初恋 の商品レビュー
映画の原作です
未解決のまま時効を迎えた「三億円強奪事件」。その実行犯は女子高生だった!?主人公「みすず」が、何故大金を奪うことになったのか。若者たちが抱えていた繊細な心が淡々と語られ、静かな涙を呼ぶ……。
みやちゃん
止まらない読欲。 重くないものを読みたくて積読からチョイス。 恋愛小説っぽいし、ページも少なめなのでサラッといけるかな。 と思ったら、いきなり『三億円事件の犯人は私かもしれない』と始まり、え?この薄さでそのテーマ行っちゃうの?といきなり没頭させられた結果、一気読みしちゃいました...
止まらない読欲。 重くないものを読みたくて積読からチョイス。 恋愛小説っぽいし、ページも少なめなのでサラッといけるかな。 と思ったら、いきなり『三億円事件の犯人は私かもしれない』と始まり、え?この薄さでそのテーマ行っちゃうの?といきなり没頭させられた結果、一気読みしちゃいました。 いわゆる甘々でキュンキュンな恋愛小説からはかけ離れており、ツンデレ女上司もいないし、世話焼き委員長もいない。幼馴染なんてもってのほか。 恵まれない境遇の中で青春や恋愛の寂寥感をもりもりに詰め込んだものを淡々と綴った、フィクションとノンフィクションの狭間を行き来する手記って感じかな。 三億円事件も単なるスパイスでしかない。 何だそりゃって思うでしょ? 大丈夫。俺もわからない。 でも、ふと気づくとタバコの香りが漂う妙に淡い情景が脳裏に広がったり、やり切れない主人公に共感と同情と非難をごちゃ混ぜにした釈然としない感情を抱いたりと、何とも表現しづらい感覚に飲み込まれながら読了した。 主人公が作者と同姓同名な上に、作者さんのプロフィール非公開ってことで、本当に三億円事件の犯人なのでは?と言った感想もちらほらあった。 映画化で主演した宮崎あおいも「そう確信した」とのことだが、それは流石にw 全体的にはっきりとしないことが多く、心情は察して系なので少し苦手なジャンルだが、いい意味でなかなかにモヤモヤさせられた作品だった。 このモヤモヤ感、何となく村田沙耶香さんの『コンビニ人間』を思い出させる。 俺と違って感受性豊かな人の感想が聞きたいもんです。 有意義な読書タイムをありがとうございました この読後感を噛み締めつつ 作者が主人公ってことで『恐怖小説キリカ』を思い出したし、プロフィール非公開ってことで、宿野かほるさんも思い出した。
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読み終わった瞬間、なんだこの本!ってなった。 伏線回収も起承転結も風景描写もそこそこ。だけも読み終わった瞬間謎めいた雰囲気と、切ない感情が心に残る。 1960年代って聞いた瞬間、お爺さんお婆さんの時代の話なんかいと思ったけど、読んでてそんなに古臭さは感じない。正確に言えば古臭...
読み終わった瞬間、なんだこの本!ってなった。 伏線回収も起承転結も風景描写もそこそこ。だけも読み終わった瞬間謎めいた雰囲気と、切ない感情が心に残る。 1960年代って聞いた瞬間、お爺さんお婆さんの時代の話なんかいと思ったけど、読んでてそんなに古臭さは感じない。正確に言えば古臭さは感じるけど、現在から見る60年代と言うよりも、60年代から見た60年代を感じる事が出来た。 正直に言えば亮との関係をもっと掘り下げて欲しかったのと、岸と最終的に結ばれて欲しかった。本の薄さ的によく頑張ったと思うけど、内容がやっぱり薄っぺらい。 どからこそ、この独特な雰囲気が作り出されるとは思う。 あと主人公不良で全然勉強してないのに1年で早稲田受かるのすごくない?
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著者唯一の作品。著者のプロフィールは一切不明。 三億円事件の主犯だと告白する女子高生の数年間の物語。 文章力や展開力に驚かされるものはないが文章のテンポが良く惹きつけられる。 また、作品中に何度か出てくる俳句、短歌が美しい。 多くを語らず読者か推察する必要が多分にある作品ではある。 三億円事件という未曾有の事件がキャッチーだがタイトルは初恋である。 私小説のようでありながらフィクションのようでもあり、思い出を滔々と綴っている手紙のようにも思える作品である。
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昭和史に残る事件、三億円事件。 大人になるには責任も思い出も足らない半端な存在の主人公達が、事件と絡めて描かれる。 内容もそうだが、作者がプロフィール不詳、本名不明、おまけに上梓はこの一冊と謎だらけすぎるのが気になってしまう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
宮崎あおい主演で映画化もされた「三億円強奪事件」の実行犯だと語る女性(当時高校生)が当時を振り返る私小説。存命であれば70歳近くでしょうか?本書は2002年に発行。 幼い頃、父親の死亡を受け母親が兄だけを連れて失踪。その後、叔父夫婦の家庭で過ごすが愛情には恵まれなかった。そんな彼女が新宿で学生運動などをする若者たちと出会う。大人への復讐、自分の存在を認められることへの喜びから犯行の実行へと。事件の一真相としても、若者たちの葛藤、恋愛物としても興味深く読みました。彼女が実行犯なのかも?とも思える内容
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いつから人は大人になるのか 物事を流したり忘れたり 出来るようになるのか あれとこれとそれが こう繋がるのかという カラクリも面白かった 市のリユース文庫にて入手
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府中3億円事件の実行犯は私。なのにタイトルが『初恋』。ジワっと期待してみた、が、肩透かし食らって脱力。この内容でこの本の薄さが敗因と思われる。もっとじっくり書いて欲しかった。
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恋愛小説というのだろうか。 どちらかというと、大人と子どもとの狭間を色々な角度から描いていたように思う。 過去と未来を手にして、捨てるのは現在 でも、いまに留まろうと必死だ って、なんて切なくて青臭いんだろう。 誰しも大人になるのは逃げられないし、大人になってみて良いことも...
恋愛小説というのだろうか。 どちらかというと、大人と子どもとの狭間を色々な角度から描いていたように思う。 過去と未来を手にして、捨てるのは現在 でも、いまに留まろうと必死だ って、なんて切なくて青臭いんだろう。 誰しも大人になるのは逃げられないし、大人になってみて良いこともある。 でも、最近はなんか詰まらないんだよな。 自分で自分を縛ってしまって、今を生きていない気がする。朝と晩をなぞるだけ。 読み終わって気分は灰色って感じ。
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主人公のみすずと現金強盗三億円事件について。幾重にも重なる表題の意味が分かると、何とも言えない。ラストは淡々としていて、それ故に美しいようにも思う。綺麗な決着ではないが、これが現実かなと思わせる。学生闘争など、その時代の空気が興味深い。
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