繋がれた明日 の商品レビュー
相手が悪くて人を殺してしまった犯人が、その相手を恨みながらも仮釈放される。その中で、周りの人がどう過ごしていたか、自分を支えようとしてくれる人。一方でいつもつきまとう、人殺しをしたという事実に下げずまれる毎日。自分が殺されかけて始めて気付く、殺された者の孤独。
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殺人加害者となった若者の物語。本当に俺は100%悪いのか?死んだ相手は死んだから贖罪したことになるのか? 人と人との争いは、どちらか一方が悪いということはないだろう。喧嘩両成敗という言葉もある。メディアを通じたニュースは確かに加害者が悪いという表現が多く、確かに真実だろうし受け...
殺人加害者となった若者の物語。本当に俺は100%悪いのか?死んだ相手は死んだから贖罪したことになるのか? 人と人との争いは、どちらか一方が悪いということはないだろう。喧嘩両成敗という言葉もある。メディアを通じたニュースは確かに加害者が悪いという表現が多く、確かに真実だろうし受け取るわれわれも、人を殺しておいてなんでこんなにすぐにでてくるのだ?と思ってしまう。人を殺めたことは確かに一生かけて償うべきことなんだろうけど、真実はどうだったのか?見る目は必要だ。殺したくて殺したという事件は少ないと信じたいし、おそらく事実だと思う。ならばなぜ殺したのか、被害者と加害者にあった確執とはなに?冷静にみなきゃいかんだろ!! ちと違うはなしだが、、死刑廃止制度についてある犯罪の遺族にきいた話があった。彼いわく。「加害者は殺してやりたい。だが被害者家族である私以外の人間にそう思ってほしいわけではない、、」とい言っていたことを思い出した。重たい言葉だ。
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犯罪って怖い。更正って難しい。 多くの犯罪者がこんなふうに考えていたら世界は平和に向かいそうだけど、きっとみんな反省してないんだろうなぁと。
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繋がれた明日は、2003年に発表された真保裕一のサスペンス小説。 中道隆太は恋人の事でもみ合いになり、19歳で誤ってナイフで人を刺し殺人の罪を犯した。 7年後、刑期が残り1年になり仮釈放となる。 しかし、「この男は人殺しです。」と書かれたビラが中道隆太の勤務先やアパートのポス...
繋がれた明日は、2003年に発表された真保裕一のサスペンス小説。 中道隆太は恋人の事でもみ合いになり、19歳で誤ってナイフで人を刺し殺人の罪を犯した。 7年後、刑期が残り1年になり仮釈放となる。 しかし、「この男は人殺しです。」と書かれたビラが中道隆太の勤務先やアパートのポストに、何者かによってばらまかれる。 罪を償っても、執拗に追い詰める誰か? 殺人を犯したものの観点から書かれていている。 被害者の家族も、加害者本人もその家族も、重い過去を持ちながら生きてゆかないといけないんだと感じるが、なかなか自分がその立場になっていたらどうなんだろう? 考えさせらながらも一気に読んでしまいました。
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殺人加害者が主人公。 当然ながら、ひたすらダークな展開となる。 『盗人にも五分の理』という言葉があるが、 今回の主人公は、恋人にちょっかいを出してきた男を死なせてしまった男。 恋人を守りたいと思ったまでは良いが、 用心に持っていたナイフが災いし、あっさり刑務所行き。 6年の刑期...
殺人加害者が主人公。 当然ながら、ひたすらダークな展開となる。 『盗人にも五分の理』という言葉があるが、 今回の主人公は、恋人にちょっかいを出してきた男を死なせてしまった男。 恋人を守りたいと思ったまでは良いが、 用心に持っていたナイフが災いし、あっさり刑務所行き。 6年の刑期で仮出所するが、問題はそこからだった。 法律上許された罪でも、人間としては簡単に許されるものではない。 社会は主人公が思っている以上に厳しく、辛いのだが、 そんな中にも支えてくれる人がいる。 保護司や家族。就職先の会社の人々。 『殺人者』という存在に対する理屈抜きの恐怖心と、 人間としての良心との戦いが、主人公を巡る 人々の内面でも行われている。 真保裕一の作品は、一貫して巨大な壁にただ一人立ち向かう男が 描かれているが、人間はどんなに孤独に思っても、 本人が思うより、はるかに多くの人間に支えられて生きている ということも、同時に描かれている。 凶悪犯罪の多発化・低年齢化傾向が著しい昨今。 その歯止めとなるのは、できれば、相手への思いやりでありたいと思うが、 人間誰しも突発的にカッとなることはある。 それをとめる最後の歯止めとして、本人を支えてくれる 周りの人々への配慮のような気がした。 犯罪を犯した本人が罰を受けるのは当然だが、 恐ろしいことに、その罰は社会的にはかなりの広範囲に及ぶ。 『犯罪者の家族』『犯罪者の同僚』『犯罪者の上司』… 子供が犯罪を犯したら、親はたとえ刑務所に入ることはなくても、 同等の社会的制裁が待っている。 会社で犯罪を犯しても、罪は管理責任を問われる上司にまで及ぶ。 そんなにいい人ばかりではないかもしれないが、 そんなに悪い人ばかりでもない。 そういう人を一時の気の迷いで悲しませてはいけないと思った。
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東野圭吾「手紙」や乃南アサ「晩鐘」で描かれていた、「事件後の加害者・被害者の問題」テーマもの。この作品では加害者側の理不尽がメインに描かれているけれど、こういう「被害者側にも過失があった」場合、結局「誰が悪い」と一概には言えないんだよねえ。 事件加害者である主人公に向けられる悪意...
東野圭吾「手紙」や乃南アサ「晩鐘」で描かれていた、「事件後の加害者・被害者の問題」テーマもの。この作品では加害者側の理不尽がメインに描かれているけれど、こういう「被害者側にも過失があった」場合、結局「誰が悪い」と一概には言えないんだよねえ。 事件加害者である主人公に向けられる悪意の数々はかなり痛い。けれどそれ以上に、彼を支えて見守っていこうとする人たちの温かさ、というものが印象に残る。特に保護司なんてすごいなあ。こんな人めったにいないよ。その人が更生できるかどうかってのは(まあ性格もあるだろうけど)、こういった周りの人に扱いによるところも大きいんだと思う。「晩鐘」読んだときにも凄く感じたけど、周りの目が新たな犯罪者を作る、という面はあるよなきっと。
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些細なきっかけで殺人者となった青年の更生の過程。犯罪者も被害者もそれぞれの家族も悲劇。裁判員制度で選ばれてしまったらと考えてしまう... 東野圭吾の『手紙』と似ているかな。
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以前NHKの土曜ドラマ枠で放映されたとき、原作をいつか読もうとおもっていました。被害者と加害者、怨恨と更生。殺人をめぐる影響は計り知れません。殺人は、被害者はもちろんその家族、加害者やその家族をも社会的に殺してしまうことになる現実に、慄然とします。
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あの夏の夜のことは忘れられない。 一瞬を境に、人生が変わった。 東野『手紙』とは打って変わって、犯罪加害者にスポットライトを当てた作品。 出所後の加害者が抱える葛藤、煩悶について少々冗長に過ぎる印象を持った。
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真保マジック再来。人の最大の過ちが人を殺めることやと思う。実際俺が主人公と同じ境遇に立たない保証はないわけ。 キレることなんて誰にでもあるわけなんで気をつけよう。
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