繋がれた明日 の商品レビュー
かなり楽しめました。 途中からストーリーの1つの軸となった”ビラを配った犯人”の答えは かなりお粗末なものだったけど 犯罪を犯した者の絶望感、疎外感がヒシヒシと伝わってきた。 途中からやめられず、一気読みでした。本当に楽しめました。
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決して泣かせものではないんだけれど、じんわりうるっとくる作品。 とことん「自分」を見つめていく物語。主人公の偽りない心情は人間の汚さを感じさせ、しかしその汚さにかえって共感してしまう。 誰だって自分が殺人犯になることなんてないと思っているはず。だけどこの物語は、自分とは関係ない遠...
決して泣かせものではないんだけれど、じんわりうるっとくる作品。 とことん「自分」を見つめていく物語。主人公の偽りない心情は人間の汚さを感じさせ、しかしその汚さにかえって共感してしまう。 誰だって自分が殺人犯になることなんてないと思っているはず。だけどこの物語は、自分とは関係ない遠く離れた世界を興味本意で覗くのではなく、他でもない自分自身をそこにみる、そんな作品である。 心がじんわりあったかくなる、そんな物語。
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殺人を犯してしまった主人公の気持ちの動きが緻密に描かれてる。 周りの人の反応、被害者側からの仕打ちの中で成長してゆく主人公を見て 現代の司法制度含めて色々考えさせられた。
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生きることは苦しい。 正しく生きることは難しい。 正しくない、過去をもつ人間が生きることは死ぬより辛いかもしれない。 けれど、それが本当だと思う。 懲役囚の再犯率の高さ、被害者の人権、加害者の人権、知る権利、どの立場からみてもその目線は偏っている。 相変わらず...
生きることは苦しい。 正しく生きることは難しい。 正しくない、過去をもつ人間が生きることは死ぬより辛いかもしれない。 けれど、それが本当だと思う。 懲役囚の再犯率の高さ、被害者の人権、加害者の人権、知る権利、どの立場からみてもその目線は偏っている。 相変わらず苦しい話を書く人である。
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2011年に読んだ小説ではベストだったかも。当初ダメダメの犯罪青年の心情描写が、変化していく様にひきこまれた。最後はいろいろがうまくまとまりすぎていて無理もあり、こんなにうまくいかないんじゃと思いつつも読後感はよかった。
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久しぶりの真保祐一です。 もう殆ど出ている作品は読んじゃっておりますので、新しい作品はなかなか読めません。読めたのは嬉しかったです。 で、今回の作品は、読んで嬉しかったと思えるような良い作品でした。 内容はケンカで相手を殺してしまった青年の話です。 彼は刑期を務めて仮釈放にな...
久しぶりの真保祐一です。 もう殆ど出ている作品は読んじゃっておりますので、新しい作品はなかなか読めません。読めたのは嬉しかったです。 で、今回の作品は、読んで嬉しかったと思えるような良い作品でした。 内容はケンカで相手を殺してしまった青年の話です。 彼は刑期を務めて仮釈放になるのですが、そこからどのように暮らしていくのか?どのように立ち直っていくのか?という内容です。 何で俺だけがこんなコトになるのか?ケンカで相手が先に手を出してきたっていうのに、裁判じゃ自分が先に手を出したコトになってしまっているし、刑務所でも損なコトばかりやって仮釈放の期間が遅れるし、何でこんなコトになってしまうんだ、という考えが、外の世界で真摯に人に接することによって変わっていきます。 少し出来過ぎなんじゃないかな?とも思うのですが、かなり感動です。 主人公の葛藤も、被害者の周りの遺された人々たちも、加害者の身内も、それぞれ心のなかに大きな傷を残して生きていきます。 加害者でもがんばって生きていればそれを応援する人々もいますし、それが伝わらないと、生きていくのが非常に難しくなってしまいます。 それは犯罪の加害者だけではなく、普通に生きている我々も同じようなものなので、非常に考えさせられる作品でありました。 次の作品もまた是非読みたいですねぇ。
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19歳で犯罪を犯してしまった主人公。仮出獄で塀の外へ戻ってきました。 そんな彼を待ち受ける、苦難や嫌がらせ。 けれども、強く優しく受け止めてくれようとしてくれる人たちもいます。 刑務所で長い間、刑を受けたけれども、心からでは罪を悔いていなかった主人公でした。 でも、ひとたび外へ...
19歳で犯罪を犯してしまった主人公。仮出獄で塀の外へ戻ってきました。 そんな彼を待ち受ける、苦難や嫌がらせ。 けれども、強く優しく受け止めてくれようとしてくれる人たちもいます。 刑務所で長い間、刑を受けたけれども、心からでは罪を悔いていなかった主人公でした。 でも、ひとたび外へ出て、罪という枷につぶされそうになり、 周りの人たちに助けられ、、、 罪を自覚したのでしょうか。 人を傷つけてしまった彼でしたが、さいごには、人を守ろうとする人になったと思います。 東野「手紙」を読んだら、こっちも読んで比べてみて、と かなちゃんに勧めてもらったけれど、読んでなるほど。 私は、こちらの方が納得するなぁ。 あらすじに関係ないけれど、京葉線(たぶん地元か隣の駅も!!)や千葉など、 馴染みのある地名がたくさん出てきて嬉しかったですー。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一度罪を犯した人間がやり直すっていうのは、 本人の心がけ以上に、 周囲の支えがあってこそなんだなあというのがよくわかります。 でも被害者の遺族からしたら、 刑期を終えたからって、 許せないというのもわかりすぎるし、 正直、誰が正しいっていうのも答えはない。 ただ、それにしがみついていては、 いけないのかなっていうのは漠然と思った。
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人を殺し、刑務所に入り、そして仮釈放され、その後…。 当然ですが暗いです。 殺したからこそ背負わねばならないもの。 被害者から受ける悪意ある行動。 色々と凹んでしまいそうな状態ですが どうにか頑張っていれば…。 内容は非常にがっしりとしたもので読みごたえはあるのですが 暗くて...
人を殺し、刑務所に入り、そして仮釈放され、その後…。 当然ですが暗いです。 殺したからこそ背負わねばならないもの。 被害者から受ける悪意ある行動。 色々と凹んでしまいそうな状態ですが どうにか頑張っていれば…。 内容は非常にがっしりとしたもので読みごたえはあるのですが 暗くて辛くて悲しくなってきます。 それはもう当然な事なのですが、何というか…。 ちゃんと読み続けるのが大変でした。
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けんかで人を殺し刑に服していた主人公が仮釈放になったとたん、「殺人者です」と告発するビラがまかれる。世間の目の厳しさや孤独と向かい合いながら、次第に成長していく主人公の姿をじっくりと描いた作品。 この作者はもともと文章を丁寧に書く人だけど、今回描かれる主人公の内面は、むしろ...
けんかで人を殺し刑に服していた主人公が仮釈放になったとたん、「殺人者です」と告発するビラがまかれる。世間の目の厳しさや孤独と向かい合いながら、次第に成長していく主人公の姿をじっくりと描いた作品。 この作者はもともと文章を丁寧に書く人だけど、今回描かれる主人公の内面は、むしろ「おまえ、そんな風に思ったらおしまいだろ」と言いたくなるようなことが多い。自分の中にある弱さや苛立ちや怒りと戦い、必死でそれを克服しようとしている主人公の姿が、あまりにリアルに迫ってきて、読んでいて胸が締め付けられるようになる。そして、「もし自分がこの立場だったら?」と自問自答しては、また心の中が重くなる。 じわりじわりと物語を追いかけながら、最後を迎えるのが怖いような気持ちになるのだけど、最後はさすがにほっと胸に落ちるようなシーンで終わった。 正直疲れた。でも、読んでよかった。
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