東電OL殺人事件 の商品レビュー
事件から15年を過ぎた2012年6月7日、再審開始決定が出た東京電力女性社員殺害事件。ニュースで見た後、たまたま図書館に行って物色してたら目に飛び込んできたのが、分厚い黒地の背表紙にある「東電OL殺人事件」という白文字。 絶妙なタイミングで出会った。 私は当時の報道をほぼ覚えてい...
事件から15年を過ぎた2012年6月7日、再審開始決定が出た東京電力女性社員殺害事件。ニュースで見た後、たまたま図書館に行って物色してたら目に飛び込んできたのが、分厚い黒地の背表紙にある「東電OL殺人事件」という白文字。 絶妙なタイミングで出会った。 私は当時の報道をほぼ覚えていない。事件概要もあまりよく知らなかった。数ヶ月前に著書「女という病/中村うさぎ」でフィクションではあるが事件について、被害女性について少し知識を持った程度だった。 しかし、本書を読むについて、事件そのものの真相はもちろんだが、被害女性”渡辺康子”に引きつけられた。 彼女の異常的行動の真相はいったい何だったのか。 今回釈放される元被告人は無罪だろうと、私も思う。では、真犯人はいったい誰だったのか。本書にも登場する事件関係者の中にいるのか、全く無関係の人間だったのか。事件から15年、真相解明は非常に困難だろう。 今、どうしても気になってしまうのは”東京電力株式会社”。被害者が勤めていた会社。昨年の東日本大震災での福島原発事故。政界や警察と当時(から)なにかあったのではと思ってしまう。
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OL自身にはあまり焦点は当たっていない。 が、警察、検察の捜査方法等は興味深い。 これがまかり通る世の中は恐ろしい。
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夏ごろ読みました。(話題になった頃?) 個人的にはすごく気になっていたニュースなので最後まで読みましたが ルポルタージュなせいで同じ事が繰り返し出てくるので飛ばし飛ばし・・・
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グロテスクがモデルにしたという 東電OL事件 それについて、私は全く知らなかったので (その当時、子育てでテレビや新聞とは無縁だったせいだろう) 知りたくなって 読んでみた 結局、よくは分らなかったけれど 何を分りたかったのか、逆に分らなくなってしまった。 グロテスクを書い...
グロテスクがモデルにしたという 東電OL事件 それについて、私は全く知らなかったので (その当時、子育てでテレビや新聞とは無縁だったせいだろう) 知りたくなって 読んでみた 結局、よくは分らなかったけれど 何を分りたかったのか、逆に分らなくなってしまった。 グロテスクを書いた桐野夏生の表現力に 改めて 脱帽した
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ごめんなさい。途中で読むのやめました。 最近ネットニュースで釈放を求めて話題になってたので借りてみたけど、あまりにも作者の無駄なこじつけが多過ぎでアホらしくなった。もっとまともな本かと思ったら…残念。内容&文章が酷すぎる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本を読んだのはずっと前ですが本棚登録してなかったのと、最近、この事件のDNA鑑定の報道が出た、ということもあり改めて登録します。 この本は受刑者の故郷まで取材に行など、大変な取材の手間をかけた労作です。 平成23年9月4日読売新聞報道「東京電力女性社員殺害事件で無期懲役が確定したネパール国籍のゴビンダ・プラサド・マイナリ受刑者(44)の再審請求審で、捜査当局が事件当時、女性の胸からマイナリ受刑者とは異なる血液型がO型の唾液を検出しながら、弁護側に証拠開示していなかったことがわかった。」 平成5年3月19日東京電力のOL(といっても研究職にあった方だったと記憶しております)が殺害された事件で、このOLが従来から渋谷などで売春、いわゆるたちんぼをしていたことで広く記憶された事件です。 検察側の立証にはいろいろなムリがありました。殺害現場に居合わせるためには仕事を終えると同時にわき目も振らず現場に直行しなければならない、とか、被害者の客だったことは確かだが特に殺害に結びつく動機がない、とか… 現場から受刑者以外のDNAが検出されたということ自体には驚きはありませんが検察側がそれを知りながら開示していなかったのは憤りを感じます。
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「セックスしませんか、一回5千円です」 そう言って、東京都渋谷区円山町界隈で売春をしていた、昼間は東京電力のエリート社員である渡辺泰子さん(39歳)が、古ぼけたアパートで紋殺遺体で発見されたのが、13年前の1997年3月19日です。 自分の人生ですから、強盗や殺人は他人の迷惑な...
「セックスしませんか、一回5千円です」 そう言って、東京都渋谷区円山町界隈で売春をしていた、昼間は東京電力のエリート社員である渡辺泰子さん(39歳)が、古ぼけたアパートで紋殺遺体で発見されたのが、13年前の1997年3月19日です。 自分の人生ですから、強盗や殺人は他人の迷惑なので良くないとしても、あとは何をやろうが人にとやかく言われる筋合いはないのですが、よほどのストレス・葛藤があって耐えきれず究極の堕落を選択したのですね。 本当に事実は小説より奇なりです、殺されなけりゃあ、生涯この秘密は暴かれはしなかったのに、彼女の場合は運悪くばれちゃった訳ですが、まだまだゾロゾロ、もっともっと相似形の人生を歩んでいる人は数多くいると私は睨んでいます。 本書は、まさに息をもつかせぬいつもの佐野眞一節で、よっ、待ってました、です。 ハラハラどきどきこそ真情、事件をただ単にドラスティックに追うだけなら、そんなことは他の奴に任せるぜ、俺は俺で渾身の思い入れたっぷりの、深く静かに沈潜して、ドップリ全身全霊浸かったルポルタージュを、手のひらの上に乗せてお見めにかけましょう、という感じです。 もちろん、姿勢はあくまで謙虚に、ひたむきに、死者に鞭打ったり冤罪をでっち上げたりする不埒者には断固とした態度で決然と立ち向かうのです。 私の周りにもいますが、おそらく、中にはそれが普通と違って馴染めない、逸脱しすぎてとっつきにくい、感情移入しすぎていてついていけないなどといった感想を抱かせて、即、拒絶反応などといった無理解を生む結果になっているのでしょうが、彼のスタンス・方法論の素晴らしさが解らないでは、ノンフィクションを突き抜けたところにあるダイナミズム・醍醐味を味わえないのでもったいないと思います。 売春というかたちで堕落せざるを得なかった彼女の中に聖性を見る透徹したまなざしの佐野愼一はまた、逮捕されて一度は無罪となりながら、控訴の末に今では無期懲役の判決を受けている犯人とされている娼婦の彼女の最後の相手だったネパール人のゴビンダ・プラサド・マイナリのことで、ネパール取材や3年におよぶ調査を敢行します。その無罪であるという結論に達するまでの凄まじいばかりの執念の追究は、身震いするほどとても感動的なものです。 ・ ・ ・ ・ ・ ・
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逆転有罪が決まってから10年近く。テレビの東電叩きのニュースの中に、東電OL殺人事件がDNA鑑定で、再審というニュースが載っていた。興味をもって読んでみた。 東大卒の東電エリートの父を持つ亡くなったOLが、学歴的には十分すぎる学歴をもちながら、渋谷のところで毎日のように自分を傷...
逆転有罪が決まってから10年近く。テレビの東電叩きのニュースの中に、東電OL殺人事件がDNA鑑定で、再審というニュースが載っていた。興味をもって読んでみた。 東大卒の東電エリートの父を持つ亡くなったOLが、学歴的には十分すぎる学歴をもちながら、渋谷のところで毎日のように自分を傷付けるような売春をしなくてはならなかったことよりも、被告となったネパール人の冤罪の可能性を調べ上げている。その意味では、殺人事件の冤罪性を検証する本であると思える。 多くの人が思うような、OLそのものには焦点は少ししか当たっていない。 その点はよく考えて選んだ方がよいかもしれない。
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この本を読んでいる最中に、遺体から採取された精液から検出されたDNAが、ネパール人男性のものと一致しないものであることが判明し、現場に残された体毛と一致することがわかったとの報道があった。益々冤罪の可能性が高まった訳ではあるが、本書の趣旨は、1)ネパール人男性は冤罪である、2)被...
この本を読んでいる最中に、遺体から採取された精液から検出されたDNAが、ネパール人男性のものと一致しないものであることが判明し、現場に残された体毛と一致することがわかったとの報道があった。益々冤罪の可能性が高まった訳ではあるが、本書の趣旨は、1)ネパール人男性は冤罪である、2)被害者は二面性を持つエリートOLである一方、大堕落した暗黒の巫女である。スゲー興味深い。 の2点であり、真犯人は誰なのか?は問わない。 被害者の父親と娘が東電に関わり、早死しているのであるが、少しだけ東電の闇のような物に触れ、腰が引けている感じでほとんど言及されていない。まぁ、その辺りは、ご想像の範疇でとの趣向なのかも知れないが、分厚い割に不完全燃焼な感じの一冊。
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97年に渋谷で発生した殺人事件を直後から追いかけた記録。著者の記述が正しければ地裁判決通り被告人無罪であるが、犯人とされるネパール人は高裁で無期が言い渡されたあと最高裁で上告棄却となり、2011年現在、再審請求中である。 これまでの警察・検察の横暴とも言える捜査とマスコミへのリー...
97年に渋谷で発生した殺人事件を直後から追いかけた記録。著者の記述が正しければ地裁判決通り被告人無罪であるが、犯人とされるネパール人は高裁で無期が言い渡されたあと最高裁で上告棄却となり、2011年現在、再審請求中である。 これまでの警察・検察の横暴とも言える捜査とマスコミへのリークを通じてのミスリードが、多くの冤罪事件を惹き起こしているように、この件も冤罪の可能性が濃厚である。 アジア人の出稼ぎ労働者に対する日本人の偏見もあって、救援の手が薄いようにも思われる。こんな状態では日本が国際的な信頼を得ることが難しい。もはや日本の国内問題(冤罪事件)は国際社会の正義ともリンクしている。 それにしても、被害者の東電OLの「堕落」振りは想像を絶する。坂口安吾の小説の遙か上を行く心の闇である。
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