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兵隊たちの陸軍史 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2022/03/14
  • ネタバレ

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ある兵隊の、ある戦場での経験談。 それにしても、日本陸軍とは日本人らしさの塊だと、この手の本を読むと、改めて思う。 会社勤めの人が読んだら、「激しく同意」しながら読んでしまうに違いない。 軍服が背広に、上官は上司に、そして分けわからない将官は、さしずめ会社の幹部というところ。 ぐっと来たのは、「結局は第一線の兵隊が、作戦進行上の誤差や不合理から生じるひずみを、すべて自身たちの出血によって贖わなければならないことになる」 実際血は流さなくとも、そんな働き方に身に覚えがあるんじゃなかろうか。 これだから日本軍はダメなんだ、という言葉を見かけるたびに、いやいや、と思ってしまうのは間違っていない。 そんなことを確認した本だった。 星2つなのは、陸軍史、とあるけれど、冒頭に書いたように、一個人の経験だから。

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2020/01/02

現在の日本には、徴兵制度というものがありません。(隣国の韓国では徴兵制度が未だにある)そのため、自衛隊に志願する者以外は、軍隊の生活を知る機会が全く無いことになります。しかし、今から70年ほど前は徴兵は当たり前の制度であり、若者の大部分は軍隊での生活を送ることになっていました。幼...

現在の日本には、徴兵制度というものがありません。(隣国の韓国では徴兵制度が未だにある)そのため、自衛隊に志願する者以外は、軍隊の生活を知る機会が全く無いことになります。しかし、今から70年ほど前は徴兵は当たり前の制度であり、若者の大部分は軍隊での生活を送ることになっていました。幼年兵として軍隊生活を始め、最終的に戦場に送られて戦う兵隊達の実態を記録したのがこの本です。教練の様子、食事、人間関係など当時の軍隊の生活が細かく書かれていて、日本陸軍の兵隊管理の状況がよく判ります。 もし現代にこの制度があったらと思うとゾッとします。志願した人は別として、徴兵された現代の多くの若者には、この制度は耐えられないだろう。この時代に生きていなくて良かったと思うとともに、戦争が頻発したこの厳しい時代を耐えて戦った日本軍の兵士たちに感謝したいと思います。

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2019/04/30

兵隊の誕生 ― 軍隊はいかに組織されたか 兵営生活の実態 ― 入隊から除隊まで 兵隊の戦史 ― 兵隊はいかに戦ってきたか 大東亜戦争下の戦場生活 ― 極限の場における兵隊の姿 あとがき (付録)主要部隊一覧 ― 日支事変・太平洋戦争

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2012/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

気になっていた本の一冊。やっと読み終えることができました。 兵営生活の実態は,とても具体的で面白かったです。兵営生活をモチーフにした小説や,漫画は数多くありますが,結構細かいことは知っているのが前提となっていて省略されてしまっているんですよね。昔発刊されたものだとなおさら。 入営の初日ですとか,装備品の支給なんかは,より兵営生活がリアルに感じられ,面白かったです。 あとは郷土性も面白かったですね。この観点も小説とかマンガではスルーされていることが多いですけど,絶対に郷土性っていうのはありますよね。大阪の郷土性は実に面白かったです。そういえば,私が卒論で研究した,陸軍幼年学校も全国6箇所にあったんですけど,大阪はダントツで人気がなくて,九州の熊本がやっぱり人気でした。大阪はさすが商人の町ですね。 あとは色んな方々を取材して得られたであろう,様々なエピソード。 具体的であればあるほど,面白いですね。一般論には還元できませんけど。 伊藤さんは,他の著書でも,戦争の良い面(というと,語弊があるかもしれません;つまり,美談ですとか,人道的な面ということ)を書かれることが多く,そういう面があったのももちろん事実だと思うんですが,もうちょっと悪い面があってもよかったかな,とは思いました。あとは将校以上レベルに関する研究も。 後半は一つのエピソード集だと思って読みました。 全体を総括して,面白かったです。見返しに入っている勲章・徽章はいい資料ですねw

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2011/12/12

軍隊の歴史と、軍が発足され終結するまでの資料書とも読めるが、 知らない事実や階級や軍隊の戦争時ではない環境等、 いろいろ知る事が出来た。 でも、読み進める程に軍人と言えども、 ただの日本人であったからこその軍の歴史があったのかも、 とも思えた。 第二次世界大戦はひとくくりでは纏め...

軍隊の歴史と、軍が発足され終結するまでの資料書とも読めるが、 知らない事実や階級や軍隊の戦争時ではない環境等、 いろいろ知る事が出来た。 でも、読み進める程に軍人と言えども、 ただの日本人であったからこその軍の歴史があったのかも、 とも思えた。 第二次世界大戦はひとくくりでは纏められないけども、 いろんな人がいろんな思惑で戦い生死を分ち戦後を迎える。 その立場でしか分からない事実や思いや願い、 資料だけでは知り得ない歴史、日本と世界の立場と実状。 戦争や事件、1つのある事を表面に突き出しては 語ってはいけない事なんだろうけども。 上層部だけの責任ではないようにも思え、 やっぱり上層部の責任でもあるんだろうとも思える。 歴史に「もしも」はないけども、考えてしまうな。 もしも明治がああいう風に進まなかったらどうなってたか、とか。

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2014/12/12
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盧溝橋事件が中共軍の謀略? 朝鮮人通訳が日本軍の中国進出失敗の一原因? **兵団(**は都道府県名)という呼称は現在では聞き慣れないが、かつては一般的だった? 一次資料ではないが、興味深い(1.5次資料か)

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2009/12/07

戦争経験のある祖父からもらった本 祖父曰く、決して上等兵ではない著者の意向が強すぎるきらいがあるらしいけど、 戦争を知らない世代としては、 一歴史の一真実のページとして読むことができた この本の特徴は、著者の体験や見聞をもとに兵隊での生活、日清、日 露、日中戦争へと...

戦争経験のある祖父からもらった本 祖父曰く、決して上等兵ではない著者の意向が強すぎるきらいがあるらしいけど、 戦争を知らない世代としては、 一歴史の一真実のページとして読むことができた この本の特徴は、著者の体験や見聞をもとに兵隊での生活、日清、日 露、日中戦争へと向かう国の動き、軍隊内部の動きが克明に記されてお り当時の様子が甦るようである 「捕虜になり、辱めをうけるくらいなら、自ら死を選ぶべし」と掲げる上層部に対し、どのような心情を持っていたのか、どれだけの無駄死にがあったことか 上記の状況にならない、幹部たちのとりきめ その幹部も終戦時、戦争軍事裁判にかけられるという皮肉 中国兵、朝鮮半島兵についての日本軍の様子が克明に描かれている 著者は直木賞などの数多くの文学賞を受賞している

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2009/10/04

戦前は遠くになりにけり。近年などは、むしろ戦後世代の間にすら、決定的な思想的断絶が生じつつある。本書のような戦中派による帝国陸軍の省察は、非常に貴重である。帝国陸軍内における将校と兵卒の対立などは、経験した者にしか語り得ないだろう。とはいえ、将校を貶めることで暗に兵卒を擁護する意...

戦前は遠くになりにけり。近年などは、むしろ戦後世代の間にすら、決定的な思想的断絶が生じつつある。本書のような戦中派による帝国陸軍の省察は、非常に貴重である。帝国陸軍内における将校と兵卒の対立などは、経験した者にしか語り得ないだろう。とはいえ、将校を貶めることで暗に兵卒を擁護する意図が見え隠れしないでもない。本書は、日本兵の勇壮さを称揚し、それにもかかわらず将校と兵卒を含む帝国軍のシステム自体に不備が存在したという論法を取っているが、これは軍閥政治を巨悪と断じることで、国民の責任を敢えてうやむやに処理したGHQの論法と相似形をなす。そのような思想操作が当時の日本にとって欠くべからざるものであったことまでは否定しないが、しかし、国民やマスコミが、真意はどうあれ形としては戦争にコミットしていたという事実を忘れるべきではない。同様に、将校と兵卒の関係を、無能な将校と優秀な兵卒の対立という図式で理解するのは、少々単純に過ぎるように思う。そのような意味では、本書は、兵卒を擁護をせざるを得なかった著者の立場をも意識して読むべき本であろう。むしろ、抑制された客観的な記述の中にも主観的な感情が覗くところにこそ、「兵隊の証言」としての価値がある。

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2009/10/04

※ランク1なのはまだ途中読みのため。でもこれ良本おもう。 徴兵から退役まで平時戦時 一般兵の生活・教育について 施策・意識

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