子どもが育つ条件 の商品レビュー
というか子どもを育てる親の条件だと思う。 父親不在の家庭・育児の問題が主題になっている。 母親の育児不安とは、1つは子どもの育児に関して、 2つ目は没個人によるもの。 その原因について、なぜ母親主体の育児が行われてきたか、 そして、今、なぜそれを変える必要があるか...
というか子どもを育てる親の条件だと思う。 父親不在の家庭・育児の問題が主題になっている。 母親の育児不安とは、1つは子どもの育児に関して、 2つ目は没個人によるもの。 その原因について、なぜ母親主体の育児が行われてきたか、 そして、今、なぜそれを変える必要があるか。 戦時中は多産がよしとされ、父親は早くに亡くなり、 母親も育児から解放される頃には年をとり、 長男家族に引き取られ長くは生きない。 また、学歴差も強く、現代に比べ家事も育児も 重労働だったため、母親はそれに専念する必要があった。 しかし現在では寿命は延び、 子どもを育てきっても第2の人生がある。 この時点で育児だけに専念しているとなにも残らない。 学歴も上がり、労働需要もサービス業、IT業など、 女性が必要、または男女格差がない、業種が増えている。 子育てに専念することは、孤立を深め、 時間などの個人としての資源配分の葛藤が発生する。 また父親が育児に参加しないことの弊害や、 育児を母親に限定する必要がないこと、 むしろ多様な保育者が関わることがプラスになること。 うまくまとまらないですが、 そんなことが論理的に、時代背景を踏まえ、 刻々とくどいほど述べられています。 あと、海外との比較なんかもよくある話ですが。 日本の特徴は、まず父親が働きすぎです。 というと語弊があるので、 「仕事を理由に家にいない時間が長い」です。 同時に家事をしなさすぎでだそうです。 便利になった技術は、時間の短縮ばかり意識され、 「誰でも出来るようになった」という事が、 置き去りにされています。 家電がなかった頃には、「花嫁修業」をしないと、 本当に出来ない家事が多かったわけです。 しかし、今やボタンを押すだけで出来ることが沢山あります。 それは子どもでも父親でもいいわけです。 最後に、「子育て」ではなく「子育ち」を支援すべきで、 子どもに先回りで、何でも押し付けるのではなく、 子ども自身の気づき・学習・意欲を生かし、 親自身が子どもに恥じない生き方をしないと、 それを観る子どもに説得力がでないそうです。 にしても、ほんと話まとめるの下手だわ。 ってか、言い訳すると、この本自体が話がとっ散らかってた。 各章とも主旨が同じような感じで、後半だれる。
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[ 内容 ] 自己肯定感の低下、コミュニケーション不全の高まりなど、子どもの「育ち」をめぐって、様々な“異変”が起きている。 一方、子育てのストレスから、虐待や育児放棄に走る親も目立つ。 こうした問題の要因を、家族関係の変化や、親と子の心理の変化に注目して読み解き、親と子ども双方が育ちあえる社会の有り様を考える。 [ 目次 ] 第1章 育児不安の心理(日本に顕著な育児不安―「母の手で」規範の陰に 「子育てだけ」が招く社会的孤立 父親の育児不在という問題) 第2章 「先回り育児」の加速がもたらすもの―少子化時代の子どもの「育ち」(変わる子どもの価値―子どもを「つくる」時代の親の心理 「少子良育戦略」と子どもの「育ち」 「よい子の反乱」が意味するもの―顕在化する親子の葛藤) 第3章 子育て、親子を取巻く家族の変化(「便利さ」は家族をどう変えたのか 変貌する結婚と家族 高まる家族内ケアの重要性) 第4章 子どもが育つ条件とは―“人間の発達”の原則からみる(“人間の発達”の原則と子育て 「子育て支援」から「子育ち支援」へ 子育てを社会化する意義) 第5章 子どもも育つ、親も育つ―“生涯発達”の視点(子どもの育ちと親の育ち 急がれるワーク・ライフ・バランスの確立) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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自分が普段から感じていることを、論理的に説明してもらった感じです。そういう時こそ、批判的な目が必要なのですけど。父親の育児参加はスペシャルなものに留まってはいけない、保育園は積極的な学びの場、といったところ。1.5次的養育者としての父親像って描けないかなーと思いました。
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講義の際に先生に勧められて、発達心理学・家族心理学に興味があったことから読んでみました。 全五章で構成されいて、心理学だけでなく、社会、医療、労働、ジェンダー、様々な観点から書かれていました。 例えば、育児不安は日本に特徴的な心理であり、昔からあったのではなく、比較的最近の現象である。しかも専業で子の養育役割を担っている母親の方が育児不安が強いという調査結果が出ており、その背景には一人の大人として個人としてのアイデンティティをめぐる不安や焦燥、自分についての心理的ストレスからくるものが多いということ。この心理は、社会の変化、労働の機械化・情報化、家事の省力化・サービス化により、女性も職業をもち経済力を持つようになったことが大きく関係しています。また寿命は長くなったのに子どもは少ないといった、長い人生の中で母役割の期間が大幅に短縮したこと、このような社会の変化は、女性に「個」として生きることを迫り、心の在り方を変化させたと考えられるそうです。 他にも、先回り育児の加速がもたらすもの「子どもが宝は本当なのか」「授かる子から、つくる子へ」「育児は母親の有限資源の投資」「”よかれ”への従順から反抗へ」「不登校という問題」「夫婦のコミュニケーション不全」等、説かれていました。一つの現象には様々なものが複雑にリンクしていて、本書でも述べられていましたが…親は子どもが何を求めているか、どのような特徴を備えた子かについて省察が欠けている。子どもは有能な観察学習者であり、親が「してやる」ことよりも、親自身がどう行動しているか、親自身が日々成長・発達し活き活きと生活できているかどうかが問われており、親が一人の大人として生きることで、子どもと安定した気持ちで向き合うことができる。など書ききれないほど、興味深い内容ばかりでした。 自分の育った家庭環境はどうだったのだろうか、と客観的に考察することもでき、面白かったです。大人は子どもを子ども扱いしすぎだし、子どもは大人を大人扱いしすぎなのかも知れないなと。親子であれ、家族であれ、人間同士の付き合いだから難しくて当たり前と開き直って、程よい距離間というか、余裕をもって見てみること、何でも適度が一番なのかなと。 あとがきに親たちは子をどう育てればよいのか、どう育てるべきかという本ではありません。と書かれていましたが、確かにその通りの本だと思います。先生には「独身女性に是非読んでほしい」と勧められたけど、男性にも是非読んでほしい良書だと思います。私自身も結婚だとか親になることがあれば…また、家族のことで悩んだとき、もう一度触れてみようと思います。
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硬いタイトルに硬い内容。子育てだけでなくジェンダーのあり方にも目を向ける。家族心理学を研究してきた柏木さんの集大成のような本らしい。 柏木さんが憂うのは女性にばかりプレッシャーがかかる子育てのあり方。もともと家族規範意識の強い日本にあっても社会の現代化の影響は家庭にも及ぶ。責任...
硬いタイトルに硬い内容。子育てだけでなくジェンダーのあり方にも目を向ける。家族心理学を研究してきた柏木さんの集大成のような本らしい。 柏木さんが憂うのは女性にばかりプレッシャーがかかる子育てのあり方。もともと家族規範意識の強い日本にあっても社会の現代化の影響は家庭にも及ぶ。責任を背負い込んだ女性は専業主婦として子育てに没頭し、仕事を続ける女性には非難の目が向けられ、リスクを察知した女性は子供を作らず・・・と悲観論でぐるりと一周した後で、子育て現場での父親不在がひどい、と父親と企業をばっさり切り捨てる。 「先回り育児」にも警鐘を鳴らす。幼い頃から教育投資し過ぎなんじゃないの、という意見には賛成なのだが、解決策として「子供をよく観察する察し」を挙げたのは学者らしい片手落ち。習い事もほどほどにして腹一杯遊ばせた方が脳も心も育ちますよ、くらいの方が現実の親たちには訴求力があると思うのだがどうだろう。「少子良育戦略」という造語には学者らしい慧眼と関心したのだが。 柏木さんの言う通り、社会の変化に合わせて家族の姿も変わっていく。多分日本の育児は柏木さんが研究されていた頃からもう少し進歩していて、子育て支援施設のようなものも増えているし、父親の育児参加意識も着実に向上している。良いこと沢山書いているんだけど、もう少し暖かい視線で見てくれればいいのになぁ、という読後感が残った。
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一見、育児本のようでいて、この本は自分自身の生き方を見つめなおす機会を与えてくれる本だ。 子を持つ親(特に父親)、夫婦、そしてこれから家族を作ろうとする若い人たち、今少子化問題に取り組む政治家たち、子育てが終わった夫婦にも、社会を担うすべての人たちに読んでほしい。 「育児は育自...
一見、育児本のようでいて、この本は自分自身の生き方を見つめなおす機会を与えてくれる本だ。 子を持つ親(特に父親)、夫婦、そしてこれから家族を作ろうとする若い人たち、今少子化問題に取り組む政治家たち、子育てが終わった夫婦にも、社会を担うすべての人たちに読んでほしい。 「育児は育自」こう言われて久しいが、この言葉が全てを表していると思う。 子育てではなく子育ち。子どもは適切な環境さえ与えられれば、育てようとせずとも育っていく。そして、当事者である親だけでなく、親戚・学校・地域すべての社会の人々が、子どもの育ちを通して、人生の中で成長し続けることができる。この事実をわかっていない人が多すぎる。 「子どもが育つ条件」それはすなわち、子どもの周りにいる大人たちが、自己実現できる、個としての自分の成長を実感できる、「育つ」環境にいるということに他ならない。
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この著者の講演を聞く機会があって、 ぜひ著書を読んでみたいなと思っていたら、 知人が貸してくれた。 長年、家族のことを研究してきた心理学者が 書いたものだけあって、 内容に重みと説得力があった。 自分が漠然と思っていたことを 理路整然と示してもらたような感じで、 今後の自分の...
この著者の講演を聞く機会があって、 ぜひ著書を読んでみたいなと思っていたら、 知人が貸してくれた。 長年、家族のことを研究してきた心理学者が 書いたものだけあって、 内容に重みと説得力があった。 自分が漠然と思っていたことを 理路整然と示してもらたような感じで、 今後の自分の子育ての指針になった。 書き留めておきたい言葉がたくさんあった。 「日本の社会は、子育てはあるが、 子育ちが不在。」 「子どもは自ら学び、自ら育つ。 そしてその力を発揮できたとき 最高の満足と、自己有能感を持つ。」 「『子どもをよく見る』は養育の第一歩」 「子どもに重要なのは応答的な人と環境」 「子育て支援の対象者は、 『育てること』や『育てる人』ではなく、 『子どもの育ち』でなければならない」
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子育てというのはだれもがみな不安に感じていることである。母親はもちろんのこと父親も不安に思っている。子供を育てるには並大抵のことではない。女性は、家事をやりながら、仕事もやっている人が多くいる。子供はいたるところでたくさんのことを吸収する。良いことも悪いことも吸収する。子供も育ち...
子育てというのはだれもがみな不安に感じていることである。母親はもちろんのこと父親も不安に思っている。子供を育てるには並大抵のことではない。女性は、家事をやりながら、仕事もやっている人が多くいる。子供はいたるところでたくさんのことを吸収する。良いことも悪いことも吸収する。子供も育ち、親も育つ。子をそだれるということは、自らを育てることになる。社会という集団で子供を育てるということはとても大切なことである。子供は、宝である。
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心に残ったことば ・おとなになったあとも、人の心や行動は、様々な体験を通して成長・発達し、さらにそうした日々の成長が人を活性化させ、充実感や幸福感をもたらすことが実証的に明らかにされてきた。(225p) ・(ひきこもりや不登校)は表面的には社会からの逃避や退行の現象ですが、一方で...
心に残ったことば ・おとなになったあとも、人の心や行動は、様々な体験を通して成長・発達し、さらにそうした日々の成長が人を活性化させ、充実感や幸福感をもたらすことが実証的に明らかにされてきた。(225p) ・(ひきこもりや不登校)は表面的には社会からの逃避や退行の現象ですが、一方では未成熟な自我を再生させる「さなぎ」の敷きであるともいえます。(67p) ・一般の対人関係では、自分が集団や相手に貢献することと、集団や相手から自分が得ることとのバランスがとれていることが大事です。これが崩れると、人はその集団や相手から離れていく傾向があります。これは社会的交換という理論で説明されています。・・・(こうした関係は)家族内でも働くようになっているのです。(140,141p) ・赤ちゃんの視覚が、実は敏感で正確であり、しかも積極的なものであることが明らかとなっている。(151p) ・聴覚も同様。・・・とりわけ人の声に格別の関心を示します。そして自分の興味に応えてくれる人が大好きです。(152p) ・乳児でさえ個性や気質をもっている。(157p) ・子どもに重要なのは応答的な人と環境。(157p)
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期待していたような内容だったので☆5つ。 今の社会状況と現代の望ましい家庭環境のずれが家族にとってどれほど負の結果を生み出しているかを知る。これは、読んで価値があったと感じる。自分の思い描く家族の理想象というのは実現不可能なのかもしれないということを考えさせられる。
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