁと思っていた。が、最後の怒涛の展開に一気に面白さ爆発。面白いです。少年法ついて考えさせられた。犯罪を犯した者はどう生きるべきか、被害者はどうしたら救われるのか、償いとは何なのか。法律で守られるあるいは罰せられる事の意味について関わった人々は考え続けなければならないのだなぁ。著者は少年犯罪に詳しいのか、他の著書も評価が高いのでぜひ読んでみたい。