戦争絶滅へ、人間復活へ の商品レビュー
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[ 内容 ] [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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今現在、戦争を経験したことを語れる人が少なくなってきているので、戦争について経験談を踏まえて語ってくれているこの著書は貴重である。 1938年に創刊された岩波新書は、新刊が出るとタイトルが何であってもすぐに売り切れた。まるで神様の贈り物みたいに感じていた、という節が眼にとまる。...
今現在、戦争を経験したことを語れる人が少なくなってきているので、戦争について経験談を踏まえて語ってくれているこの著書は貴重である。 1938年に創刊された岩波新書は、新刊が出るとタイトルが何であってもすぐに売り切れた。まるで神様の贈り物みたいに感じていた、という節が眼にとまる。共感する。自分も岩波新書は、他の新書に比べ抜きん出て価値を感じるからである。 戦時中、新聞は軍に規制されて真実がかけなかったと思っていたが、実は事実は少し異なるということを知る。新聞社自らが、自己規制を始めてしまい、自縄自縛状態に陥ってしまったのが、事実とのこと。背景はそう変わりは無いから、新聞社を責めることはできない。事実、新聞社の社員は自責の念にかられて、戦後辞める人も多かったとのことである。 今、全国紙は800万部とか1000万部なんていう発行部数になっているが、こんなことは世界で見れば以上であることを知る。部数がこれほど多いというのは、新聞の個性を薄めなければ生きられない。それは、読者がいない、ということで、自己主張できないとのこと。大前氏も言っていたが、新聞の記事は言われたことをただ流しているだけで、昔に比べレベルが下がったと言っていた。その理由は、ここに帰着するのだろう。 憲法9条に関する記述は、初めて知る記述が多く貴重であった。憲法9条で議論されることは、しばしばある。しかしその前提条件として、この草案は GHQが作ったということを踏まえなければいけないということに気付かされた。本来なら、憲法9条が連合軍に宣告された死刑判決だという屈辱と、日本がみずから再生を図るための輝かしい道しるべという理想の両面を、突き合せなければならなかった。その上で初めて、日本人は今後どういう生き方をし、人類に対してどういう呼びかけをしていくべきかという苦闘が始まったはずである。そういう議論をあのときしなければならなかった。この意見は、戦争を体験した人でないと出てこないと感じる。そういったことも含め、この著書とこの記述は貴重だと感じる。 高度経済成長からは、他社依存の生活になり、何か具合が悪ければ人のせいにする。いわば「主語がない」状態でずっと来てしまった。国家にも政府にも、当時の国民にも、いまの1億2000万のなかにも「主語がない」。とのこと。これは、大前氏も言っていたことで、自分も現代を生きる日本人として、強く感じる。 今のロシアのプーチン体制がうまくいっているのは、油田が見つかったことが大きいということを知る。しかし、プーチン体制も新しい思想ではないので、どこかで行き詰るだろう。とのこと。納得してうなる。未来を見つめるとはこういうことだと考える。 むのたけじさんが高校生にかけてあげた言葉。「志をもって生きなさい。人生の方針を自分でつくっておけば、その通りにならなくても方針は変えられる。でも、方針がなければ変えることもできない、惰性に流されていくのは一番よくないよ。」将来について迷う自分にとって、タイムリーな言葉であった。感謝。
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旧世代のジャーナリスト(失礼)には、強力な思想的影響力を持つ武野氏の回顧。格差社会・世界的経済不況兆候・選挙近し?・改憲・自身の93才・戦後63年・終戦前などの要素から、夏休みに読むに適した良い書となるでしょう。
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